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ニュースメモ
アメリカで銀行が続けて事業停止しました。
そのニュースを整理します。
シルバーゲート銀行
こちらは暗号資産(仮想通貨)関連企業メインの銀行だったようです。
「カリフォルニア州の金融規制当局(DFPI)は8日、仮想通貨を扱う最大手の銀行の1つであるシルバーゲートが、自主的に清算を開始したと発表した。」
「昨年9月から12月にかけて約81億ドルが顧客によって引き出されたことを認め、株価を40%急落させていた。資金の引き出しの多くは、大手取引所のFTXの破綻と同時期に起こっていた。」
元になったFTX事件については過去記事にあります。↓↓↓↓
シリコンバレー銀行
続いて10日のことです、こちらはスタートアップ企業(新規事業立ち上げ企業)メインの銀行だったようです。
「アメリカでIT企業などを顧客に持つシリコンバレー銀行が経営破綻しました。アメリカの銀行破綻の規模としては史上2番目の大きさです。」
「利上げが続く経済環境で企業の資金調達が難しくなるなか、預金の引き出しが起こっていました。」
理由は
「簡単に言えば、両行は同じ問題、すなわち昔からある銀行の取り付け騒ぎに見舞われた。」
「両行の顧客は、暗号資産取引所であれ、ハイテクスタートアップであれ、経済・金融情勢の影響もあって、さまざまな経営課題に直面していた。そのため顧客の現金引き出しは増加、銀行の預金は減少し、現金以外の長期保有資産の多くも打撃を受けていた。」
「ほとんどの銀行は、法律で定められた担保として大量の国債を保有している。つまり、シルバーゲート銀行やシリコンバレー銀行を襲ったものと同じリスクが、多くの銀行にもある程度当てはまる。」
「両社はそれぞれ、新型コロナ感染拡大の初期に大幅に下落した暗号資産テクノロジーやベンチャー企業などをターゲットとしていた。両セクターとも新型コロナのロックダウンから恩恵を受け、特に暗号資産はアメリカ国民に配布されたパンデミック救済小切手の恩恵を受けた。 つまり、両行には2020年から2021年初頭にかけて大量の資金流入があった。シリコンバレー銀行のバランスシートは、2019年末から2021年3月にかけて3倍になった。シルバーゲート銀行の資産も2021年に大幅に増加した。」
シグネチャー銀行
「多数の暗号資産企業を顧客として抱えるシグネチャー銀行(Signature Bank)が3月12日にニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって事業停止となった。1週間足らずで3行が破綻したことになる。」
取り付け騒ぎ
今回の3件は「取り付け騒ぎ」もあっています。これは不安による預金の引き出しが急激に増えることで、混乱と銀行業務へ支障が出ることです。
「取り付け騒ぎが起こった金融機関では、窓口での対応や多額の預金払戻しによって、業務が停滞する。加えて、いかなる金融機関でも保持する資産の流動性は低いため、全預金を払い戻すことのできる現金は保有しておらず、殺到する預金の解約に応じるのは困難である。そのため、預金高の減少で経営が立ちゆかなくなり、経営危機に陥ったり、最悪の場合、経営破綻に至る場合もある。」
金利上昇も原因
「米銀を含め金融機関は預金量が大きく膨張し、預貸率も低下。超低金利下で余剰資金が積み上がるなか、SVBは利ざや確保へ償還年限の長い債券を多く購入・保有し、過度な金利上昇リスクを抱えていたとみられる。」
「一方、主な取引先である創業・成長ステージの企業は、内部留保が乏しいなど財務面の脆弱性を抱えているケースが少なくなく、銀行借り入れや市場性調達に頼りがち。FRB(米連邦準備理事会)の大幅な連続利上げにより、設備投資・運転資金などの調達コストが急上昇し、資金繰りに窮する先も目立ち始めていた。」
「そのため、これまで積んでいた預金を引き出す先が増え、預金量が急減。銀行側としては流動性資金を補うため、超低金利下に高い価格で購入した債券を投げ売らざるを得ず、多額の実現損を生み、顧客間に信用不安が広がりバンク・ラン(取り付け騒ぎ)に発展。預金流出に歯止めがかからない状況となったうえ、増資も頓挫し債務超過に陥った。」
ざっくりまとめ
①コロナの影響 ⇒ 当時は給付金が配られて、そのお金は預金や金融商品取引に流れた ⇒ 預金は銀行にとって負債にあたる。
②銀行はお金を貸して金利を取る事業なのに、コロナ後の企業は積極的な設備投資を控えたため、貸し先が無く、でも利益を出さないといけないため債券購入に回った。
③コロナに続き戦争も起きたため物価上昇が続き、金利を引き上げる政策が取られた ⇒ 金利が上がると債券価格は下がるため買った債券は負債になった。
⑤短期で資金が必要なスタートアップ企業や不安定な暗号通貨取引企業相手だったため、長期で安定した貸先が少なかった(脆弱性)
④ジワジワ続く金利上昇に耐えられなくなり、人員削減などのニュースが流れ、取り付け騒ぎに発展し、銀行の資金難と業務停止へ
⑤預金者の資金は補償される見込みという報道、連鎖倒産防止に動いてる模様
こんな感じではないでしょうか。
慌ただしい感じですが急激な金利上昇は様々な影響が出てきます。国内銀行も同じ状況(債券価格下落による負債増)だと思います。
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