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日曜劇場『半沢直樹』の楽しみ方

どうもいっぴきです。皆様いかがお過ごしでしょうか。コロナ禍にあり、普段の通学・通勤や、休日の活動に影響が少なからず出ていることと感じます。オリンピックも開催が延期となり、開催国日本としては難しい時期を過ごすことになりますが、一致団結してコロナ禍を乗り切りたいですね。様々な制限があるわけですが、日本は優れたコンテンツ大国であると思っており、コロナ禍でも十分に楽しめるエンターテインメントがあると思っています。ドラマもその1つで、ついに日曜劇場『半沢直樹』が帰ってきました。前回は2013年に放映され、社会現象を巻き起こしたといっても過言ではありませんよね。前作(以下1stシーズンと呼ぶ。)では、「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」が舞台でしたが、今回ドラマ(以下2ndシーズンと呼ぶ。)では「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」が舞台と想定しております。ドラマが何話で終了するか公式な発表は未だないものと認識しています。本稿を書いている際には、2ndシーズンは既に第1話が終了しておりますが、肌感的に風当たりの強い意見も多いのではと感じました。その理由と、そうした背景にあっても楽しめる方法があるのではないかと思い、日曜劇場『半沢直樹』の楽しみ方を徒然なるままに記載してみたいと思います。ゆるくお付き合いいただけますと幸甚です。

1.なぜ日曜劇場『半沢直樹』に対する世間の風当たりが強いのか?

2ndシーズンは第1話で視聴率22.0%と他のドラマに比べると好発進と考えられます。しかしながら、Twitterの意見も踏まえる必ずしも良い意見ばかりではありません。実際に「ありえない設定だ」「完全に顔芸のドラマだ」等々がTwitterでも飛び交っていると思います。そこで、2ndシーズンが置かれている状況をしっかりと見極めるところからスタートしましょう。

背景1:原作の時代背景とドラマの放映の時間軸ギャップがある
いずれも単行本の発刊年は、
✓オレたちバブル入行組(2004年発刊)
✓オレたち花のバブル組(2008年発刊)
✓ロスジェネの逆襲(2012年発刊)
✓銀翼のイカロス(2014年発刊)
となっており、1stシーズンのドラマ(2013年放送)と比しても、「オレたちバブル入行組」は9年、オレたち花のバブル組は5年もの差があります。
今回2ndシーズン(2020年放送)は「ロスジェネの逆襲」は8年、「銀翼のイカロス」は6年の時間軸のギャップがある。そのため、半沢直樹の舞台の前提となっている、「サラリーマンで社内政治を上手く実行し出世していくという風潮に対し、毅然と立ち向かう半沢直樹の姿が"良い"という」ある意味昭和の延長線上にある舞台設定が「とってもいい」とは思えない層が増えてるのはないかと感じています。

背景2:1stシーズンと2ndシーズンの間に「銀行不要論とコロナショック」が起こった
2017年11月頃にメガバンク3行から「大規模な人員削減計画」が発表されています。私は経済学部出身のため、友人には多くの金融関係者がおりました。「安定した仕事は銀行である」が友人たちの口癖でしたが、戦後初めて脆くも崩れ去った瞬間ではないでしょうか。また日本銀行のマイナス金利政策も2016年2月に実施されています。要は民間銀行は日本銀行にお金預けてないで、ちゃんと自分で貸出先を見つけてこいというメッセージです。本業で赤字になる銀行も出ていたと思います。
加えて、大きいのはテクノロジー業界の金融業の参入です。ビル・ゲイツは「銀行業は必要だが銀行である必要はない」と1994年に発言していますが、高度なテクノロジーと資金を持つ企業がその技術を活用して、個人や企業への融資をスピード感を持って実現し始めています。バークレイズ元CEOのアントニー・ジェンキンスは2012-2015年にかけて、Uberの出現でタクシー業界は壊滅的になったが、銀行業界も「非連続的な変化」の途上にいることを自覚すべきと発言しています。実際に、銀行もタクシー業界がUberに飲み込まれたような状況に追いやられそうな予感はあります(日本ではタクシー業界はUberにやられていないけどね)

更に加えるならば2020年はCovid-19に見舞われた年です。説明するまでもないですが、従来型の日本的雇用が本当に正しいのか、ジョブ型やリモートワークが良いのではないか、成果主義の導入が良いのではないか等が叫ばれています。こうした世間の動きに対して、半沢直樹の世界観は若干古く、感情移入するには難しい部分が多いと想定されます。
つまりアウェイ環境下での2ndシーズンの放送になっていると考えられるため、視聴者の目は必然的に厳しくなっていると想定されます

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2.ではどのような視点で半沢直樹を楽しむのか

2ndシーズンではアウェイな環境下であると考えられるものの、楽しく見る方法はあると思っています。以下4つの視点で楽しんでいきましょう。

2-1.原作との違いを楽しむ
まずは原作との違いを楽しみましょう。制作サイドも時代背景が異なっていることは百も承知だと思いますので、何かしら工夫を入れてくるのではないかと考えています。
その1つとして、原作には出てこないキャストが2ndシーズンではどのように半沢直樹たちと絡んでくるのかが楽しみです。私が把握しているだけで、大和田常務(香川照之さん)、浜村瞳(今田美緒さん)、女将・智美(井川遥さん)等は本来原作には出演されていないのですが、ドラマでどのように関与してくるのか気になっております。
まず、大和田常務ですが、前回不正を半沢直樹に暴かれて土下座させられます。しかしながら2ndシーズンは愛弟子である伊佐山部長に第1話で裏切られるという展開となっています。大和田常務としては、半沢直樹を憎いとは思っていると思うと同時に三笠副頭取や伊佐山部長のことも気にくわないはずです。大和田常務としては半沢直樹を利用しつつ、三笠副頭取と伊佐山部長に復習する描写がドラマ上は出てくるのではないかと予想しています。敵の敵は味方を装いながら、腹の探り合いがみられそうな予感です。
続いて、浜村瞳と智美は半沢直樹にヒントを与える存在ではないでしょうか。浜村瞳はセントラル証券のプロパー新入社員という立場で、智美は小料理屋の女将という立場で難局に立ち向かう半沢直樹に対し良いインプットをくれる存在になると想定しています。ドラマのどの局面で彼女たちが大きく関与してくるのか楽しみです。

2-2.迫真の演技を楽しむ
これは完全にストーリー度外視ですが、大げさな顔芸(笑)やセリフには期待したいなと思っております。顔芸に関しては、今回のメインの悪役2名、三笠副頭取(古田新太さん)と伊佐山部長(市川猿之助さん)に期待したいです。市川猿之助さんは舞台で『半沢直樹』の収録に遅れて参加したとのことですが、その間は、市川猿之助さんの役を香川照之さんが代打で実施していたようです。演技のコツも伝授したとのことで、従妹で半沢直樹に立ち向かう格好になるでしょうか。それにしても歌舞伎出身の役者さんの演技は鬼気迫るものがあってすごいですよね。歌舞伎は一度でいいから見てみたい。また第1話では「施されたら施し返す。恩返しです」というパワーワードが飛び出ました。今後の名セリフに期待したいと思います。

2-3.僅かな糸口からの逆転劇を楽しむ
圧倒的不利な状況からどう打開していくかがハラハラして面白いですね。半沢直樹からすると、東京セントラル証券に出向の身ですので、半分は東京中央銀行の人間です。出向の身でありながら銀行に対して立ち向かう姿勢に心を打たれるシーンがあるはずです(たぶん)。
実は第1話から複線はあるんですよね。ネタバレになるため書きませんが、
✓なぜあんな発言したのだろう?
✓なぜあの人に最初に買収の依頼をしたのだろう?
✓なぜあのスキームにしたのだろう?
みたいな感じで見ていくと腹黒いたくらみが少しづつ見えてくるかもしれません。
わずかな糸口からがシャイアントキリングを起こす半沢直樹ですが、何をきっかけに問題解決していくのかを追っていく楽しみ方もあるかと思います。一種のミステリーのようですね。

2-4.Twitterを活用して楽しむ
人間はだれしも自分が感じたこと、考え方ことは人に認められたいものです笑。ぜひ感じたことをTwitterで共有して、感じたこと。考えたこと。ツッコミポイントがあると思いますのでぜひ共有しましょう。但し一つだけルールを守ってください。誹謗中傷は絶対ダメです。
すでにTwitterでも呟いたのですが、楽しむ層は色々ありそうです。
サラリーマン界隈で半沢直樹と同じような境遇(上司には逆らえない)で日々悶々とする方もいるでしょう。その方は1stシーズン動揺にスカッとしてもらい月曜日は気持ちよく出社していただければいんじゃないでしょうか。
また、『半沢直樹』特有の「ありえないだろ、大げさだろ、やりすぎだろ等」のtoo muchに対するTwitter界隈(プロフェッショナル系職種の方が多い)のツッコミは要チェックです。ガバナンスが一切効いていない、一歩間違えばパワハラというか犯罪じゃないの?的な要素が出てきますが、そこは寛大な心でネタとしてツッコミましょう(プロフェッショナルの方のツッコミは普通に勉強になりますのでメモしておきましょう(笑))。

半沢直樹の世界観は上司が悪い人すぎるのが前提で、そこに対するやり返し方もマジですか!という感じはしますのでそのあたりは大らかに見ていきましょうね。

あ。公式Twitterはフォローしておきましょう。たまーにフランクにRTしてくる時があります。これは前回には無かった楽しみ方ですね(たぶん)。

3.まとめ

以上まとめると以下です。

✓前提として、日曜劇場『半沢直樹』2ndシーズンは原作との時間軸のずれ、銀行不要論やコロナショックでアウェイな環境下での放送となっている

✓しかしながら、①原作との違い、②迫真の演技、③僅かな糸口からの逆転劇、④Twitterの活用の4つの視点で1stシーズン以上に楽しむ余地がある

と思っています。僕は『半沢直樹』とても大好きで、原作は全て読みましたし、2ndシーズンをとても待ちわびてました。7年経ってしまって世の中変わってしまったところありますけど、「どうやったら楽しんでみることができるか?」は、「どうやったらこの難局を切り抜けられるか?」という半沢直樹の姿勢に通ずるものがあると思います。社内政治の部分にのみ焦点を当てるのでなく自分なりの楽しみ方を見つけてみてくださいね。

いっぴき🐾

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