VIVANTを9話まで見た感想と勝手な考察
周りに勧められて7話以降に毎日一話ずつ観て9月3日放送の8話までになんとか追いついた。
ドラマをほとんど観ない僕なのですか見始めたら面白いっすね。ドラマとして面白いのと同時に「金かかってんなー」というところが個人的に注目(笑) 出演者が豪華なだけでなく長期の海外ロケや車がバンバン破壊されるところで。
ということで(?)ここでは僕の感想と僕が気になった部分の勝手な考察を述べていきたい。
※注 以降ネタバレを含みます
これから起こるであろうどんでん返しのキーマン
途中まで観てて気になった点がある。「あの写真はなんで?」その部分が特に触れられずにストーリー上でスルーされてるので「ここ怪しいなあ」と思った次第。
もったいぶらずに言うとキーマンは「柚木薫」「ドラム」「ジャミーン」の3人。
●柚木薫
完全にクロ。
第4話で乃木がジャミーンの写真のアルバムを眺めていたら発見したのが山本がテントの一味として写っている写真。これを元に乃木は山本を追い詰めるわけだが、「なぜジャミーンがその写真を持っていたのか」。
山本が写っている写真にはジャミーンと父親のアディエルも写っている。
日付は2019年3月16日。柚木本人の話によると柚木はバルカに3年住んでいた。アディエルに会った時には奥さんはすでにいなかった。アディルは「2年前に亡くなった」と言っていた。つまりこの写真を撮ったのはアディエルの奥さんということか? 第1話の最後にベギとノコルが登場し「アディエルが死にました」と報告。つまりアディエルもテントの一味(もしくはテントに食料を供給する人とか)ということになる。
ではなぜ柚木はこの写真を見て何も思わなかったのか。パラパラとアルバムをめくって、その中に武装した人間がバックに写っている写真が出てくれば少なからず疑問に思うはずだ。
つまり柚木はテントの一味ということだ。
山本がテントに加わったのが3年前。そして柚木が世界医療機構(世界保健機関?)の一員としてバルカに来たのが3年前。テントは2019年あたりのその時期に活発に活動を開始し始めた。柚木と山本は互いに顔を知った仲間の可能性がある。柚木はバルカで表向きは医療関係者として活動していた?
柚木がテントに加わった理由がなんなのかはわからない。だがおそらくはベギや山本と同様に「日本に対する怒りや恨み」があったからに違いない。第1話で柚木は乃木を探しに病院にやってきたチンギスにあっさりと居場所を教えた。それは同じテントの仲間であるアディエルを死においやっただけではなく、爆破の犯人が「日本人」だったからだ(その時はそういう疑いがかけられていた)。だからヒステリ気味に「日本人はあんたたちだけでしょ」と言い放った。
おそらく日本に行くのは決定事項で、もともとジャミーンの手術に同行するという形で日本に戻ってくる予定だった。だが乃木と野崎と出会ってしまったばかりに予定が狂った。そこであえて日本の公安だという野崎に近づき、ジャミーンを連れて日本に行けるように仕向けた。自宅で倒れたジャミーンを連れていくと頑として譲らなかったのはそのため。ではなぜ柚木が日本に行くのか。テントの最終標的である日本に事前に入国し、テロを行うための下準備をするためだ。
山本はすでに日本に戻り正体がバレないように会社員として働いていた。柚木と山本はどこかで会う手はずを整えていたのだろうが、第1話で乃木が山本と同じ丸菱商事の社員であることを知る。柚木は乃木と行動を共にする間に乃木の不可解さに気付き、「もしかしたら別班では?」という疑問を抱くように。
そこで乃木に山本の正体がバレるようにした。敢えて山本の写っている写真を見せた。乃木を試すために。その後山本の死亡を確認。ここで柚木は確信する。「この人は別班なのでは?」と。
だから柚木が乃木に好意を寄せているのも全部ウソ。すべては乃木に近づいてその正体を暴くために乃木のことが好きであるかのように演じているだけ。まだ乃木が別班だという確証は第9話までの時点で取れてはいないが、おかげさまで乃木から通帳と家の鍵をゲットするまでに至った。
もしかしたらジャミーンの手術費用を貰えなくなったなんてのもウソかもしれない。1500万円をテロの準備や自身が活動を行うための当座の資金として得たかったがためにウソをついた。めでたく1500万円を調達。しかも乃木から。この一件でさらに乃木に対して「この人は何者なのか」という疑念を積もらせたに違いない。
また、9話でベキは「日本がテロの最終目的というのはただの噂・勝手に広まった話」と言っていたがそれは本当だろうか?日本を襲う気がないのなら、日本にテントの一味は存在しないはず。ではなぜ日本にテスターが存在するのか。現に山本は日本に住んでいたテスターであり、乃木が殺したはずの別班の仲間の映像を送ってきたのもテスターである。ベキの言葉には矛盾が生じる。
ということで、まだいくつか謎は残るのだが柚木薫はテントの一員ではないかというのが僕の見立て。
●ドラム
グレー。
小型盗聴器を気付かれずに取り付けたりする技術や任務の遂行能力、写真を綺麗に並べて素敵なアルバムを作る手先の器用さに至るまで高いスペックを誇り、ときおりチャーミングな一面も見せる有能なエージェント。バットマンで言うなら執事のアルフレッド、シャーロックホームズで言うならワトソン君、明智小五郎で言うなら少年探偵団の小林少年といった具合の、物語作品によく登場するチート脇役である。
が、彼はただ単なる超絶愛されお助けキャラだろうか?
そもそも彼はなぜそんなにも高いスペックを持っているのか。もともと持っていた能力が高いのだろうが、どこかで専門の訓練を受けていたという経歴を持っていたとしてもおかしい話ではない。
野崎はその高スペックぶりを買って自分の右腕として重宝するが、もしかするとドラムはテントの一味であり、野崎にうまく取り入り、日本の公安の動きをマークしているのではないか。あまりにも野崎の力になりすぎて逆に怪しい。
そして彼は本当に日本語が喋れないのか。喋れないふりをして「あえて黙っている」のではないか。日本語が喋れないふりをして油断させておいて、同じテントの仲間だと悟られないように柚木と秘密裏に会話を交わす。
ジャミーンが日本の病院に入った時に病室を寝床としたのもそのため。これなら柚木と記録の残る通信手段を使わずに連絡ができるし、仮に病室で会話をしていても日本語以外の外国語ならほかの病室の人間に聞かれても内容が知られることもない。
だが柚木と比べてサインが少なくてテントの一味と言うにはやや弱い。もしかしたらテントではなく別班の可能性もある。
言葉が話せない別の理由として、ジャミーンのように心因性のショックを受けている可能性もあるのでは。
なのでテントかもしれないが別班かもしれないし、それとは全く別の組織の人間かもしれない。悪役の可能性はあるが、まだまだ謎が多いという点で柚木よりは色が薄いグレーとする。
●ジャミーン
グレー。
しかし3人の中では一番色が薄い。
気がかりはアディエルの娘ということ。アディエルはテントと何らかの形で密接に関わっていた。彼も軍事的な訓練を受けていたかもしれない。
彼の娘ならジャミーンも同様に軍事的な訓練を受けていたのではないか。
ISやアルカイダといったテロ組織は少年兵を組織していた。子供たちを洗脳し、軍事教育を受けさせ、その映像が公開されていたこともある(※気持ちのいい映像ではないので調べる際は要注意)。実際に戦闘員として育てられていなくとも、バルカは内乱があったため情勢が不安定であり、自衛のためといった理由から父アディエルからなんらかの戦闘的教育を受けていてもおかしくない。
病気の為に来日して手術する予定だったが、完治して退院した暁には立派なテントの一員として活動をする。
ベキがジャミーンの無事を知って笑顔を見せたのも、単に安否が確認できただけでなはくて「仲間を日本に送り込めた」という安心から来たのではないか。
そして彼女もまた「喋れない」のではなく「喋らない」のではないか。
母親を亡くしたことは事実だろうが、それを口実としてあえて喋らせないようにしているのでは。
喋らせない理由はわからない。同じテントの仲間である柚木やドラムと会話するようにだけしているのか、何か話してはいけない重要な秘密を握っているのか。
だがドラムと同様にキャラクターに関するサインが少なすぎる。悪役と断定するにはまだ早計かも。よってグレー。
もう一つ気になるのは「心因性のショックで喋れない」と言う設定。
トラウマ級の過去を持っているのは乃木とジャミーン。そしてドラム(という個人的な見立て)。この3人には共通する何かがあるような気がする。
個人的に気になったところ
ここからはストーリーとは関係のないところの話になるが、「VIVANT」には「これ、失敗じゃない?」と感じた点がある。ドラマの放送開始時期だ。
第1話の放送は7月16日。いったいなぜこの時期なのか。地上波のドラマは大体1クール(3ヵ月ごと)の放送であり、テレビ局各局ともドラマの第1話の放送開始は1月、4月、7月、10月で、その月の初旬である。なぜこんな中途半端な開始時期になったのか。
また7月16日はちょうど小中高生が夏休みに入る1週間前でもある。10代以下の子供たちは夏休みの準備に忙しく、実際に休みに入れば宿題や友達と遊ぶことに熱心になる。ドラマなんか見ている場合ではない。
大人は大人でお盆の時期とその前後は夏季休暇を取るところがほとんど。しかもコロナ禍が明けて、海外への渡航がコロナ禍以前の状態に戻って初めての夏休み。大人だって家でテレビを見ている場合ではないのである。
さらに8月下旬にはバスケットボールのワールドカップ、9月からはラグビーワールドカップが開催。他に視聴者を持っていかれてしまう。
豪華な俳優陣にかなりの予算をつぎ込んだ、気合の入ったドラマであることは一目瞭然。TBSとしてもかなり期待を寄せていたことだろう。実際に面白いし話題にもなっている。しかし僕は思ったほどの大きなうねりになっていないと見ている。
それは完全にドラマの放送時期を見誤ったからだ。
同じTBSドラマのヒット作となった「下町ロケット」「陸王」「逃げ恥」は秋季(10~12月)の放送。
「半沢直樹」は2013年は7月上旬の放送。2020年の放送も7月でコロナ禍に突入。ちょうど第2波の真っ最中で、各地で外出制限やら5人以上での飲食を控えろやらやかましく叫ばれはじめ、日本全国に一挙に「自粛」ムードが高まった時期だ。巣ごもりの数少ない楽しみの一つとなり、その自粛も半沢直樹の人気を押し上げた要因でもあったと考えている。
先述したように、今年の夏はコロナ禍が明けた初めての夏休み。やっと自粛しなくてもよくなったのだ。そりゃあみんな外に繰り出すよねって話で。わざわざ家でテレビなんて観ない。テレビ局側はコロナ禍の巣ごもりが今年の夏も続くと思っていたのだろうか。
こんなに予算を積んだ豪華なドラマなのに、放送時期をミスったことで非常にもったいないことをしている。
ということでこれまでのVIVANTの感想と勝手な考察を述べてみた。
9月17日が最終回とのことなのだが「これで本当に終われるのか!?」というのが正直な気持ち。個人的には「ドラマの放送分が最終回」で本当の最終回の「劇場版VIVANT」の公開が発表されるのでは?と予想している。劇場版の公開が年末年始から来年の春先くらいなら、その間に復習する人が増えて口コミも広がってムーブメントが起きる可能性がワンチャンあるかもしれない。
僕の予想当たるといいな(笑)
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