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「1日外出録ハンチョウ」好きな回10選
カイジの映画を見てから原作を読み始め、それと並行して読み始めたスピンオフ作品「1日外出録ハンチョウ」にハマっている。
カイジ本編以上にハマってしまった。
そんなにわかだがハンチョウを語りたくなったので、好きなエピソードを語る。
自分は以下の10話が特に好きです。
・3話 捻込(1巻収録)
3話目にしての人情話。この回で引き込まれた部分は大きい。この漫画ってこういう良い話もあるんだ、と認識を改めるようになり、読むのが楽しみになった。
料理の注文だけで心理戦みたいになっているのも面白い。
・9話 一休(2巻収録)
風邪の引き始めを感知した班長が翌日の予定に間に合わせるため風邪を治す回。
風邪を治す知識がついて勉強になる。この間寒気を感じた時「大槻ロール」を真似したら凄い汗が出てスッキリした。
ハンチョウはグルメ漫画という側面もあるので料理がとても美味しそうで、苦手な食べ物が出てきても食べたくなる。今回のつみれ鍋とか。好き嫌いの矯正にも役立ちそう。
見舞いに来てくれる宮本さんの優しさも嬉しく、結末も風邪を治し沼川・宮本さんとボードゲームカフェで楽しむハッピーエンドで大満足。スキップしながら現れるハンチョウ、おじさんなのになんでこんなかわいいんだろう。ボードゲームと絡めた「1回休んで6進む」という終わり方も秀逸。
・11話 少年(2巻収録)
海回。「大人になるべき社会では子どもじみたわがままを言い、遊ぶべき所で変に大人ぶる」という言葉には考えさせられた。サザンもTUBEも世代じゃない自分はどの曲を流せば少年スイッチを入れられるかなぁ。
童心に帰るおっさん3人の様子がひたすら微笑ましい。夢の中で少年に帰る班長の愛らしさと、それをそっとしてあげる石和の気遣いが光る終わり方も良かった。石和は10話で若干下がった株を今回でしっかり取り返したと思う。
青春を思い出すとちょっと切ないけど幸せな終わり方をする回が特に好き。
・16話 極楽(3巻収録)
スーパー銭湯回。地下労働で減った体力を温泉、ツボ、湯上がり御膳、サウナなどでみるみる回復させていくのが爽快。「かいけつゾロリのじごくりょこう」の針山地獄を読んだ時みたいな感じ。
HPゲージの表示で回復具合が可視化しやすいのも爽快感を高めている。
スーパー銭湯行きたい…!
ハンチョウは外出欲を掻き立て、普段の生活をより楽しめるバイブルだということが分かる回。
・33話〜35話 宮誕・時駆・美夢(5巻収録)
理外のSF3部作。セットで1話換算とさせてください。
この漫画は何でもありなのか、とさらに認識が変わる回。
この3部作のストーリーに説得力を持たせるには、1話目の宮本さんの誕生日会が最重要。そしてその最重要な1話目をとても平和で幸せに描いてあるので、現実感のない2、3話目の急展開も面白くなる。
つくづくこの作品は幸せな1日を描くのが上手い。
ラストは班長の名言に繋がるものの、班長が悪役であることを思い出させるものであったため最後の満足感は少し薄れてしまうが好きな話。
あとこの話で言われていた、「今でも甲子園球児が年上に見える」という話に共感してブンブン頷きすぎた。班長と共有できる感覚があって嬉しい。
・ハンチョウVSイチジョウ(12巻収録)
イチジョウは読んだことないし自分の読んでる原作でもまだ出てきていないから一条については映画の知識しかないニワカだけど面白かった。
この漫画、ダラダラダベる会話の解像度が高い。「凪と時化って逆っぽいと思わんか」の話とか、一条みたいな部外者から見たら「何の話だよ」なんだけど沼川石和はちゃんとその話を盛り上げてくれて、こんな会話がしたいと思える。
無駄話が盛り上がる友人って本当に貴重だと思う。沼川石和は本当に班長とベストマッチなんでしょうね。
・113話 巨父(15巻収録)
大槻には……子どもがいる……!の導入に驚かされ、一瞬納得するもやはり意味が分からない回。突然「同行(アカンパニー)」が使用(オン)されてマサドラへ行く、ハンターハンターになるのも大笑いしてしまった。
・116話 遊浸(15巻収録)
スレスパ回。自分はスレスパをやったことがないのでこの内容を全ては理解していない(ゲームに夢中になる気持ちはよくわかる)。
ならこの回の何が良いかというと、班長と宮本さんの仲が良すぎるところ。
序盤の班長は黒服である宮本さんを利用するつもりで交流していたのだろうが、この話では1ページ目でこうナレーションされている。
「気の置けぬ仲間と酒を飲み」と。
宮本→班長は確実に友達なのは今までの話で分かっていたけれど班長→宮本への明確な友情が確認できるだけでなんだか泣きそう。双方向の友情は最高。
・117話 滑滑(15巻収録)
散髪回。散髪と顔剃りでツルツルになった班長の感覚の異常さに大爆笑してしまった。いくら研ぎ澄まされたとは言っても他人の注文まで予言するのはおかしい。
で、当然のようにその察知感覚を「円」と表現するのも笑ってしまった。この時の作者さん、ハンターハンターにハマっていたのだろうか。
15巻は好きな話が3つも収録されている、個人的当たり巻。
・132話 背伸(17巻)
牧田さんの次男、弘樹が外出についてくる回。大人への憧れと大人の真似をして背伸びをする1日の特別感の表現がとても素晴らしい。
夜更かしを楽しむ弘樹の表情と「この日は………いくら大人になっても…忘れられない1日となった……!」という幸せな終わり方が最高に良かった。
以上10話が自分の好きな回。1番好きなのは9話かなぁ。
ハンチョウは1話完結の話が多く、エピソードもグルメ回、謎回、漫画回など多岐に渡り、それゆえに当たり外れがあるタイプの漫画。
そして当たり、面白いと感じるエピソードが人によって違う気もする。
自分にとっては人情・良い話系で終わるエピソードが当たり。逆に、脳内サミット回や漫画回はそこまで盛り上がれない時があったりする(面白いが)。
だから、人によって違う当たり外れを聞きたい。自分とは違う視点で語られる人の好きなエピソードを聞きたくなる。「その回も良いよね!分かる!」と語り合いたい。
語りたい…!この悪魔的面白さ…!
ハンチョウという神漫画…!
そして自分はまだカイジ本編Eカード9戦目までしか読めておらず、班長は登場すらしていないわけですが…
やだやだ!班長は破滅が確定してるなんてやだ!沼川と石和に見捨てられるなんてやだよー!と、まるで地下に戻る時の沼川のように駄々をこねています。スピンオフから読んでしまった故の苦悩。
カイジ本編でそのシーンにたどり着いた時、自分はどうなってしまうのだろう。受け入れられるだろうか。いつか来る日の気持ちもその時は語りたい。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
おわり