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【IPO】287A 黒田グループは超高配当銘柄!?新規上場における株価考察・初値予想

 2024年11月12日、黒田グループの東証スタンダード市場への上場承認が公表されています。
 本日は黒田グループの会社概要・事業内容、IPO時のオファリング概要、目論見書記載価格の考察、初値予想について考えていきたいと思います。目論見書上で開示されている細かな情報なども勘案した株価考察もしておりますので是非最後まで読んでください。

黒田グループの会社概要・事業内容

 黒田グループは、当社グループは、親会社である当社と29の連結子会社(製造事業13社、商社事業15社、管理事業1社)で構成されています。

製造事業会社は、日本をはじめ、タイ、中国、ベトナムなどで、ニッチな分野に特化した独自の製品を長年の技術力を活かして生産・供給しています。

商社事業会社は、12ヵ国に展開し、グローバルな供給ネットワークを駆使して、車載関連の顧客に電子部品や電気材料を提供しています。各国のニーズに応じて、電気材料、電子部品、半導体、機器・装置などをカスタマイズした供給体制を整えています。

 詳細な事業内容については黒田グループが提出した有価証券届出書の【事業の内容】を読むとよくわかると思いますので、ここでの説明は割愛しますがご一読いただくことをおススメします。(下記URLは有価証券届出書のうち証券情報の記載がない東証HP上の「Ⅰの部」です)
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/mklp77000000l77d-att/12KurodaGroup-1s.pdf

 また、黒田グループはファンドが株主の再上場案件となります。
 同社は2017年に設立されたKMホールディングス株式会社が前身であり、その後黒田電気株式会社を非公開化し、現在の形態に至っています。黒田電気は1945年に創業し、電気絶縁材料を扱う商社として成長、1996年に大阪証券取引所に上場し、2000年には東京証券取引所に上場しました。その後、事業環境の変化とともに、コモディティ化が進み、持続的な成長を追求する新たなビジネスモデルへの転換が求められるようになりました。

 このため、2017年に新中期経営計画を策定し、営業利益率の改善を目指した「収益性重視」の方針を採用、MBKパートナーズの支援を受け、2018年に公開買付を行い、非公開化が実現しました。非公開化後、グループは持株会社体制に移行し、事業の収益性向上に注力、ガバナンス体制を強化し、商社事業と製造事業を別々に再構築しました。また、事業構造を転換し、資本効率を向上させることに成功し、安定的な収益基盤を築きました。

 今後は、さらに強化したガバナンス体制と事業の持続的成長を目指し、新規上場を通じて企業価値の向上を図るとともに、優秀な人材の確保や取引先との関係強化、資金調達手段の多様化を進める予定であることを開示しています。

IPO時のオファリング概要

上場承認日  :2024年11月12日(火)
仮条件決定日 :2024年11月28日(木)
条件決定日  :2024年12月6日(金)
上場日    :2024年12月17日(火)

 黒田グループは日本の投資家だけではなく、欧州及びアジアを中心とする一部の海外機関投資家(ただし米国及びカナダは除く)にも販売が行われます。一定規模の時価総額とオファリング金額となる場合に選択する「旧臨報方式」と言われるIPO時のオファリング方法となります。

 主幹事証券・シ団のフォーメーションは以下の通りで、計8社です。
主幹事証券:SMBC日興証券、野村證券
シ団:大和証券、三菱UFJMS証券、みずほ証券、SBI証券、楽天証券、マネックス証券

 目論見書記載価格は640円です。

 目論見書記載価格をベースとしたオファリング金額は以下のとおりです。
公募(国内+海外)        :なし
売出               :約77.7 億円
オーバーアロットメントによる売出し:約11.7億円
合計               :約89.4億円

 89.4億円のオファリングなので、2024年のIPOの中では中規模なサイズ感であると考えられます。

目論見書記載価格の考察

 目論見書に記載されていた想定価格は640円です。
 今回は目論見書記載価格を使ったフルダイリューション(希薄化の影響を与えるすべての要素について考慮した)ベースの時価総額を以下のように計算しました。

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