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阪神の大山選手は,本当に勝負どころで打順が回ってきがちなのかどうかを検証する

はじめに

華々しい前半戦を戦った我が阪神タイガースですが,後半戦になって勢いが落ち,今日2021年9月9日時点ではペナントレースをなんとかかろうじてリードしている状態です.光明は大山悠輔選手が復調してきてくれたことで,ここ数ゲームは彼が試合を決めてくれています.

大山選手といえば以前から,打順に関係なく,チャンスで回ってくるというジンクスが公然のように語られており,今日の以下のネット記事でも,

https://news.yahoo.co.jp/articles/1db5d3125db95389776e7745302f22e7965c6c2a

なぜ、そんなに何度も何度も勝負どころで打席が回ってくるのかは正直、証明しづらい。オカルト的になってしまうが、「持っている」とか「そういう星のもと」と表現するしかない。

という記述があるぐらいです.

ここのところ,データで楽しむプロ野球様から入手できる各選手の全打席成績データ(すごい!)を用いて,検証してみました.

注意事項

なお,リンク先のサイトで以下の注意があります.

当サイトはデータの正確性を保証していません。当サイトの情報を元に何かしらのデータを作成して損害が発生しても一切の責任を負いません。

本記事でご紹介するデータについても同様で,本記事内のデータを参照されることにより何か損害が生じても一切の責任を負いませんのでご注意願います.

データの形態

データで楽しむプロ野球様で参照できる各選手の全打席成績データですが,同じ阪神の近本選手のページのスクリーンショットを撮ったものがこれです.

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通常,毎日の試合結果からは X 打数 Y 安打,HR Z 本のような集計されたデータしか入手できませんが,このサイトではランナー何塁でカウント幾つで結果どうなったか,ということが全打席について確認できます.

今回はこの表をブラウザ上でコピー,Excel でペーストして,以下のような Excel ファイルを作りました.

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「Gスコア」欄は,部分的に日付に化けています(例えば,5-3(5対3)は,5月3日に,など)が,今回は試合スコアは気にしないのでこのまま特に加工せず,ALZETA にアップロードします.

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ALZETA に取り込むとこんな感じです.

調査すること

今回調査したいのは,「(他の選手に比べて)大山選手にチャンスが回ってきているかどうか」ということですので,大山選手以外にも阪神の主力打者計8人のデータを取得しました.

近本選手
中野選手
糸原選手
マルテ選手
サンズ選手
大山選手
佐藤選手
梅野選手

です.書いていてそれぞれ今シーズンで活躍してくれた印象的なシーンが思い出されます…

以前に,ALZETA でのデータ操作の詳細をご説明しましたので,どこを操作するとかはすべて省きまして,調査するために作成したデータフローはこんな感じになりました!

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大きく前処理と,3通りの集計を行っています.

集計1: 全打席について,ランナー有の打席割合とランナー2塁以上の打席割合の計算

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集計2: 4番以外の打順での全打席について,ランナー有の打席割合とランナー2塁以上の打席割合の計算

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集計3: クリーンアップ以外の全打席について,ランナー有の打席割合とランナー2塁以上の打席割合の計算

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考察

まず,打順を全く無視して全打席について「ランナー有」の打席数といわゆる「チャンス」と呼ばれる「ランナー2塁以上」の打席をカウントしてみたのが集計1です.その結果,確かに大山選手は「ランナー有」で打席に立つ確率が他のどの選手よりも高い,という結果になりました.二位のサンズ選手に約2ポイントの差をつけています.ただし,「ランナー2塁以上」のケースは,大山選手の次に5番に座ることがおおかったサンズ選手の方が高いという状況になっています.

次に,「打順に関係なく」チャンスに回るのかどうか,ということで,集計2集計3を加えました.前半戦,怪我がない時はほとんど4番に座っていた大山選手ですので,4番/クリーンアップ以外の打席数サンプルは少ないですが,特に集計3でわかるように,クリーンアップ以外の打席での「ランナー有」確率もサンズ選手と並んでトップという結果になっています.また彼らのクリーンアップ以外の打席での「ランナー有」確率が他の選手より5ポイントぐらい高いというのも特筆すべきところでしょう.例えば打率だと,2割5分と3割ではかなり印象が違うということから考えると,ファンが「なぜかチャンスに大山が回る」と思ってしまうのもむべなるかな,というところです.

本当は他の切り口での検証もした方が良いでしょう(回やその時点でのスコアの状況など.どん詰まりの回のチャンスの方が印象は強いですし,僅差のゲームの場合もまた然りです).

また過去の年度の調査や,他チームの調査にも手をかけてみたいところですが,なにぶん今は今年の阪神にしか興味が持てないものですから,大山選手にはこのままチャンスで打ちまくる9月にしてもらうことを祈念して,本記事はこのくらいで.


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