休眠特許を活用、上海で「既存特許」の棚卸し作業を開始

大学や研究機関、医療機関における特許の実用化率を向上させるため、上海市知識産権局、上海市教育委員会、上海市科学技術委員会、上海市衛生健康委員会が共同で「上海市における既存特許棚卸し作業の通知」(以下「通知」)を発表しました。

これにより、上海の大学や研究機関、医療機関で既存特許の棚卸し作業を全面的に開始し、今年上半期には61の機関の特許棚卸しを完了し、年内に上海市全体の既存特許の棚卸しを完了する予定です。

上海市知識産権局の余晨副局長によると、2023年の上海における特許協力条約(PCT: Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願件数は6185件で、前年比10.62%増加しました。2023年末時点で、上海の有効発明特許保有数は24.14万件で、前年比19.53%増加しています。1万人あたりの高価値発明特許保有数は50.2件で、前年より9.3件増加しました。

また余晨副局長は、大学や研究機関が申請した特許は、単なる評価や職位認定のための書類ではなく、新たな生産力に転換されるべきだと述べました。今回の棚卸し作業を通じて、特許保有者と企業との情報の非対称性を解消し、特許を企業に導入して実用化を図ることが目指されています。

上海市知識産権局は、「一校一檔、一院一檔」の方式で各機関の特許に関するデータベースを作成し、毎日データを監視し、未実施の既存特許について早急に棚卸し作業を進めるよう各機関を促進する予定です。また、上海市の知識産権サービス機関には、積極的にこの棚卸し作業に参加し、質の高いサービスを提供することが奨励されています。

この記事は、2024.W48(2024年 第48週)の毎週知財新聞から抽出したものです。

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