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TSMCの営業秘密登録システム その威力は特許よりすごい

先日、2022.W25(2022年第25週目)の東アジア中心の毎週知財情報でTSMCの営業秘密管理に関するニュースリンクを2つ紹介しました。

いずれも「PIDAデジタル時代のニューインフラーー知財思考のグレードアップ」というセミナーに関する内容の抜粋です。

当該セミナーで講演者として出席したTSMCの謝福源副法務長からはTSMCの営業秘密管理について話しました。
通常、技術に携わった会社が自社の研究開発能力に関して、どのくらい日米欧や中国、台湾などの特許数量や質量をアピールします。それに対して、TSMCは大量かつ高品質の特許を出願の他、外部に公開せず、社内で承継しづつの営業秘密も重要視しています。
謝福源副法務長の話では、TSMCは研究開発に対して年間数千億の台湾元を投入し、そして、約10%の産出成果を特許出願で保護するが、大半は営業秘密で保護しています。
TSMCの営業秘密登録システムは2013年から始めています。最初は28nmの先端プロセスから始め、その後、成熟プロセス部門、シール検査部門も続いて始めます。2015年、研究開発の管理者は営業秘密登録システムの重要性を気づき、全ての研究開発者が営業秘密登録システムに加入するよう命じました。
つまり、TSMCの営業秘密登録システムは最初から一気に全社向けて開発したシステムではなく、参加した部門の増加に沿って、徐々にシステムを修正するものです。そして、営業秘密登録システムは契約管理システム、人事システムとリンクされ、より的確な管理ができるようになります。

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