美大生と陸ゴミを拾ってみた話
拾っても、拾っても、なかなか減らない海ごみ。 海洋ごみのおよそ8割が、街で発生したプラスチックごみ等が河川を伝って海に流出したものだと言われています。海ごみを減らすための企画づくりに向け、多摩美術大学のソーシャルデザイン論を受講されている皆さんと陸ゴミ(issue+designの造語。街に落ちているゴミ)を拾ってみました。
ごみから見えてくる社会の闇を表現する授業
半期ほどのソーシャルデザイン論の授業のうち3回(90分3コマ)を通じて、① 課題の把握(10/3)② フィールド採集(10/17) ③ 表現(10/31) までを行いました。受講してくださった生徒さんは58名(多い!)。若い感性と足を使い、ごみから見えてくる社会の闇を表現することに挑戦しました。
海ごみはなくせるのか?
1回目の授業は「課題の把握」。海ごみの発生や国際状況などを理解し、各自の考えを共有するワークを行いました。正直、冒頭のインプット部分については半分ぐらいは眠そうな雰囲気(夕方の授業ですしね・・・)でしたが、みんなで話し合うパートになるとちょっと覚醒。「自転車で走っていて、前のかごからゴミが飛んだら正直、諦めるよね」なんてリアルな話もあれば、「プラごみの問題といえば、海ガメの胃袋にストローとかが詰まっている写真をみたことある」「でも、ごみを拾うだけじゃ、社会は変わらないよね」なんて、眠そうだったとは思えない(ごめん!)ほど、活発な声が聞かれました。嬉しい。
見渡せば、そこにはゴミが・・・
2回目の授業は「フィールド採集」。どんなところにゴミが潜んでいるのか、実際にissue+designのメンバーが歩いた結果、みえてきた【ごみスポット】を紹介し、各自フィールド採集に出発です。拾ったゴミの写真を撮ってもらい、身近にどんなゴミが落ちているのか、集め、考えてもらいました。前回よりもみんな元気で食いつきもいい感じです。人間の業や社会の闇に向き合うこと、そしてフィジカルなワークは相性がいい様子。撮った写真は共有ドライブにあげてもらいましたが、写真もたくさん集まりました。
美大生、海ごみに向き合う
3回目の授業は「表現」。お題は《ゴミの裏側には、人間の行動・感情・習慣がある。人間の「エゴ」という視点で、集めたゴミを整理・分類し、それぞれのゴミの名前とゴミの背景にある人間の習慣や行動を自由に表現してください》というもの。所定のフォーマットに従い、枠内を埋めてもらうかたちで授業を行いました。
今回の授業の単位はこのシートを提出することにしたこともあり、全部で59枚のシートの提出がありました。それぞれの作品からも、すごく悪者がいるわけではなく、一人一人の「これくらいいいだろう」が垣間みえてきますね。
issue+designでは今回の授業の生徒のみなさんの気づきから、企画をブラッシュアップ中です。現在のプロジェクトの様子はこちらからもご確認いただけますのでぜひに。
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