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お客様がつまらないと感じるのは商品ではなく売り場

コピーライターの糸井重里氏の著書
「すいません、ほぼ日の経営」のなかで
こんな言葉があります。

“世の中にたくさんある商品のなかで、
つまらないなと感じるのは商品ではなく
会社や売り場の都合”

先日、この言葉に
強く共感できる出来事がありました。

そのことについて話してみたいと思います。

製品目線ではなく顧客目線のPOP

家電量販店に行った時のこと。

今はLEDを中心とした
「節電志向」の商品ばかりで
どのコーナーを見ても

「連続点灯◯◯時間」
「平均の消費電力(◯◯kWh ~ )」
「明るさ◯◯ルーメン」

といった表現ばかり。

ほとんどがLEDなので
決定的な差別化になりません。

比べるのも辟易していると

「蛍光灯はむしろ付けっ放しがお得です!」

というPOPがありました。

興味を惹かれて読んでみると、
なるほどなるほど。

蛍光灯は点灯するときに
電力を大幅に消費するそうです。

そのため
数分程度の不在なら小まめに消すよりも
付けっぱなしの方が節電になるそうなのです。

私はLEDではなく、
「節電効果のウンチク」を伴った
蛍光灯を購入して家に帰りました。

売り場にも同じことが起きている

こんな光景は
自動車販売店にもよく見られます。

「リッター燃費◯◯km」
「軽クラスNo.1の荷室体積」

このPOPは一体誰得なのか?

といえばお客様ではなく
売り場の営業マンです。

お客様が見ても
ピンと来ないPOPをみて

「これはですね〜」

とセールストークを展開する
きっかけに過ぎません。

先ほどの家電量販店のように
今はどの車もほぼ低燃費。

「差別化」と呼べるほどの
大きな差はありません。

つまるところ
お客様も決断するきっかけを失っています。

言い換えると魅力が伝わる

消費者購買行動の8割は
自分の欲しいものは「何か?」
に気付いていません。

欠けたパズルのピースを

「もしかして、あなたの欲しいものはこれですか?」

とお客さまへ提案することが
売り場の役割です。

例えば
低燃費車を家庭で共有すると
どんなことが得なのか?

具体例であげてみると

「お金が残る」
「おかずをもう1品増やせる」
「年1回の家族旅行を年2回に増やせる」
「遠くまで気にせずドライブできる」

などたくさんの言い換え表現が可能です。

つまり
「リッター燃費◯◯km」
は横並びなのですが、

それを伴う
「近い未来のイメージ」
はたくさんあります。

そして売り場は情報ではなく
「魅力」を伝える場所。

あなたの売り場が伝えるものは

「情報」ですか?
「魅力」ですか?

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