FM 5-0 第1章 (5)

1-13.
図1-1にフルスペクトラムオペレーションズにおける要素の組み合わせの例を示す。フルスペクトラムオペレーションズにおける各要素の影響の度合いは、組織内の階層、時間、場所によって変化する。いずれかの要素が、他に比べて常に優先するということはない。フルスペクトラムオペレーションズにおける成功の鍵となるのは、指揮官が随時、状況変化に対応する際に適用する各要素の組み合わせ方にある。(FM 3-0に、フルスペクトラムオペレーションズにおける各要素の組み合わせについて詳細を論じているので参照されたい。)

指揮及び統制
1-14.
指揮及び統制(C2:Command and Control)とは、適切に指名された指揮官が任務達成のために、任命及び配属された部隊に対して職権の発動もしくは指導を行うことである。指揮官は、指揮及び統制のシステムにおいて、指揮及び統制の機能を実行する(FM 6-0を参照)。フルスペクトラムオペレーションズを通じて、指揮官は、時間、空間、目的に応じて部隊の活動を同調させるために、C2を実行し、戦闘に関する他の機能(諜報、移動、機動、戦闘、防御及び維持)を統合する。
1-15.
指揮官はC2のとな中心となる。指揮官は任務達成のため、指揮におけるアートと、統制におけるサイエンスを組み合わせる。これらを通じて、指揮官が状況を把握し、決断し、指揮する。しかしながら指揮官は、小規模組織でない限りC2を単独で執行することは出来ない。したがって、指揮官はC2によって、C2から成る一連のシステム(組織の運用、情報マネジメント、知識マネジメント、手順、指揮官が指揮(計画-準備-実行と評価)を実行することに不可欠な備品や設備等から成る)を執行することとなる。
1-16.
教育及び訓練された兵士は、C2システムにおいて最も重要な構成要素の一つである。兵士は指揮官を補佐するとともに、指揮官に代わって統率を実行する。スタッフは指揮官の実行するC2を助けるために、下記に列挙するような多くの機能を担う。
 ・適切な情報とその分析を提供する。
 ・情勢判断の維持と進言
 ・計画に伴う準備及び命令
 ・作戦進行における監視
 ・作戦の統率
 ・作戦進行における情勢の評価

 ※統制及び指揮、C2システム、スタッフの義務と責任についてはFM 6-0   に詳細を論じているので、参考にすること。


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