【アーカイブ】2024年5月度「オンライン検索サービスの今までとこれから」
知財DX勉強会について
この勉強会では、毎回知財業務の効率化やIT・AI活用に関するテーマについて、知識を共有し、議論しています。
毎月第2水曜日19:00〜20:00で定期的に開催しています。
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概要
オンライン検索サービスの変遷をテーマに、現在は提供が終了しているサービスの概要を振り返るとともに、知財業界におけるDXと今後の展望を議論しました。
ディスカッション内容
◆前提
当勉強会では、過去から現在までの特許・商標に関するサービスについて、各企業がどのようなサービスを提供しているかのデータベースを作成しています。すでに終了したサービスで、現在網羅することができていない部分は今後会員からの情報をもとに補完していきたいと考えています。
従来のサービスはいわゆるサブスクリプションではなくパッケージの売り切りやライセンス更新で収益を上げていました。
知財系の既存サービスの多くは調査分析ツールであり、最近ではAIを活用するプロダクトも開発されています。
◆PATOLIS
1978年に日本初のオンライン特許検索サービスとして開始され、2014年1月31日に終了しました。サービス提供会社である株式会社パトリス(PATOLIS Corporation)は、2014年3月31日に解散しました。
◆PATDATA
特許事務所の管理業務に必要な機能を提供するワンパッケージサービスとして知られていましたが、開発会社のコスモテック社が経営破綻しました。
◆Legal-Tech系
電子契約系サービス、特に契約書レビューの領域は、一時期の盛り上がりに比べて競争が落ち着いてきています。
◆著作権とDX
AIと著作権という研究領域が発展しつつあります。
◆企業のDX予算
企業単位の業務のDX化という文脈では、経営層との目線合わせが課題の一つとして挙げられます。中には、DX単体での予算権限がない場合もあります。その一方で、コンサルティングのサービスの一環としてDX関連プロダクトのセールスが行われる場合もあります。
今後は生成AIによる権利化の判断プロセスが新たに生まれる可能性もあります。
◆DXと売上向上
他の分野、特に物流、出版、HRのDXは売上の向上に直結していますが、LegalTech系や知財テック系はコスト削減目的にとどまっているのが現状です。
◆模倣品対策のDX
デジタル化とともに、知財関連法令も、新しい時代にあわせた法整備が必要です。著作権、商標、特許に関する対策や、条約の見直し、登録制度の導入なども今後検討されるかもしれません。
◆弁護士・弁理士の業務の展望
AIによる士業の専門業務のサポート体制や半自動化が可能な領域、士業を営む上で合理的に認められうるAI利用の範囲について議論しました。
今後、弁護士業法、弁理士業法との抵触関係や、経営者がDXに期待することとその価値について、勉強会のテーマとして扱いたいポイントを整理しました。
◆知財業界一般の展望
今後、知財関係の民事裁判がオープン化される可能性があります。知財訴訟は公益的側面があるため、プライバシーの問題が比較的少ない領域です。依然として公開のルールが明確でない現状もあります。
まとめ
前回の勉強会から引き続きのテーマで、知財業界のオンライン検索サービスを振り返りました。
会員の皆様の中で、現在は終了してしまったサービスのご利用経験がある方がいらっしゃいましたら、情報提供をお願いいたします。
また、今後の勉強会のテーマのリクエストがあれば、お知らせいただけますと幸いです。
来月の勉強会は6月19日(水)19:00〜20:00に開催されます。
テーマは決まり次第、Xやメルマガでもご連絡いたします!
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