VLSI社が特許侵害による損害賠償金としてIntelに対して21.8億USドルを勝ち取る
テキサス州ウェーコの陪審員(テキサス州西部地区裁判所)は、Intel Corp.(Intel)に特許侵害による損害としてVLSI Technology LLC(VLSI)に21.8億USドルを支払うよう命じました。
VLSIは、集積回路(IC)メーカーとして生まれました。 1999年にフィリップスエレクトロニクスに買収され、現在はフィリップスのスピンオフであるNXPセミコンダクターズの一部となっています。
今回の訴訟に関与した2つの特許は、米国特許番号:7,523,373および米国特許番号:7,725,759です。前者は2012年にFreescaleSemiconductorInc.に発行され、後者は2010年にSigmaTel Incに発行されました。両方の特許は2019年にVLSIに譲渡されました。これらの特許は、プロセッサの電力と速度を向上させる発明を対象としています。
Intelは、VLSIは4年前に設立され、製品を持たない特許専門企業(NPE)であると主張しました。Intelは、「VLSIは『10年間使用されていない2つの特許を取得し、「20億ドルが欲しい」』と言ってきた」と述べています。Intelによりますと、VLSIはパテントトロールであり、その唯一の収入は特許訴訟によるものであると主張しました。また、IntelはVLSIの権利は220万ドル以下であるとも述べています。
Intelはさらに、米国特許番号:7,523,373は、Intel自身のエンジニアによって行われた作業を対象としているため、無効であると主張しました。
陪審員は、特許が無効であるというIntelの否定を却下し、Intelが米国特許番号:7,523,373のクレーム1、5、6、9、及び11を文字通り侵害していると判断しました。その結果、Intelは侵害に対して15億米ドルを支払うように命じました。
陪審員はこに合わせて、均等論に基づきIntelが米国特許番号:7,725,759の第14、17、18、および24の請求項も侵害しているとの判決を下し、損害賠償額は6億7500万ドルであることが確認されました。
これは、これまでに与えられた2番目に大きな特許侵害の損害賠償額となります。 2016年には、25億USドルの特許損害賠償がIdenix Pharmaceuticalsに与えられましたが、無効の理由で覆されました。
この損害賠償金額は、Intelの第4四半期の利益の約半分に当たります。この判決は、ニューヨークの取引で2.6%下落したIntelの株式に深刻な影響を及ぼしました。また、損害額の大きさは、Intelが何十億USドルもの侵害デバイスを販売した理由によるものだとのことです。
引用元:RK Dewan & Co. 2021. VLSI wins US$ 2.18 Billion against Intel as patent infringement damages.