17歳の夏 絵を売る
小さい頃から絵がすごく下手な私の10代の時のお話です。
家族や友人の絵を見て比べる度に
本当下手だよなー
っていつも自分の絵を思っていました。
本当今でも下手ですが笑
今思えば絵もそんなに描いていなかったし、絵について学ぼうとしていなかったので当たり前なのですが、そもそもセンスを感じられませんでした。
高校生の時から上京していた私は、お金もある訳ではなく
よくゆで卵を食べていたのですが、
食べる度に出てくる殻を見ていて、
なんだかこの殻いつも捨てるのもったいないなーと思っていました。
そんな時間だけはたくさんある17歳の夏に
この殻を使って絵を描いてみよう!
なんて思い、
全ての殻を細かくして色を付け始め早速
よし!今日作品を作ろう!
森林の中がテーマという変な音楽のレコードを聴きながら、どんな作品を作ろうなんてテーマは持たずに作り始めました。
出来た作品は、
下手を通り越してなのか自分的には最高の作品に見えて、アドレナリンも出ていたせいか
よし!今から原宿に行ってコレを売ろう!
なんて思い、
近所のエスニックショップで300円くらいで買ったアジアンテイストの生地と絵だけを持って、原宿へ向かいました。
当時の原宿は路上での物売りの人がちらほらいました。
原宿の路上で、アジアンな敷物の上に値札も置かず絵を一枚置いて17歳の自分が座り、
気分は画家モードでいざスタート。
もちろん誰も足を止めてくれずに2時間くらい経って気持ちも折れかけて、
ただの恥晒しだなと思っていたところ、、、
まさかの
売り物ですか?お値段は?
とすごく綺麗で仕事も出来そうな感じのファッションもオシャレなお姉さんが声をかけてきてくれました。
嬉しさを堪えながら、まだ画家気取りの私は
おそらく世に出す最初で最後の作品だと思います。
いくらで買いたいですか?
と伝えると
それじゃあ15万円でもいいかな?
心の中は
じゅっ、じゅう、15万?!?!
絵の下手な私の作品は、まさかの15万円に
嬉しくて有難い気持ちはもちろんの事
なぜこんな高値で買ってくれたのか気になり、
御礼したいのでご飯に一緒に行って下さい
と言って、ご飯をご一緒させて頂いて
理由を聞くと
パワーもらったから。
絵とあなたの姿にと。
まずとにかくやる
若い時のパワー、勢い、行動力が改めて大事だなと思わせてもらったから。
絵が上手だったとか好みの絵だったとかが理由ではなく、そんな理由で物が売れる事があるんだな〜と当時の自分は感じました。
今改めて当時を振り返り、その時のお姉さんの気持ちがわかる気がします。
20年以上前とはいえ同じ自分
しかし、今同じ事が出来るのか?
と思うとYESとは言えない自分がいる
その時の何も余計な事考えず思い立ったら即行動という行動力、勢いを忘れてはいけないのかなと過去の振り返りでした。