共同研究開発契約における「協議事項」の問題点

■協議事項の悪いところ
・何か合意したつもりになってしまうこと(⇒実は何も合意しておらず紛争の種が残ったままになっている。単なる交渉の先送りに過ぎない。)
・いずれ合意する必要のある協議事項であっても、いつ合意するのかについて管理できていないこと(⇒そのまま忘れられて放置されてしまい、紛争になる。)
・協議が成立しなかった場合のことを考えていない(⇒必ず協議ができるものと勘違いしてはならない。)

■正しい進め方
・本当に現時点で合意できない内容なのかどうかを確認する。現時点で合意できる内容であれば、できるだけ具体的な条項に落とし込む。
・最終的に何らかの合意をすべきなのかどうか確認する(例:成果の帰属や利用であればいずれ必ず合意しなければならないが、共同研究開発において想定外の出費があったときの費用負担については、必ず合意すべきとまではいえない。)。
・どうしても合意できない場合は、①協議の方向性や大枠だけでも合意しておく、②協議事項とするが、いつ頃協議を詰めるかについて合意しておくなど将来的な交渉に備えた記載を導入しておく。
・協議が成立しなかった場合はどうなるかを十分に想定しておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?