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無題(2024年まとめ)
2023年に引き続き、知財系 Advent Calendar に参加です。個人的に力の入ったプロジェクトを振り返ります。
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国際司法シンポジウム(JSIP)2024
毎年10月に開催しているJSIPでは、裁判所パートのコンセプト作りとパネルディスカッションのモデレータを務めました(知財高裁記事)。ちょうど一年前ぐらいから頭作りを開始して、欧州統一特許裁判所(UPC)が軌道に乗っていることを想定し、侵害裁判所が無効の抗弁も判断する場面にフォーカスすることになりました。その後、模擬事例の作成、各法域の法制度の調査(調査の成果は松永章吾先生、乾裕介先生、松下外先生による講演として共有されました。)、ゲストへのお願い事項の選定、当日シナリオの作成など、盛りだくさんの経験をさせてもらいました。特許庁ともプログラムを一部連動させるなどコラボ的要素も入れました。来年は知財高裁設立20周年を迎えますので、どのような内容にするか、日本をどうアピールするか、しっかりと考えていきます。
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国際知的財産裁判所会議(IIPCC)2024
そして、11月には、韓国で開催された国際知的財産裁判所会議にパネリストとして登壇しました(知財高裁記事)。医薬発明と均等論について英語で説明し、質問に回答するという難しいミッションでしたが、医薬系“特許的“判例ブログ様など多くの先人のご論考に支えられてなんとか乗り越えました。13年前に見習いをさせていただいたRandall R.Rader先生と、同じパネルの登壇者として再会できたことは感無量でした。日本と似た状況に置かれている韓国が、強い問題意識を持って、知財高裁の機能強化に力を入れていることがよく分かり、少なくとも自分は負けていられない!という気持ちで帰ってきました。
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第三者意見募集
事件に関しては、制度創設後2例目となる第三者意見募集を実施しました(募集終了のため知財高裁リンクなし。日弁連の意見書参照)。なお、この事件は大合議事件となりました。係属中ですのでこれ以上のコメントはしませんが、大変勉強になっております。
「結合商標の分離観察」
別冊L&T10号知的財産紛争の最前線に「一行商標の分離観察」という論考(実質的には裁判例まとめサイト)を掲載してもらいました。自分は理論面が弱いので、とにかく数をこなすしかありません。田村善之先生の「徹底判民型」という考えに背中を押されて、こんな自分でもここにいていいんだなと霧が晴れるような思いになれたのも貴重なことでした。
英語熟達プロジェクト
今年も多くのお客様が知財高裁を訪問されました(知財高裁記事)。初の知財高裁訪問となったEPLAWや、CAFCのStoll判事のご訪問は特に心に残る経験でした。このように海外からお客様がおいでになるといつも、自分の英語力に壁を感じます。今年はこの壁を突破しようともがく日々でもありました。ここで、「知財管理」誌2024年7月号の記事で知財トーストマスターズクラブ(知財関係のお仕事をされている方による英語ディスカッションコミュニティです。)の存在を知り、飛び込んでみました。まだまだ英語はこれからですが、めげずに磨いていきます。
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トライアスロンデビュー10周年
貧弱貧弱ゥなトライアスリートとしても、第4回倉敷国際トライアスロン大会でのデビューから10年が経ってしまいました。毎年一回ぐらいレースに出るだけのエンジョイ勢ですが、仲間の皆さんにどんどん追い抜かれていくので、ついに勢いで来年のIRONMAN Japanにエントリーしてしまいました。もうこれで後には引けなくなってしまいました。トレーニングしてなさそうだったらお尻を叩いてください!
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他にも・・
「ペルソナ3リロード」、「メタファー:リファンタジオ」という神ゲーが睡眠時間を削ってきたり、セカオワの「深海」ツアーで泣いたりと単純に好きなことに浸かることもでき、また、長女がなんだかんだ遠回りしつつも法学部に入ったりと、ひとりの人間としても良い一年だったと思います。
しかし特筆すべきことは、某地裁の知財部にNさんを仲間として迎え入れられたことでしょう(分かっていただけますかね?)。本当にこれからが楽しみです。
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まとまらないまとめ
さて、ここで内情を暴露しなくてはなりません。
今年の知財系Advent Calendar、さっさと12月25日を確保して、上記の諸々のプロジェクト振り返りを書いたのですが、実は、さらに追加コンテンツとして、22日の日曜日を丸々使って、今年知財高裁から出された判決を分野別にせっせとまとめておりました。ところが、noteの操作ミスにより全部消えてしまいました(大号泣)。なんでCntl+Z効かないんですか?復元できないんですか?
まあ、自分の操作ミスですし、そもそも1年分の判決を1日でまとめようなんていう横着なことをするからこういうことになったんですよね。というわけで、来年は、裁判例の収集についても、こまめに行うべしという教訓を得ました。この教訓は、きっと来年のAdvent Calendarに活きることでしょう!!1・・
本年新しく出会えた皆様、お会いできて大変光栄でした。きたるべき年がすべての皆様にとって幸多き年でありますように・・(本当にすみませんでした・・。)
Happy Holidays!