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【いおたコラム】「知らないモノ・コト=怖い」と拒絶してしまう心理。「ネオフォビア(新奇恐怖症)」はなぜ起きるのか?
人の脳は本能的に「新しいもの」を警戒するようになっています。
知らないもの、生命に危険かどうか分からないものは、まずはきちんと怖がって避けることが遺伝子レベルでは大事だからです。
新入社員が入ってくると冷ややかな目で見てしまう、つい「最近の若者はさぁ」などと批判してしまうのは、この新しいものを怖がる本能が働いているからかもしれません(「ネオフォビア=新奇恐怖症」と言います)。
ちなみに、日本生産性本部では毎年「新入社員のタイプ」を発表しています。2013年は「ロボット掃除機型」。部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つが、段差(プレッシャー)に弱く、能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要、とのこと。
なるほど、と思うかもしれませんが、実はこの発表、1973年から行われていて当時の新入社員は「パンダ型」と分析されています。おとなしくてかわいらしいが、なつくのに時間がかかる、という意味で、どの年も結局は似たようなことを言っています(さらにいうと、古代エジプトのパピルスや江戸時代の書物にも「最近の若者」への愚痴が書かれているそうです)。
さらに、人はオトナになればなるほど、新しいものを排除し、慣れ親しんだものだけで済まそうとします。いわばどんどん挑戦をさぼるようになるわけです。なんでもがむしゃらにチャレンジしないのがオトナの証しと言えなくもありません。ですがそれも度が過ぎると「頭が固い年寄り」と言われかねません。
本当のオトナとしては「ほうっておくと頭が固くなってしまうので、ちょっと無理をしてでも若者と接して刺激を受けよう」と思いたいもの。カラダがなまらないようにジョギングをするのと同じこと。意識して新しいものや人を受け入れる意識を持ちましょう。