父親に自由研究を丸投げしたら、リビングが木工教室になった
夏休みの宿題といえば、自由研究。
小学2年生の娘の小学校でも、工作の宿題が出された。“何でも自由に作品を作ってきてください”とのこと。
うーーん。作品ね。私、小さい頃から作文は得意だったから日記などはアドバイスできるのだが、工作系やったら私より夫やな。
そう判断した私は、「作品作り、得意やんな。一緒に考えてあげてよ」と丸投げした。
夫は理系で設計の仕事をしている。小さい頃はレゴやプラモデルが好きでひたすら作っていたそう。自由研究も全力で取り組んでいた、みたいな話を聞いていた。であれば『餅は餅屋に』ということで、自由研究担当を任命させていただいたのだ。
そんなある日、娘と息子も一緒に3人でホームセンターへ出かけていった。そして、大きなビニール袋を抱えて帰ってきた。
「ん?でかいな。何買って帰ってきたん」と見てみると、木材のキット(というか四角い木たち、弟の分もちゃんとある)と糸のこ、のこぎり、固めのやすりに、トンカチなどリアル工具がどんどん出てきた。そして、ポスカのようなペンたち。まず頭に浮かんだのが「予算とかないんかい。めっちゃ買うやん」。
けど、任せると決めたのだ。ぐっとこらえる。
私はリビングのテーブルで小説を読みながら(優雅)横目で見ていた。すると、あーだこーだ言いながら何かを作り始めた。ピンボールを作るらしい。
リアル糸のこでギコギコ木材をどんどん切っていっている。見ているだけで冷や冷やする。7歳の姉はまだしも4歳の弟はまだ無理やろ、と身を乗り出す私。ハサミを使わせるのとはレベルが違う。よそ見しながら切ってる。なんて恐ろしい。思わず「ちゃんと見てやりや!お父さんちゃんと見ててあげてよ」と口を挟む。
ギコギコ、ギコギコ、ギコギコ。トントントン、コンコンコンコン……!
ギコギコ、ギコギコ、ギコギコ。トントントン、コンコンコンコン……!!
ギコギコ、ギコギコ、ギコギコ。トントントン、コンコンコンコン……!!!
え、ここ木工教室やったけ?みたいな光景が広がっている。木を切る時も迷いがない我が子たち。リビングに飛び散る木の粉。おいおい、すごいな、大丈夫かよ。
切ったと思ったら、ガシガシやすりで削ってる。子どもの吸収力ってすごい。父親が手伝っていたけれども、娘は釘を打ったり絵を描いたりして、きちんと自分でピンボールを仕上げていた。
しかし、木材はまだ余っている。「買いすぎや」と言いたいところだが、任せたのだからぐっとこらえる。
次の日も「釘打ちたいー!」と言う息子。4歳児のセリフではない。しかもおもちゃとかでなく、リアルがちトンカチでリアル釘を打ちたいと主張している。かと思ったら、ボンドで木と木を接着して満足げな表情を浮かべている。
部屋に転がる木材たち。「ちゃんと、木片付けや!」という私。木のおもちゃではなく、リアル木だ。「おもちゃ片付けや」ではなく「木片付けや」。あれ?ここリビングじゃなかったっけ?
私が一緒に行っていたら、こんなにたくさんの木は買わなかったと思うし、もっとこっちの方が年齢にあってるんじゃない?とか言ってしまっていただろう。父親に任せたからこそ、子どもたちはキラキラした目をしながら木で(色々よくわからないものも含めて)自由に作品を作れたのだ。
よくわからない木がリビングに転がってはいるが、夏休みに木工教室を開催したことは子どもたちにとってきっとずっと忘れられない思い出になったと思う。
父親だからこそできることがある。任せる時は中途半端に任せるのではなく、丸投げするのがオススメだ。
最後にリビングに転がる作品たちを見てやってください。
(※これは弟のピンボール。姉はもう少し高クオリティで仕上げていた)
リビングが木工教室になった日、息子は「家を作る人になりたい」と言いだした。うん、頑張れ。君たちはこれから何にだってなれるよ。
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