Google Nest Learning Thermostatを取り付けたけど、続けようか迷ってます(前編)
Nest Learning Thermostatを「個別空調方式」のルームエアコン制御のために設置しましたが、使い続けるか迷ってます。経緯をまとめてておきます。
個別空調方式とセントラル空調方式
スマートホーム化における究極目標。それは、"Nest Learning Thermostatを我が家に設置すること!"と言っても過言ではないほど自分はスマートサーモスタットにあこがれてきました。そして最近ついにThermostatを取り付けました!
……ですが、ここまで来て今後使い続けるか迷ってます。う〜〜〜〜〜〜む。
元々Nest Learning Thermostatは欧米の家屋に多く、日本ではほとんど使われていない「セントラル空調方式」の冷暖房設備を念頭に置いて作られているようです。熱源機器を1箇所に設置し、そこから水配管を通じて各部屋の室温をコントロールするらしいのです。あっちの国では室温を家全体や複数の部屋単位にまとめて調節するのが主流とのこと。そして24時間スイッチONのまま。
これに対し、日本の主流は個別空調方式というものです。ひと部屋ごとに室内機と室外機を1ペアずつ設置するタイプですね。中央制御ではなく、部屋ごとに分離して空調するものです。スプリットとかミニスプリットと言われるみたい。(この辺り、かなり知識があやふやなのでご自身で確認してください。)
ダイキンの説明
https://www.daikinaircon.com/central/feature/about.html
どうも英語資料を読み解くと、個別空調方式のルームエアコンとLearning Thermostatを接続するのは面倒みたいです。日本語でのLearning Thermostatの設置情報がほとんどネットにないのは、その辺りの背景があるようです。
だがしかし。それでも個別空調方式の家庭用エアコンとLearning Thermostatを接続できないかと探していたら、ついに両者の間に接続できるadapterを見つけまして、支援を受けつつ繫ぐことができました!
でも今回は、このadapterのお話しではなく、接続できたのにどうしてLearning Thermostatの使用をあきらめようかと迷っているのか、その点を主眼としたいと思います。(adapterは悪くなかったです。)
その前に…Learning Thermostatの周辺情報
とはいえ前編では、我もLearning Thermostatの設置を試してみんという方のために、製品にまつわるあれこれの情報を記しておきたいと思います。
三つの世代
まずNest Learning Thermostatには大きく分けて三つの世代があります。最新の第3世代は2015年発売です。(かなり古いですよね。)
第3世代は、丸いディスプレイが第2世代よりも広くなり、3メートルほどの範囲で人流を感知できるようになりました。
第2世代は10年前の技術ですし、人の感知がもっと短距離になりますので、購入するなら第3世代をお勧めします。
(別系統として、2020年にはLearningしない単なる「Nest Thermostat」も発売されています。)
北米型と欧州型
第3世代のLearning Thermostatには、北米型と欧州型の2タイプが存在します。
正面からは見分けがつきませんが、裏側に設置するベースの外見が違います。(下の画像参照)
北米型のベースはネジ穴が上下に二つ付いています。欧州型のベースはネジ穴が左右です。
北米型は、北米向けThermostat本体、ベース(上下の穴タイプ)の二つの装置が主に同梱されています。
欧州型は、欧州用のThermostat本体、ヒートリンク、ベース(左右の穴タイプ)と三つの装置が主にパッケージされています。
北米型と欧州型とでは、本体装置自体が異なりますので、ベースを交換すればどちらのベースでも取り付けられるというわけではありません。注意してください。
あと、欧州型には壁に取り付けなかったとき用の公式スタンドが別売りされています。北米型用の公式スタンドは存在しませんし、欧州用スタンドを取り付けることもできない気がする。多分。
欧州型は冷房機能がないみたいだし、不明点が多いので、自分は北米型にしました。
https://support.google.com/googlenest/answer/9256506?hl=en-GB&ref_topic=9361965
北米型のLeaning Thermostatをスタンドに設置するには
自分は、壁面取り付け専用の北米型であっても壁に穴を開けたくなかったので、代用スタンドを使いました。 ↓ こちらのApple Watch用充電スタンドに強力両面テープで固定。
MOTTERU (モッテル) Apple Watch 卓上 スタンド
https://www.amazon.co.jp/dp/B08P7LFY8J?psc=1&ref_=cm_sw_r_cp_ud_dp_Y081522PJ61SM44Q5ESE
Learning Thermostatの背面には大きな穴があり、そこから電源他の様々な線が入るのでスタンド自体に大きな穴があいてる必要があるんですね。
Apple Watch用の充電器スタンドも穴開きが多いので、丁度よいのです。重量は、欧州型の公式スタンドが190g前後であるのに対し、今回買ったものは126gほどと軽めでしたが、貼り付け後のThermostat本体の回転操作は片手でも十分な安定感と思いました。ただ、プッシュ操作はスタンドごと後退してしまうので背後を手で支えながら操作する必要があります。底面も両面テープで固定します。
日本での使用が想定されていない
Learning ThermostatではLocation設定が要求されます。設定で指定した郵便番号に基づく「現在地」(Location)の日時と天気と温度を連携サービスから自動で取得し、それを参考に空調設備のパワーを微調整します。
ところが日本はサポートされていないため、そもそも日本の郵便番号を現在地として選択できません。自分は、「Chinese」内の同緯度でできるだけ気候が似ていそうな町の郵便番号を探し、そこをLocationとして設定しました。中国ですから、日本より時差が1時間遅いです。Nestアプリには時刻、天気、外気温が表示されますが、この影響で全部、指定した中国のLocationベースの表示になります。自分の場合は、これらの点はあまり問題に感じませんでした。中国のロケをうまく探せば、それなりに似た外気温ベースで使うことができます。
(Automativeというオプションを選ぶと、Japanに設定でき、時差もなくなりました。ただ、IPアドレスから位置を推測するらしく、数百キロ離れた都市にしかならないため現在の気温や天気予報は引き続き誤差があります。まあ中国よりはよっぽど近いわね。2022/9/14補足)
ちなみに、Learning ThermostatにはHome/Away(自宅/外出中)の自動判別機能があるのですが、こちらはちゃんと本物の自宅/自宅外で識別できました。郵便番号とは別に、Nestアプリ内のマップで自宅位置が指定できるので、それを参考に識別してるみたい。
ついにエアコンとつながった!
他にも、ここには書かないいろいろな工夫がありましたが、adapterを作った方のかなり親切な支援もいただいて、ついにルームエアコンとLearning Thermostatが繫がりました!
Learning Thermostatに期待してはいけないこと
前編の最後に、Learning Thermostatに期待してはいけないことを書きたいと思います。それはLearning Thermostatが、家人の気分に合わせて魔法のように刻々と温度を自動調整してくれるわけではないということです。
まず Learning Thermostatは、起動翌日を初日として第1週の7日目までの人手による温度設定を参考に温度をLearning、つまり学習します。2週目以降、小さな調節を加えつつ、家人の一週間に合わせて室温調整が精緻化されていきます。最終的に、曜日単位の温度スケジュールが自動的に完成します。
つまり、Learning Thermostatは一週間の予定がほぼ定まっている人向けの装置です。逆に、曜日単位の予定が交替勤務制などで毎週変わる人には向かないかも。Learning Thermostatの学習とは、曜日単位の平均的な温度設定の学習という意味みたいです。
とはいえ、突発的な外出には対応可能です。外出時にEcoモードとなり、その際の設定で自動的にエアコンがオフにできますので、心配ありません。一週間の予定が毎週変わる人が検討しなければいけないのは、在宅時の自動温度変化が性に合うかですね。夜勤明け睡眠時に激しく冷房したり(過去、その曜日のその時刻に温度を激下げすることが多かった)、起きてるのに室温が生ぬるかったり(過去、睡眠用に暖かめに温度調節することが多かった)するのが、好き嫌いの分かれ目になるかもしれません。
次回、中編はLearning Thermostatをめでたいと思います。
※中間にはさむadapterの設置については、大々的に告知されていなかったので、掲載しないでおこうと思います。個人的にはかなり助かったので満足度はかなり高めです。ネットで探せば情報を見つけられると思うので、自助でよろ。m(_ _)m