社内情報システム担当に求められる話し方

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この note はモダン情シス Advent Calendar 2018 の 18 日目の記事です。

何が書いてあるのか

社内情報システム担当として外部のパートナーさん、また社内のユーザと話をする時に気をつけていることを書いています。

下記の目的を達成するために気をつけていることを書いています。

- 短時間で意思疎通をするため
- 認識に齟齬が無いようにするため

1 対 1 または 1 対多に向けた話をする時のことを書いています。
想定するシチュエーションは会議・ユーザからの質問そしてユーザへの説明などです。プレゼンテーションの場面は一部当てはまるものもあるかもしれませんが、想定はしていません。

誰なのか

株式会社ポケモンで情報システム部門を担当している関です。

今までは主にコンテンツプロバイダのサービス系 Linux サーバやネットワークのお仕事をしていました。情報システム部門のお仕事はまだ2年ほどです。

この note を書こうと思ったきっかけ

ひとに自分の言いたいこと・考えていることを伝えるのは難しいと日頃から感じています。また、自分が知りたいと思ったことを過不足無くスムーズに話してもらえる状況もまれだと感じています。

話をするときに少し気をつけると、難しいなりにもよくなることはあると考えています。

ぼくが日常で話す時に心がけていることを共有して、スムーズで間違いなく伝わる場面が多くなるとといいなとおもって書きました。

全体像をまず話す (これから何を話すのかをまず話す)

「今日お伝えしたいことは三つあります。」とか「今から話すことは、弊社の抱えている問題で一番深刻で至急対応する必要がある案件です。」などと会話を始めることを心がけています。

話したいことの詳細から話し始める方法もあります。話し手は自分で論点がわかっているので論点を目指して外堀の話をしながら、論点の中心部を目指すことができます。
一方、聞き手は論点の中心が話が終わるまでわかりません。話しても論点の中心を見失って何を話していたのかわからなくなることも多いです。
何を論点にしているのかが前もってわかっていると、聞き手は話の重要な部分とさほど重要ではない部分を分けて考えながら聞けます。また、質問すべき事項も話を聞きながら組み立てられます。

日常的な会話だと、「ちょっと時間ありますか。」と話しかけられて「請求書  Slack に貼っておきました。」みたいこともあります。「何の話だっけ? 何の請求書のことだっけ?」と聞き返すパターンです。
話し手は「昨日納品された Mac の請求書を処理して欲しいこと」というのはもちろんわかって話し始めていますが、聞き手はいわゆる寝耳に水で「何の件?」となるのです。

「昨日、納品された Mac の件です。」「請求書処理してほしいので Slack に貼っておきました。」と話の全体像を先に話すスムーズです。

一番ぼくが気をつけて、真っ先に全体像を話す場面が上司に悪い報告をする場面です。そのような時、ぼくは「悪い報告があります。」から話し始めます。上司も「どんな悪い話なのか」「リカバリはできるのか」と構えて、真剣に聞いてくれます。問題の解決のためにいち早く判断してもらうために心がけています。「そんなに悪い報告ではない」と、それほど怒られないことにもつながっていると勝手に思っています。

まず、端的な表現でもいいので話そうとしていることの全体を話す。話すというか宣言するという気持ちでもよいと思います。

言い切る

「…です。」「…と考えています。」「…します。」
会話を文章にすれば当然言い切る形式です。
会話をしていて話していることをそのまま文字に起こした時、言い切りの形式になっているでしょうか。

ぼくはこの言い切りの形式になっているか、意識して話すようにしています。

「この件の決定権はぼくにはなくて...」→「...ぼくにはありません。」
「セキュリティ上の懸念があるじゃないですか...」→「懸念があります。」

言い切りの形式にすると、言い切るわけで言いたいことが明確です。逆の言い方をすると曖昧に捉えられて、言った言わないに陥る可能性があります。

意識して明確に言い切る形式で話すと、最初は強い表現になってしまっているかと感じるかもしれません。曖昧な捉え方をされるよりも、明確に相手に伝わることが大切です。

頭の中で文章にしてみる

話している途中に句点(。)を入れることはできません。とりとめなく話をしていると、読点(、)でつながれた複数の文章になってしまいます。読点でつながった複数の文章は主語と述語が対応しなくなることがほとんです。

主語と述語が対応していないと伝えたいことが曖昧になるばかりか、誤解されたり何を言っているのか(聞いているのか)わからなくなります。

話しながら頭の中で文章にしてみます。一字一句文章にする必要はありません。下記を意識して話すようにします。

- 主語と述語
- 文章を短くして早めに句点を打つ
- 複数の読点で文章をつなげていないか

前述の言い切りの形式であれば、必然的に句点が付きます。つまり文章が分解され、主語と述語の対応が取りやすくなります。話し手は自分が何を話しているかがわかりやすくなります。間違ったことを言っていれば気が付きます。また、話していて補足が必要だなと気づきます。

事例紹介のインタビューを受けている時は特に意識します。
上手なライターさんは話し手が脈略無く話をしても、うまくそれなりに文章にまとめてくれます。でも、できあがったドラフトを見て「あれ、こんなこと言ったっけ?」と感じます。
ライターさんが長い話を端的にまとめると、意図しないことや期待していない表現になってしまいます。また、一番の大きな原因は話し手である自分が何を話しているかわからなくなっていることです。わからないことを話しているので、結果として内容を覚えていません。

頭の中で文章にしながら話すことで自分で話す内容を検証できます。頭が疲れますが話の見通しがよくなり、聞き手は楽に話を聞けるようになり理解も深まると思います。

何を聞かれているのかを考えてから話す

クラウドサービスのベンダーさんから「御社の従業員数ってどれくらいですか?」とよく聞かれます。いや、必ず聞かれます。

「100 人くらいです。」
確かに従業員数の答えになっています。しかし、クラウドベンダーさんが期待している答えとしては不十分です。
「100 人くらいです。端末は各人それぞれ PC と iPhone 1 台ずつ所持しています。PC は 70% が Windows で残り 30% くらいです。Android 端末はありません。他に研修用の iPad が 20 台あります。」
クラウドベンダーさんはこのような答えを欲しがっていることが多いようです。
社内情報システムで利用するクラウドサービスは多くがサブスクリプション形式になっています。課金単位は人にひもづくアカウント数であったり、デバイス数であったりします。このことをわかっていれば、クラウドベンダーの質問の意図を理解して話ができると良いと思います。契約の規模をお互いが理解していれば、必要なソリューション・機能プラン・値引率などをスムーズに提案してもらったり判断できます。

なぜその質問をするのか、答えを聞き手はどのように捉えるのかということを考えてから話すとスムーズなコミュニケーションが生まれます。

最後に

話すことは聞くことだと思っています。一方的に伝えるだけではうまくいきません。相手が何を聞きたいか、話してほしいと思っているかの耳を傾けることから話すことがはじまると考えています。

他にもいくつか話す時に気をつけていることがあります。またの機会に。




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