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web広告におけるCookie規制

はじめに

こんにちは。
私はIT企業でweb広告の運用に従事しているのですが、web広告と切り離せないものが「Cookie」です🍪
昨今、プライバシー保護の観点から、Cookieの規制が進んでおり広告の配信手法もそれに対応できるよう、様々な発展が遂げられています。

今回は、Cookieとは何ぞやという部分から、web広告とCookieの関連性、Cookie規制への対応策について記載していこうと思います!



① Web広告とは

Web広告とは、インターネット上で配信される広告全般を指します。
GoogleやYahooなどのリスティング広告、SNS(Facebook、Instagram、Twitterなど)を活用した広告、バナー広告、動画広告など、その形式やターゲットの精度は多岐にわたります。

特にデータを活用することで、ターゲット層の興味・関心や行動履歴に基づいた配信が可能になる点が、Web広告の強みです💪🏻


② Cookieとは

Cookie(クッキー)とは、Webサイトを訪問した際に、ユーザーの端末に一時的に保存されるデータの一種です。

このデータは、ユーザーがどのようなページを訪問したか、どのくらいの時間滞在したかなどの情報を記録し、再訪問時に効率的なブラウジングをサポートします。

▼Cookie活用の例
・IDとパスワードを入力して一度ログインしたサイトを再び訪れた際に、IDとパスワードを入力し直さなくてもそのまま入ることができる

・ショッピングサイトで、カートに商品を入れた状態で一度ログアウトし、再度ログインした時にカートの中の商品がそのまま残っている

Cookieは主に以下の2種類に分類されます。

  • ファーストパーティCookie

    • 訪問したWebサイトのドメインによって発行されるCookie

      • サイト内のみでのユーザー情報を取得し保存することが可能

      • ドメインごとにしかcookieを発行できないため、ドメインを横断した情報は保存は不可能

  • サードパーティCookie

    • 他のドメイン(広告プラットフォームやトラッキングツールなど)によって発行されるCookie=ユーザーが訪問したサイトのドメイン以外から発行

    • 複数のドメイン間で共有が可能


ドメイン間の共有が可能な、サードパーティCookieが、Web広告においてターゲティングやリマーケティングに活用される重要なデータ基盤となっています。

③ Web広告でCookieがどのように使用・活用されているのか

Web広告では、Cookieを用いて以下のようなターゲティングや効果測定が行われています。


1.ターゲティング広告

Cookieを利用して、ユーザーの行動履歴や興味関心に基づいた広告を表示します。

ECサイトで閲覧した商品の広告が他のWebサイトで表示されるリターゲティング広告など

2.効果測定と分析

広告がどのくらいクリックされたか、どれだけのコンバージョンに繋がったかをCookieを通じて追跡・分析します。


3.クロスデバイス追跡

同じユーザーがスマホやPCなど複数のデバイスを使用した際の行動を統合的に把握するためにも利用されます。

このように、web広告においてCookieは欠かせない存在になっています。


④ Cookie規制の動きについて

近年、プライバシー保護の観点からCookieの利用に関する規制が強化されています。

主な動きについて記載します📝

1.GDPR(EU一般データ保護規則)

2018年に施行されたEUの規則で、Cookieを利用したデータ処理には明確なユーザーの同意が必要とされています。


2.カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)

CCPAは生活者の「知る権利」を重要視した法律であり、ユーザーから要望があった際に、企業はCookieの情報を開示する必要があると定められました。

3.ブラウザの対応

Safari(Apple)やFirefox(Mozilla)では、サードパーティCookieのブロックが進んでいます。Google Chromeも、サードパーティ cookieのサポートを段階的に廃止していくと発表しています。


⑤ Cookie規制を受けて、Web広告上の工夫

このようCookieの規制が進行すると、リターゲティング広告やコンバージョン計測、データ分析等に影響が出てしまいます。

その中でweb広告も従来の成果を維持できるように、さまざまな代替策や工夫を模索しています。

ファーストパーティデータの活用

サードパーティCookieが規制される一方で、ファーストパーティデータの重要性が増しています。
顧客から直接取得するデータを活用することで、より信頼性の高いターゲティングが可能です。

各広告プラットフォームの発展

GoogleやFacebookなど、それぞれの広告プラットフォームでは、Cookieの規制を補完する機能を発展させています。


①コンバージョンAPI(CAPI)
Meta(Facebook,Instagram)が提供するコンバージョンAPIは、サーバーサイドでユーザーの行動データを送信し、広告効果を計測する仕組みです。

ブラウザ上で正確に計測できなかった分を、サーバーサイドで送ったデータによって補完するイメージです

これにより、ブラウザ側のCookieに依存せず、より正確な広告効果測定が実現します。


②イベントAPI

TikTokでも同様に、イベントAPIという仕組みがあります。
CAPI同様に、広告主のウェブサイトで発生する特定のイベント(購入や申し込みなど)をサーバーサイドから直接広告プラットフォームに送信します。
この仕組みによって、Cookieが制限された環境でも広告キャンペーンのパフォーマンスデータを把握しやすくなります。


③拡張コンバージョン
Googleが提供する拡張コンバージョンは、ユーザーのメールアドレスや電話番号などのデータをハッシュ化し、広告プラットフォームに送信することで、より精度の高いコンバージョントラッキングを可能にします。

これにより、Cookie規制が進む中でも広告の成果を正確に計測できます。

最後に

Cookie規制が進むことで、Web広告のあり方は変革の時期を迎えているように感じます。

プライバシー保護と広告パフォーマンスの両立を実現するため、新しい技術を柔軟に取り入れながら、Web広告を運用していきたいと思います🔥


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