【考察】猫ミームは何故流行ったのか
【1】今年を振り返って
気が付けばもう年の瀬。
時が過ぎるのは本当にあっという間なものですね🤯
振り返ってみると、2024年、色んなものが流行りました📣
朝ドラの「虎に翼」や、CreepyNutsの「Bling-Bang-Bang-Born」、アサイーボール etc…
そして、インターネット上でもさまざまなネタやミームが人気となりましたね。
私はXやYouTube、TikTokをよくみる方で、色んなネタを見てはニヤニヤしているのですが、特に大好きだったのが、「猫ミーム」です。
いろんな猫ちゃんの動画素材と一緒に、日常のあるあるネタなどを表現した動画です🐈
2024年の頭くらいから爆発的な人気を博した一大ミームだったのではないでしょうか?🧐
一時期は狂ったように見ていました笑
今回は、そもそも「猫ミームとは何ぞや?」というところから、何故あれほど流行ったのか、深掘りして考察してみたいと思います。
まず、「ミーム」と「バズ」の違いや、「ミーム」が流行る条件を定義した上で、実際の「猫ミーム」に当てはめてみる、という流れで見ていきます🐱
※この記事は結構長くなっております…!本題の「猫ミームが何故流行ったたか」という部分については【4】部分をご覧いただけますと幸いです🙏🏻
【2】猫ミームとは
改めて、「猫ミーム」がどんな内容だったのかを振り返ってみたいと思います🐱
「猫ミーム」とは、猫の愛らしい表情や動作を捉えた画像や動画に、ユーモラスなキャプションや音楽を組み合わせたコンテンツのことを指し、人々の日常の出来事や「あるある」ネタを猫を通じて表現する手法として人気を博しました。
特にTikTokやYouTubeショートなどのプラットフォームで、中毒性のある音楽と組み合わせた猫ミームが多く投稿され、2024年初頭から、爆発的な人気を得ました。
【3】ミームとは
「ミーム」って何?
「猫ミーム」の概要を記載しましたが、そもそも「ミーム」とは何なのでしょうか?
調べてみるとこちらの記載がありました。
「ミーム」自体の意味としては、言葉、アイデア、振る舞い、スタイルなど、人々の間で繰り返し共有・模倣されることを指している様です。
文化現象が広がる様子を説明するために作られた新造語だそうです🧐
その上で、猫ミームのようなものは「インターネットミーム」に属するものであり、それについてはこちらの記載が👀
インターネットを通じて人から人へ広がってゆく文化・行動を意味するようですね。
一般的に、SNS上では、ウェブ上のコンテンツが拡散され、人々に伝播していく現象を指して使用されることが多いように感じます🏃🏻
「ミーム」は、ネタの発生元の形のまま広がる場合もありますが、他のユーザーがアレンジを加えたものを投稿するなど、他ユーザーの派生物がしばしば生み出され発展していくことがその特色とされます。
その特色を踏まえて、「ミーム」は下記のような特徴を持っているのではないでしょうか?
模倣性:
他の人が真似したくなる要素を持つ
進化/変異する性質:
新しい要素を加えたり、文脈を変えたりして進化する
普遍性:
言語や国境を越えて広がることがある
さらに、現代における「ミーム」は、さまざまな使われ方をしています。
ユーモアの表現:
面白い画像や動画にキャプションをつけて共有する
メッセージの伝達:
社会的・政治的なメッセージを含む場合も多い
コミュニケーションの手段:
共通のミームを使うことで、コミュニティの一体感が生まれる
「ミーム」と「バズ」の違い
似たような単語で、ネット上でよく拡散されるものを指す言葉として「バズ」や「バズる」という言葉がありますが、これらとミームの違いは何でしょうか?
項目に分けて見ていきましょう🌞
①定義の違い📜
前段で見たように、「ミーム(インターネットミーム)」ユーモアやメッセージ性を含むコンテンツ(画像、動画、テキストなど)が”模倣や改変を繰り返しながら広がる”現象を指します。
繰り返し改変されるところがミソですね。
一方で、「バズ」は一時的に大きな話題や注目を集めることを指し、"特定の出来事やコンテンツ"が注目される現象そのものを意味します。
そしてこれらは、必ずしも改変されるわけではありません。
特定ののSNS投稿が拡散され、爆発的に注目を集める状態等がその例ですね。
②持続性の違い🔜
「ミーム」は、時間が経つにつれ、改変や派生が繰り返され、時には持続的に文化的な影響を与える場合もあるのに対して、
「バズ」は、基本的に短期的な現象で、瞬間的に話題になるが、長期的な影響は少ないと言うことができます。
③主体の違い🚻
「ミーム」の多くは、個人やユーザーコミュニティの間で自然発生的に作られています。
「バズ」も自然発生的なものもありますが、企業やマーケターが計画的に起こす場合もあります(バズマーケティング)。
例: インフルエンサーを起用して話題を作る。
また、「ミーム」では複数のユーザーがミームに関する投稿を行い広がっていくことに対して、「バズ」は特定のユーザーが投稿し、それ自体が拡散すすることで完了されるという違いもあります。
並べてみると結構違うんですね👀
「ミーム」の発生方法
「ミーム」と「バズ」の違いを見たところで、「ミーム」がどのように発生するのか、その流れを見ていきたいと思います。
インターネットミームが誕生するプロセスは、偶然的な要素とインターネット特有の文化や拡散の仕組みが複雑に絡み合っていると考えられます⚙️
以下に、典型的なプロセスをステップごとに記載していきます。
①きっかけとなる素材の誕生
後々ミーム内で使用されることになる画像・動画が撮影されます。
②最初の共有
これらの動画や動画をSNSに掲示板に投稿されます。
その投稿が注目されると、ミーム化の第一歩となります。
③瞬間的な注目とバズ
初期の投稿がユニークで共感を呼ぶものであれば、多くのユーザーによってシェアされます。
ここで得られる初期の注目度がミーム化の成否を左右します↔️
④ユーザーによる改変と派生およびフォーマットの確立
元々の素材にキャプションや編集を追加し、新しいコンテンツとして誕生します。
ここで、「ミーム」の最初の型が作られるんですね。
先ほど見た様に、ミームの本質は「改変」にあります。元のコンテンツにキャプションや編集を加え、新しい意味や文脈を与えることで広がります。
改変が繰り返されるうちに、共通の構造(フォーマット)が生まれ、これが一連の「ミーム」の型になります。
⑤大規模な拡散
SNSの「いいね」や「シェア」が拡散の原動力です。
拡散されることにより多くの人の目に留まり、その人々が更に投稿をし…と、拡散が循環します。
また、話題となったミームがニュースやテレビで紹介されることで、さらに知名度が高まり、より多くの人々に知られるようになる場合もあります。
⑥定着または消滅
一部のミームは長期間にわたり使われ、文化的なアイコンとなり得るものの、多くのインターネットミームはある程度流行したあとは、特に大きな改変が行われず、新しいトレンドが登場すると忘れられやすいです。
「ミーム」になるための条件
ここまで、「ミーム」の性質や発生過程についてみてきましたが、以上の内容を踏まえると、「ミーム」が「ミーム」足り得るには、下記の要素が必要不可欠であると考えました。
①複数のユーザーが改変しながら投稿すること
・実際に人々が目にする投稿がされ続けること
・投稿数が多いこと
②SNSなどのプラットフォームで共有されること
・XやYouTubeなど
③投稿を見たユーザーがポジティブな反応を示し、拡散されること
・ユーザーが「いいね」や「シェア」をすることにより、プラットフォーム上のアルゴリズムにより様々な人に表示される様になること
本記事では以上の3つを、「ミームになるための条件」と定義して考察を進めたいと思います🕺🏻
【4】猫ミームが流行った理由とは
導入
ここからやっと本題に入っていきます笑
先ほどの3つの条件に当てはめて見ていきましょう🏋🏻
(1)複数のユーザーが改変しながら投稿すること
「猫ミーム」で調べると大量の投稿が見受けられますが、ここまで投稿が盛んになったのは何故でしょうか?👀
投稿しやすい=動画を作りやすかった背景を探ります。
①編集・制作が簡単
私も実際に作ってみたのですが、編集がとても楽でした!
動画を作るとなると素材を考えたり、集めたりするのに苦労しますが、猫ミームの場合は、「この背景とこの素材を使えばOK!!」というものが決まっていたので、何も考えずちょっと調べてDLすればすぐに手に入りました。
また、動画を作る際は、場面ごとのbgmを用意して、タイミングが合うように調整して…というのが地味に面倒なのですが、猫ちゃんの素材は「bgmとセット」になっていたため、bgm探しの手間も必要ありませんでした!!!(個人的にとても嬉しかったです)
②素材の潤沢さ
猫ちゃんの動画素材は大量に存在していたため、「この場面を表現したいけどいい感じに一致する猫素材が無い😥」という状況には陥りませんでした。
むしろ、素材を先に見て、その素材を使いたいが故に動画の内容を思いつく、という場合もありました。
また、背景に用いる素材についても会社や学校、路上など色々なシーンに沿ったものがDLできるようになっており、大変便利でした。
③ジャンルの多様性
猫ミームのトピックになる題材は本当に多種多様です。
ブラック企業の1日を表したり、旅行をテーマにしたり、男女の恋愛事情だったり…。
究極を言うと、SNS上で公開されているどのジャンルでも何かしらの形で猫ミームで表現できるのではないでしょうか。
このジャンルの多様性により、「自分も作ってみよう/作ってみたい」と感じやすくなっているのではないかと思います。
(2)SNSなどのプラットフォームで共有されること
ユーザーが猫ミームのコンテンツを制作したら、それをSNSなどのプラットフォームに投稿して初めて、猫ミームが人々の目に触れることになります。
この部分でどのような利点があったのでしょうか?
①プラットフォームが多様であること
猫ミームはXやYouTube、TikTokなど、媒体を問わずに広く投稿されました。
各SNSは少しずつ利用するユーザー層がずれているかと思いますが、それらに対して満遍なく広くリーチすることができたのではないでしょうか。
また、同一ユーザーが複数のSNSを使用していても、純粋に接触回数が増える可能性がありますね👀
②フォーマットが縦横どちらも対応可能
猫ミームの動画は、tiktokやYouTubeショート様に縦型で作成することも、一般的なYouTubeのように横向きで作成することも可能です。
従って、ショートを見る層にも、横長の動画を見る層にも、幅広くリーチできたと考えます。
(3)投稿を見たユーザーがポジティブな反応を示し、拡散されること
折角動画が投稿されても、人々の興味関心をそそるものでなければ拡散されるには至りません。
猫ミームのどのような要素が、人々にポジティブな感情を引き起こしたのでしょうか?🐈
①ジャンルの多様性
(1)でも触れましたが、投稿される動画のジャンルが幅広いため、自分のストライクゾーンに対応するジャンルの動画に巡り合いやすくなります。
故に「この動画見てみよう」とユーザーに感じさせやすくなっていたのではないでしょうか。
②"「猫ミーム」であること"の分かりやすさ
ある程度「猫ミーム」が広がった後だと、人々の中で猫ミームのフォーマットの共通認識が形成されます(こんな背景で、猫ちゃんがいて…等)。
その上で、SNS上の沢山の動画を目にする中で猫ミームが流れてくると、パッと見た時点で「これは猫ミームや!!」と判断できるかと思います。
既に猫ミームの動画の面白さを一度知った人であったら、「いったん見てみるか」と動画視聴に入るのではないかなと思います。
③ミーム自体の発展
動画が作られていく過程で、新しい猫ちゃん素材が使用されるようになっていました。
また、ジャンルもどんどん広がっていったことにより、「飽き」を感じさせにくかったのではないかと考えています。
④センシティブなエピソードもエンタメに昇華される
猫ミームは、「ブラック企業での1日」等、センシティブで人によっては辛かったり大変だったりしたエピソードをもとにしたものも多く存在しました。
これらのエピソードが猫ちゃんの素材を通して表現されることで、エンタメに昇華されていたのではないかなと思います。
⑤猫が可愛い
何よりも、可愛く、愛らしく、そして普遍的に認識されている猫という動物がメインの素材になっていることの影響もかなり大きかったのではないでしょうか。
シンプルに動画の内容を楽しむと同時に、使用される猫ちゃんの素材自体にもどんどん愛着がわいていきました。
よくよく考えると「宇宙猫」や「現場猫」など、猫はこれまでも時々ミームの題材になっていますね。
ネット上でも猫には人々を惹きつける魅力があるのかもしれません😸
以上になります!
まとめると、猫ミームは下記3つの要素を十分に満たしていたことから、爆発的な人気を博したのではないかなと考えています😺💣
①複数のユーザーが改変しながら投稿すること
・編集・制作が簡単
・素材の潤沢さ
・ジャンルの多様性
②SNSなどのプラットフォームで共有されること
・プラットフォームが多様であること
・フォーマットが縦横どちらも対応可能
③投稿を見たユーザーがポジティブな反応を示し、拡散されること
①ジャンルの多様性
②"「猫ミーム」であること"の分かりやすさ
③ミーム自体の発展
④センシティブなエピソードもエンタメに昇華される
⑤猫が可愛い
最後に
主観も入っておりますが、「猫ミーム」について「ミーム」の定義から、流行った理由の考察を行いました。
みなさんが「猫ミーム」について感じていること(ここが好き!等)などがあれば教えていただけると嬉しいです✨
以上、長文になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました!!