たじろがない
取材が予定より早くに終わって、「さあ、ランチ、ランチ」と店を探す午後1時。
駅ビルのレストランフロアは、時差ランチで少しは空いているかと思いきや、どこも順番待ちの椅子が埋まっている。
と、通りかかった老舗のグリルレストランは、いい感じに余裕の空き状況。
すぐに店の人が、テーブルに案内してくれた。
お客さんは落ち着いた雰囲気のお一人様がほとんど。
一組華やいだ高年のご婦人グループは騒々しさが無く楽しそう。
老舗好みの客層と、昔ながら感のあるきちんとした接客にほっとする。
ハンバーグって、わりとどこにでもあるけど、なかなか好みのハンバーグに出会わない。
柔らかいのも外側硬すぎもダメ。
お肉がよくない感じがしたらダメダメ。
結局、私は子どもの頃から食べてる母味のハンバーグが一番な気がして。
ただ、この店に来たら、やっぱりハンバーグでしょ。
目立たないようにスマホ撮りしたら、すごくよく撮れててびっくりした。
美味しいのがそのまま写ってない?
「モデルがいい」というやつ。
隣の席に着いた高年のご婦人お一人様は、お店の売り一番のハンブルグステーキをご注文。
「トマトサラダはお付けしますか?」
「それはいい、ああ、グリーンサラダ付けてもらおうかな、ん」
何のことはない注文の会話に、ご婦人のたじろぎの無さが感じられていいなあと思って。
無駄に愛想ふりまかないし、かといって失礼な感じ無いし。
最近、どういう高年者になりたいかなとときどき考える。
いくつか理想の要素があるんだけど、「たじろがない」、これ入れておこうと思いながらうとうと心地よく昼下がりの帰途電車に揺られ。
《P240610》🌐🌎地上綴り🌐🌎