④呪文レベル <ヒペリカム・カリシナム>
徹夜明けの早朝に、皇居周辺をよくウォーキングしていた。
季節を追って次々に花が咲く中、
奇妙な、黄色の花を見つけた。
派手な髪飾りみたいな、
もう少し言ってしまうと、
徹夜明けの化粧を落とす前みたいな雰囲気の咲き方。
爽やかな楚々とした感じではない。
ウォーキングのあと、花の名前を調べたが、
そのときは分からなかった。
徹夜明けだったのもあって、
花の名前の検索に疲れたことが記憶に残った。
名前が分からないまま、
ときどき時期によってこの花を見かけて、
「ああ、あの奇妙な花だ」と思って調べてみる。
やっぱり、分からない。
挙句、疲れる。
で、つい最近、また見かけて、
あらためて調べてみたら、
出てきた名前が、「ヒペリカム・カリシナム」。
わりと簡単に、スルッと出てきたのは何で?
初めて花を見た日から十年越しで、
呪文のような奇妙な名前が明かされた。
西洋錦糸梅(セイヨウキンシバイ)でもいいんだけど、
この花に出会ったら、
「ヒペリカム・カリシナム」と呪文を唱えるように言いたい。
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