すぐ読める 基礎からわかる 灰谷魚 解体新書 ~2:彼女の21年~
その女性(ひと)の瞳のなかには海がある。
歳の数だけ、ひとつひとつ名付けられた海がある――
はい、みなさん、こんにちはーっ!!
灰谷魚ご紹介特使の松本いおりです!
今回のご紹介は『彼女の21年』
たとえば。あなたに恋人ができたとして。
かわいい、あるいは美しい、はたまたかっこいいその恋人と見つめ合うとして。もしも。
もしもその恋人の目の中にいくつもの海が…恋人の歳の数ほどの海があったとしたら。あなたは彼女、または彼を、変わらず愛し続けられるだろうか。
変わらずに愛し続けられるとして、一緒に。恋人と一緒に彼あるいは彼女の海に入って穏やかに時間を過ごせるだろうか。
――凪いだ海
――荒れる海。
その年ごとの、彼女の思い出。
どうぞ結末まで、読み通してください。
この物語を読み終えたあなたの部屋のカーテンを揺らす初夏の風に、潮の匂いがかすかに香るかもしれません。
そして鏡で、ご自分の目の中をのぞいてみてください。そこに海がないかどうか。その海は、荒れてはいないかどうか――
灰谷さんの素敵な描写の雰囲気を壊さないよう、出来るだけ詩的に書いてみたのですが…どうでしょう(^_^;)
さて。つづいてのご紹介は、
灰谷魚氏いわく「R-12」指定のあの作品です。
がぶ。