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雛鳥が産まれたのに人に譲れないワケ

幼少期に母が眠る前に読み聞かせてくれた童話です。潜在意識にずっと残っていて、大人になってからもたびたび思い出し、探し回ってようやく見つけました。短編の童話集です。

小川未明 著 堀内誠一 画 

「赤いろうそくと人魚」

再販で違う訳、挿絵のものも何冊か持っていますが、このコンビでないと、もう、受け付けなくなってしまってます。この本の文章の美しさは、おそらく原文そのもの、もしくは一番近いものとおもわれ、他のものではひとつもありませんでした。そして世界観を更に豊かにしてくれる堀内さんの挿絵。昔、雑誌an・anを飾ったイラストや絵本「ちのはなし」「ぐるんぱのようちえん」など数多くの絵本や雑誌を描かれていらっしゃいますが、この本の挿絵は他の絵とひと味違い、なんとも独特で幼少期ながら不思議な魅力で想像力を掻き立てられた、あの感覚....今でも覚えています。

この物語は、神のお告げだと慈愛の念から置き去りにされた人魚の赤子を、優しく育てる老夫婦と人魚のお話ですが、蝋燭を作りそれを売ることを生業としていた老夫婦。美しく育った人魚の娘が、恩返しにと蝋燭に綺麗な絵を描いて評判を呼び...

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そのままでしたら美談なのですが。次期に金に目が眩み見世物小屋へ人魚を売り飛ばす老夫婦...怒った人魚の親の祟りによって大災害が起こり村ごと水害で滅びてしまうという。

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その漁師町の祠に真っ赤に染められたろうそくが灯る晩は嵐が来て災が起こるという言い伝えが....そんな怖いお話。人の業の深さを良くも悪くも描いた物語です。泣いてすがる人魚姫を優しかったおじいさんおばあさんが豹変して「もう、おまえは行くのだ」と冷たく売り飛ばした様子が恐ろしくて。

でも、この時代よりはソフトな言い回しだとしても、現代社会にだって、平たく見ると同じような世知辛い状況や現状は見られるし、全く無い話ではないので余計に恐ろしいのです。

さて、なぜ鳥の雛?なのですが、私はたくさんの鳥と暮らしていますが、不定期に我が家の鳥さんたちは、卵を産むのです。そして、年に数羽の雛ちゃんが孵ったりするのですが....自分の手でさし餌をしたりして、懐いてくれたりするとですね、本当に可愛いわけですが、あまりにもたくさん産まれてしまった時などは、時折ふと、可愛がってくれる人様に譲り渡そうか....などと脳裏を過ぎるわけです。が、その度にこの物語のおじいさんとおばあさんの鬼畜な姿が😓または、ドナドナド〜ナドーナー♪の唄がこれまた、脳内再生無限ループをはじめてしまうのです。

そんなわけで、我が家の大所帯は10年も続いてしまっています。

あどけない可愛い瞳に見つめられたら、手放すなんてできません💦

命の育みは計画的に😅

鬼畜にならないためにも。

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