②分類して考えてみる
ペットロスの体験はその悲しみの姿や個々の物語から定形ペットロスと非定型ペットロスに分類されます。
★定形ペットロスとは....ごく一般的な経路をたどり悲しみの感情が現れ、徐々に回復へ向かってゆく正常悲嘆、これを正常なペットロスとして扱います。ペットを亡くした飼い主は表面的にも内面的にもこの典型的な通常の悲しみの経路を辿り、精神障害や疾患とまではいかないまでも、分別を乱さない程度の悲嘆であるので、単純で複雑さのないペットロス、複合や合併症のないペットロスなどと示されることもあります。
★非定形型ペットロスとは...病的なまでの悲しみや、異常性を伴う深い悲しみ、つまり通常では計り知れないほどの悲嘆の様子から通常ではないペットロス、異常なペットロス、病的ペットロス、障害を伴うペットロス、などと示されます。これには理由があって、何らかの理由により悲しみの扱いが妨げられている、または、悲しむ行程の作業が流れに沿わず滞り、これによって悲嘆はとどまり続け、様々な精神疾患や身体疾患を併発、複合するために複雑なペットロス、複合するペットロス、合併症のあるペットロス、などと言われたりもします。
✚ペットとの別れ方から見る分類
1、死別(死に別れ)→自然死(病死、老衰死)、事故死、殺害、安楽死、尊厳死、など何らかの様々な事情により命が亡くなること。
2、生別(生き別れ)→転居や別居、物理的な事情や経済面から一緒に暮らすことが出来ないと思うなど、飼い主の自発的意思による譲渡などの自発的な別れ、また、飼い主の入院、ペットの逃走、行方不明、盗難、ペットの問題行動などにより、強制的に別れることになるなど、飼い主の意思は無いが強制的に引き離される非自発的な別れとなるが、この生別は後に再開するとしてもペットが亡くなっていて、死別に移行することもありえる。
3,生死不明の別れ(生きているのか死んでしまったのかわからない別れ)→非自発的な別れの生き別れでよく観られるが、ペットの生存がわからないまま時だけが過ぎてしまうなど。例えば小鳥を逃してしまってあれやこれやと手を尽くして探すのだが、なかなか見つからない、などこれにあたる。この場合の飼い主は充分に悲しむ現実的事実がないため、悲しむ過程未成熟になる。いつまでもいなくなってしまったことを受け入れられず苦しい心持ちになる飼い主も多い。
📖 生別、死別、生死不明の別れ、それぞれ質も深さも違った悲しみがありどの別れも辛く苦しい感情に包まれる点は変わりはない。
※私の場合は、ほとんどが1の死別でした。
10年以上の長寿の子も何羽かはいてくれていますが、病死や怪我による衰弱などで亡くした子、または小鳥の種別的寿命目安をみると、まだ早いのではないか...と思う子もいました。
今より更に未熟だった頃は、人間側の都合で寿命を全うさせてあげられなかったり、本当に懺悔の念は拭えません。
不注意で逃してしまったこともあるのですが、この子に関しては、仲間の声を聞き分けて、大空を飛んだ後、奇跡的に舞い戻ってきてくれたこともあり、この経験は貴重でした。ロストバードの恐ろしさを初めて経験したエピソードです。
死別に関しては、軽い症状で病院へ何日か通って治ってくれた子、飼い主の不甲斐なさから気づいた時には手遅れでそれでも通院と投薬で旅立つその日までお世話して看取ることとなった子、前日まで全く予兆もなかったのに翌朝ひっそりと亡くなっていた子....いろいろなお別れがありました。
そのたびに罪悪感に苛まれてはいるものの、その都度、自分なりのお弔いをしてきました。
一番つらいのはなんの前触れもなしに、突然逝かれてしまうこと。
重症の精巣癌の子がおりましたが、もちろん告知をうけたときは全身の力が抜けましたし、悲しみも相当なものでしたが....看病とともに覚悟というか受け入れていく準備はできていたように思います。
突然なのは...気持ちの持っていくところが暫くはありませんから辛いものです。
10年以上、100羽以上の鳥と暮らしていますが、悲しみの度合いは、やはり初期の鳥さんの死のときほど重く、悲しみを乗り切る過程も時間がかかったように思います。
それ故に多種と暮らす体を成しているのかもしれません。
これも万年ペットロスの形なのだと思います。
慣れてきているわけではありません。暫く誰とも会わず、人との交流を絶ってしまうときがしばしばありますが、そんな時はペットロス中です。
一緒に暮らす鳥たちのことは必ずたくさんの写真を残します。亡くした直後や、暫く経過ってもなかなか生前の姿を眺めることは出来ないものです。写真を見返して泣ける時は、かなり回復してきてしまっているんだわ、なんて罪悪感を伴いながら実感したりします。
毎回、苦しいですが命と暮らすということはそういう時間を過ごすことも大切なことなのだと言い聞かせつつ、
変な言い方ですが、その都度、ちゃんとすごく悲しい自分に納得しながらそんな気持ちと向き合っています。そして、今後もそうしていくのだろうと思います。
次回は「③ペットロスの過程」を記載します。