鳥と暮らす絵描きさん
先日、素敵なアーティストさまから
「トリカゴ」の御用命をいただきました。
私は鳥飼いですが、そして日本の国産ケージの精密さと適正さは間違いなく私自身も私の小鳥たちにたくさん使用させていただいています。
しかしながら、美しい鳥のフォルムを生かせない形状や、今でこそ白いケージも増えてきましたが、少し前まではピンクやブルーの色合いの、真四角でシンプル且つ、置いておくと雑多にもなる...なんとも言えない感じに、人知れず残念な心持ちになっていたりもしていた...というのもまた事実で。
そこで昔の木製や竹籠、海外の金属ケージは機能性よりそして、愛鳥の安全性などを配慮すると、現在の安心安全な設計には至らないながら、容姿端麗さに関しては現在見ても、かなり優れていると思うのです。
「鳥を飼う」という文化、どのように一緒に暮らしてゆくか、選べる時代だからこそ、ある意味豊かな昔の愛鳥家さんたちの愛で方を、現在の動物愛護も念頭に入れた上でならば、いいとこ取りしても良いのではないかと...
その作家様は、私のそんな独りよがりにもならないような、小さな小さな思いに反応してくださり、同じような気持ちを抱いてくれていたとのことでした。もうそれだけで嬉しくて、鳥かごの紹介を始めて本当に良かったと思いました。
私の中で、小鳥と(特に文鳥)と芸術家さん(文豪も)は共存すべく組み合わせ、と以前からずっと認識しておりました。漱石然り、そのお弟子さんの内田百間さんも文鳥を題材に物語を綴っています。
その作家様に教えていただいたのですが、ピカソもいっとき、ペットの鳩をたくさん描いていた時期もあったのだそうです。その方も、昔から恐竜と鳥はたくさん描かれていらっしゃいます。
そして視覚豊かな鳥類の住まいは、美しいものであって良いのでは?という説もお持ちでした。それでもやはり物事は多数派のものなので、敢えてアンティークに住まわせるという事柄についてご時世柄、一抹の不安にも触れておられました。
彼女も現在、お婆様が残された、素敵な木製アンティークの鳥かごで、真っ白い文鳥さんと暮らしておられます。ヒナから育てられ、愛情込めて保温などの配慮も適正に、愛情込めて飼育されておられます。
日々のお世話(暮らしの中で)その鳥と向き合っていれば、鳥の機嫌も解るものです。住うケージも飼い主さんの管理の元、快適そうならば双方が気持ちよく過ごせる環境を用意するのは、とても良いことだと思います。
そして、何よりも小鳥との暮らしを飼い主様ご自身が楽しまれ、その幸せは愛鳥にも伝わって、そしてやはりアーティスト様なので、更に良い作品が生まれる、という好循環が脈々と受け継がれて伝統になってゆくのだろうなあと、素人ながら思いを馳せるわけです。
様々な文化が歴史の流れとともに積み重なってゆく昨今、ただ、「鳥を飼い愛でる」だけではなく、過去の良い部分も取り入れて新しい形でもっと深いつながりを作りながら共存されることを望んでいらっしゃるのかなあ、なんて勝手に思ったりもしています。素敵な作品ばかりなので、一瞬で信者のようになりました(*^^*)実物を早く目の当たりにしたい気持ちでいっぱいです。
お選びいただいた鳥かごに、文鳥さんが早速入居してくれている姿を、画像にて送ってくださいました。
名前はモノちゃん。女の子です。
アーティストさんは美術家の久保田沙耶様です。
久保田様のコレデ堂にぴったりのお名前をつけていらっしゃいます。
「椿のお堂」と呼ばれているそうです。ブランコも椿モチーフに自ら製作され、今後もカスタマイズされるとのことです。素敵です!ちんまりと止まっている姿が愛おしくて感涙です!私が見つけてきた古い鳥かごが、このような素敵な方の手に渡り、素敵に存在し、文鳥さんも入居してくれていることがとっても嬉しく、コレデ堂のコンセプトにもマッチ(していなかったら失礼ですし、ごめんなさい!!)....ちょっとでも、していたらものすごく光栄です。
まだ、お会いした事もないのですが、いつか、作品と出会いに伺いたいなあって、楽しみに思いを巡らせています。