小鳥と車とトリカゴと
突然ですが私は車の運転が好きです。
鳥かごに住むたくさんの小鳥と暮らし、私自身もひとつの鳥かごの中で暮らしているような気がします。若い頃は窮屈で、いちど、飛び出したこともありますが、カゴの外はそれはそれはスリリングで楽しくて、そして時には怖い世界でした。ひととおり飛び回り、羽を休めたくなった頃、再び元の主人のもとへ帰りました。最初はとまり木で少し休んでいる感覚でしたが、そのうち居心地の良さに巣作りを始め、一緒に暮らす仲間も一羽ずつ増えていきました。天敵のいない鳥かごの中は安全で快適で...そして幸せです。
そして...退屈ですとは書きません。
一度、飛び出したからこそ、いかにトリカゴの中が安全で幸せか、ということを確認したからこそ....幸せデス。と言えますのです。
平和なことのありがたみも理解しつつ感謝もしつつ、それでも時には退屈な時もあります。そんな時に車に乗り込んで、小さな旅行へ出掛けます。外の世界を知ることが出来ない小さな家族たちも、日替わりで車用の小さな籠に入ってもらって一緒に連れていきます。近場の街だったり海だったり川だったり、山だったり....時には泊りがけで長距離を走ったりもします。
翼はあるのに飛び立たない自由。それを謳歌できるのは「居場所」が有るということと、強制されない不確かさがあるからこそです。
物事にあたりまえや必然はありません。だからこその感謝です。
同時にいつも不安もある...それが人生というものです。
そんな心のバランスを取るアイテムとして車は私の中で大切な存在です。
明日もまた、でかけよう。もちろん安全第一で。
そして小鳥も意外にも車好き。
煽り運転の罰則がようやく厳しくなり、時勢柄誇張はできませんが、機会があったら車内の彼らの様子を記載する時があるかもしれません。