夜が明けて、朝が来る
朝方、トイレに行きたくて体を起こそうと思ったら「トイレ行きたいの?」と夫の声が聞こえてびっくりした。
嫌な夢を見て目が覚めたと言うので、どんな夢か尋ねると、大切な人が亡くなる夢を見たと少し言いにくそうに答えた。
あまりに悲しそうやったから、
咄嗟に「夢の中で亡くなった人は長生きするねんで、だから大丈夫!」と言ってしまった。
あ、嘘ついてしまったなと思ったけど、夫がとても安心していたから嘘も方便やと自分に言い聞かせた。
夫が夢から覚めた時、eastern youthの「夜明けの歌」が頭に流れたらしい。その時初めてその歌の良さがわかったと言っていた。
悲しみの中、もう一度眠る気にもなれず、そんな自分を置いていくように白んでゆく空。
人には色んなタイミングがあることを改めて実感した。好きじゃないものを好きになる時もあれば、好きやったものが好きじゃなくなる時もある。
夫はこのタイミングでeastern youthを好きになった。悪夢のおかげ。
そして、その後テレビを観ていたら、河瀬直美監督の「朝が来る」という映画の紹介をしていた。
「特別養子縁組」をテーマに描かれている作品で、監督自身も親戚の方の養子として育ったらしい。「特別養子縁組」を取り巻く現状を少しでも明るいものに変えたい、家族は血の繋がりだけじゃないと笑顔で語っていた。ひとりで観に行こうと思う。
夫はその日何度も「ゆうみちゃんのおかげで心が救われた!素敵な言い伝え知ってるねえ」と言うので、気になって寝る前に布団の中で調べると同じように言ってる人がちらほら言ったので安心した。