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芹沢銈介の型染着物 #55
『芹沢銈介没後40年記念展 型染 色と模様の翼』
静岡市立芹沢銈介美術館
2024年11月9日(土)
今日の一枚は、芹沢銈介「津村山々文着物」。型染の着物である。
芹沢銈介によって、風景が絵画になり、絵画から文様となり、そして、その文様が、シンプルにカッコいい。
この着物は型染で作られているが、型染の型紙は、小刀で彫りだすそうだ。小刀の直線的な線は、色々なものをそぎ落とし、形の本質的な美しさに到達しているように思える。
芹沢銈介の文様のカッコよさは、そんな、そぎ落とされた美しさと思う。
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作品の説明には「日本画のような」とあった。確かに、東京国立博物館で見た深江芦舟の蔦の細道図屏風のようにも見える。
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また、東京国立近代美術館で見た加山又造の春秋波濤のようにも見える。芹沢銈介は、日本画の表現を取り入れていたのかも知れない。
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芹沢銈介美術館は、建築家の白井晟一(1905~1983)の設計。石造りで重量感ある外見に対して、展示室は木造で暖かみがある。
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お土産に型染のブックカバーを買った。和紙である。なんともカッコいいではないか。
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