長沢芦雪は愛嬌がある #34
『特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー』
大阪中之島美術館
2023年11月11日(土)
長沢芦雪の回顧展です。今日の一枚は「降雪狗児図」。背景が黒く、犬が白いです。
日本画の白は、塗り残しで表現することが多いように感じますが、この犬の白は、ゴッホのように厚塗りです。愛嬌があって、なかなかかわいい。
やっぱり長沢芦雪は動物が上手い。子犬がコロコロしている絵なんて、愛が溢れております。犬が好きだったんでしょうね。
サルも、個性が、一匹ずつ描き分けられているかのようです。こういうオッサンいますよね。。
(あまり関係ありませんが、最近マスクを外している人が多くなってきて、世の中にはこんなにも個性のある顔の人がいたんだと感じてます)
長沢芦雪といえは奇想の画家ということで、辻惟雄の「奇想の系譜」を読んで臨みました。
師匠である円山応挙と比較できるような展示もあります。奇想の系譜にもありましたが、応挙の技術を完全にマスターしていたんじゃないかと感じます。
孔雀図なんか、ほとんど同じというか、ひょっとしたら長沢芦雪の方が迫力があるんじゃないかと思わせます。(孔雀の首のあたりの描きっぷりとか)
それでも長沢芦雪は、応挙の技術を習得しつつ、応挙とは違う独自路線に行こうしていたと感じます。そこが長沢芦雪の素晴らしいところと思います。
この展覧会は、会期中、大幅な展示替えがあって、和歌山の無量寺の襖は見られませんでした。いつか無量寺まで行かねばならないと思いました。(しかし、ナゼに、こんな展示替えをする設計にしたのだろうか。ホント勘弁してほしい)
大阪中之島美術館には初めて行きました。雑誌やWebでは黒い立方体にしか見えませんでしたが、実物を見ると、正に、コルビジェではありませんか。国立西洋美術館とそっくりに見えました。
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