岡本太郎の若い時計台 #45
常設展「人のかたち:岡本太郎の人体表現」
川崎市岡本太郎美術館
2024年3月24日(日)
今日の一枚は、岡本太郎「若い時計台」。
どこかで見たことがあるとの印象の通り、東京銀座の数寄屋橋公園にある時計台の原型である。
岡本太郎は、この時計台について、八方に突きだす若い意欲、伸びてゆく日本そして東京の象徴と語っている。
だがしかし、今の我々にとって、この時計台から伸びゆく未来を感じとるのは、なかなか難しい。もはや、高度成長期の懐かしい日本という時代の中に位置付けることしかできないように思う。
この時計台のように、その時代に強烈な足跡を残した作品は、新鮮な気持ちで見ることはできない、ということかもしれない。
東京渋谷のこどもの城の前庭に設置されたこどもの樹の原型。岡本太郎にとっての「こども」が、イキイキと活発で楽しげであることが、とても伝わってくる。
人間にとって明るいことはとても大事と思う。この女神様も、太陽のように明るく楽しげで、シンプルに美しい。
愛知の寺の依頼で制作された。縄文のイメージだろうか。他に類がない梵鐘である。
パブリックアートとして、NHKの本館ロビーに展示されている。躍動感があってとても岡本太郎的である。
アンドレ・ブルトンの推薦で国際シュールレアリスト パリ展に出品された。この時期は、シュールレアリスム的だったということか。
長ネギはシュールレアリスム的な要素か。重工業的な文明に対するアンチな立場は高度成長期ならではだろう。時代を感じさせる。
この時期まで来ると、私にも馴染みがある岡本太郎である。
改めて見ると、印象的なのは、いずれも造形物などのパブリックアートである。私にとっての岡本太郎は、パブリックアートの岡本太郎であったのだ。