【読了】ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
松の内も過ぎてしまいましたが、あけましておめでとうございます。
2020年。あっという間です。
令和初の年越し、夏にはオリンピック・パラリンピックの開催、いつもとはひと味二味違う1年になりそうですね。
音楽でいえばベートーヴェン生誕250年という、これまたスゴイ年。
ベートーヴェンは、あまりクラシックを聴かない人でも知っているのではないでしょうか。
それだけ偉大な音楽家です。
それに先駆けてか偶然か、どんとタイトルに「ベートーヴェン」とあるこの本をようやく読み終えました。
片山杜秀氏「ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる」(文春新書/2018.11.20 第1刷)
世界史が苦手な私でも楽しめるのか?本当にわかるのか?という好奇心もあり、つい買ってしまいました。
グレゴリオ聖歌から無調音楽までの変遷を7章構成で、主に宗教・経済・哲学の面からそれぞれの時代の聴衆の変化を描いています。
タイトル通り伝わってくるベートーヴェンの偉大さはもちろん、楽器編成の変遷にある宗教的哲学的背景、私にとって難解に聞こえていただけの無調音楽の面白さ・人間くささが印象に残りました。
聴き手である「その時代を生きる人たち」の価値観が変わることで、生み出される音楽も変わってきたというのが片山氏の言いたいところなのでしょうか。
音楽をはじめとする芸術は、非日常でありながらも日常と切り離せないものなのだと感じました。
そして、この業界で働く私たちにとってのヒントが見えてくるような本でした。