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イノベックス袋井工場-地中熱化計画-①後編

私ども株式会社イノベックスは、独自の環境先進技術を用いて2023年1月から自社工場でも地中熱を活用する試みに乗り出します。
前編に続き、自社工場での地中熱活用の試みについて、現場責任者である生産本部統括の私(杉本)がご説明いたします。

イノベックス袋井工場統括 杉本康典

以下、記事の後編をご覧いただければ幸いです。

5.モノづくりの前に人づくりを大切にしていきたい

ダイオ袋井工場内部

私の思いとしては、技術・生産部門のトップとしての仕事にかけるこだわりもございます。やっぱり、モノを丁寧に作るというのはよく言われることですが、(その前に)どう人を作っていくのかということに尽きると思います。

モノづくりには現場で作業していただいている人たちがまず必要です。

モノを作るための機械設備を扱うにしても、保全するにしても、製品を作るにしても、やっぱり、人が絡んできますから。

まず、そういった意味でどう人を作るか(=育てるのか)というのが、やっぱり根幹の部分なのかなというふうに思っています。

今回の地中熱活用についても、次の世代の方々にその思いをどうやって浸透させていくか、伝えていくかという課題を社員と共有しながら、そして、その取り組みに一緒に参加しながら、これからの人たちを作っていきたいという思いがあります。

繰り返しになりますが、「モノづくりを実現するためには、その前提としての人づくりが大事なんだ」ということが、私の思いとしては一番強いところです。

6.地域貢献に対する社員たちへの思い

私どもは、地中熱活用の目的の一つに地域貢献を掲げています。
技術職の部下や後輩の社員たちに対して、10年後に地域の皆様へ貢献ができる人材に育っていってもらいたいと思っております。

<形としての貢献>というのがあると思いますが、<まずは思いとしての貢献>からだと思います。

それは例えば、小さいことから言えば、<工場の周りにゴミが落ちているとして、それを自然に拾えるという思い>が全てだと思います。

その小さい思いというのが一事が万事の思いにつながりますから。

そして、それは「地域にお世話になっているよね」という思いから出てくるものであるはずです。

それがあるが故に、たった1つのゴミも道に落ちていたら気になるし、缶が落ちていたら拾おうという意思が芽生えることにつながる。

そして、それの展開によって地域の中でのいろんな活動の裾野が広がっていくと思います。

初めから大それたものを期待するというよりも、まずは小さなことを大事に、そして、その思いを大事にしてもらいたいと思っています。

そこから個々の中でいろいろな芽が発芽してきますから。

そこからいろいろな裾野が展開として広がっていく、それが形として出来上がっていくという状態になると思いますので。

まずは、この地域で58年お世話になっていることに対する感謝の思いを持つことが大切です。

その部分を意識として感じることが重要じゃないかなと考えております。

そこを伝えなければいけない使命が私にはあると思っております。

要するに、この地域にお世話になって58年、まずはその感謝の思いを、ということと、その表れとしての日々の一つ一つの行動、例えば、道にゴミが落ちていたら拾おうといった一見小さな行動から実践できるような社員になってほしいと願っています。

そういう思いがあるが故に、この先5年、10年の<形としての貢献>が成り立つわけですから。

「地域への貢献として、この先5年、10年で何を期待しますか?」という漠然とした問いには、これから先を担う皆さんが作り上げていくということが答えになると思います。

モノづくりの技術だけを磨くのではなくて、その根底にある思いの部分から地域貢献を始めていきたいです。

7.モノづくりにかける姿勢について、地域の小中学生のお子さんたちへのメッセージ

ダイオ袋井工場内部

モノづくりにおいては、まずは興味を持つことが一番大事かなと思います。

人から興味を持てと言われても、それに対してそのまま「はい、そうですか」と感じる方はなかなかいないと思います。

ですから、それに対しては周りの環境についても、私たち大人の側がまず興味を持たせるような環境を作らなければいけないと思います。

その中からやっぱり、そういうものを感じ取る方々においては、全てにおいて基本的に「なぜこういう形にするんだろう?なぜこういう仕様にするんだろう?」という興味が湧いてくることにつながると思いますから。

ですから、まずはお子さんたちが興味を持てるような環境整備も大事にしなければなりません。

それとやっぱり、これからの皆さんには、1つの言葉で表しますと、「遊びの興味を持とう」ということを伝えたいです。

つまり、四角四面に仕事というよりも、「遊び心を大事にしながら興味を持ちたいですね」ということを伝えたいです。

そうしますと、柔軟な発想もやっぱり出てきますし、ある程度、自分たちが考えもしなかった発想が出てくる展開が間違いなくあると思います。

硬直した状態だと柔軟な発想はなかなか出て来ませんので。

仕事をしていくためには、そういった思考の柔軟性も必要になってきますから。

そういう思いは感じております。

地元の小中学校から弊社工場への社会科見学のお願いを毎年いただいておりますが、そういった場を活用して、まずは好奇心を持っていただくというような取り組みをしています。

私が子供の頃にも社会科見学があったのですが、小学校3年の時にオリエンタルカレーさんに社会科見学に行ったことがあります。

その時に、お土産にスプーンをもらったことを40何年経った今でも覚えています。

それは今でも鮮明な記憶として残っています。

お土産にスプーンをもらえたことが私としては良い思い出になっているからですね。

ですから、私どもはそういった社会科見学のご縁がありますから、その時のタイミングや環境によって、やっぱり、大人になってから弊社の社員に応募されたりすることがよくあります。
実際に「中学校の時にここの工場に来たことがあるんです。」という方もいらっしゃいます。

ダイオ袋井工場内部

そういった意味では、それはやっぱりご縁の中での流れですから、ぜひこの地域にいらっしゃる皆さんに、お子さんたちに、ここに来てくれたことを良い思い出として残したいなと思っています。

お子さんたちが「今日ね、あそこの会社に行ったんだよね。」というように、家に帰ってからお父さんやお母さんに喜んで話をしていただけるような工場見学にしたいなぁと思っています。

それに、私どもはいつもお土産として吊りもののネットを社会科見学に来たお子さんたちにお渡ししています。
それが、例えばの話として、お父さんやお母さんと一緒に庭で「今日、会社でこれをもらったよ。」という会話を交わしながら、機会を見て朝顔を植えているとかね、そういう展開って面白いのではないかなと考えています。

家庭の中でそういう機会、きっかけというものを1つの工場見学を通じてでも提供できればいいなというのは、いつもちょっと思っていたりします。

そのため、1つの良い経験というか、良い思い出作りを増やしていきたいなぁという思いで、来ていただくお子さんたちには接しているつもりです。

その取り組みが、先ほどのモノづくりに対する姿勢やスピリットを押し付けがましくなく伝えられる場になれていれば嬉しいです。


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