見出し画像

なぜマウスの「玉」は無くなったのか

先日の『勇者ああああ』に、「スーパーファミコンマウス」が登場していました。この回では「時代を先取りし過ぎた周辺機器」と題し、ややマニアックなゲームの周辺機器を紹介。スーパーファミコンマウスは、主に『マリオペイント』をプレイする際に使用されていましたね。記憶に残っている人も多いと思います。

画像1

このコントローラが発売されたのは1992年。これは、パソコンが一般的に普及するきっかけとなった、Windows 95の爆発的ヒットより前のこと。いかに時代を先取りしているのかがわかります。

(※TVerで無料で観られます)

ところで、この番組でも触れられていますが、昔のマウスには「玉」が入っていましたよね。

画像2

これ(↑)です。これを取り出して、コロコロと遊んでいた人も多いのでは?(筆者は小学校のコンピュータ室でこの「玉」を取り出し、先生に怒られました笑)

それにしてもこの玉、いつのまにか目にしないようになってしまいました。どうして無くなってしまったのでしょう? 気になったので、調べてみることにしました。

1970年代前半にボールマウスが主流に

まずは、マウスの歴史を振り返ってみます。マウス自体のアイデアができたのは1961年。エンゲルバートという発明家によって生み出されました。その後マウスが作られますが、当時はボールではなく、「X軸、Y軸方向に取り付けられた2つの車輪で動きを検知する」ものだったようです(参考記事)。

その後、1970年代前半にはボールマウスが主流になっていきます。ボールマウスの発明者については、諸説あるようです(参考記事)。パソコンが普及するにつれて、ボールマウスも浸透していった模様。ちなみにMacは初代からマウスが付属されていましたが、一方のWindowsは95になってようやく標準装備となりました。

光学式マウスの急速な普及

光学式マウスは、LEDなどの光源と光学センサーによって位置を読み取るマウス。1980年初頭にはすでに存在していたようですが(参考記事)、当時は高額であり専用のマウスパッドが必要だったようで、一部の用途でしか使われなかったらしいです(参考記事)。

ところが、マウス自体の技術進歩とともに「ボールマウスからボールを抜き取るといういたずら」が全国の小中学校を中心に頻発し、光学式マウスが急速に普及します(参考記事)。筆者のような生徒が、全国にたくさんいたんですね。また、ボールマウスは玉にゴミが入ると動きが悪くなるなどの不具合もあり、結果として光学式マウスに取って代わることになりました。

ボールマウスは、今や貴重な一品に

このように、ボールマウスは過去の物となってしまったわけですが、今もボールマウスは出回っているのでしょうか?

いまもし新品のボールマウスが販売されているのを見かければ、それは非常にレアな一品である。
ここ1カ月ほど、ボールマウスを探して回った筆者に言わせると、大手の家電量販店ではボールマウスの取り扱いは期待できない。秋葉原のさまざまなショップも同様で、ジャンク品にまで範囲を広げればあるにはあるが、実用に耐えられるレベルの品はまず皆無だ。

【特集】追悼ボールマウス ~Amazonからボールマウスが絶滅した日~ - PC Watch

このような追悼記事が出ているくらいですから、もはや骨董品レベルになってしまいました。もし見つけたら、『開運!なんでも鑑定団』に出品してみたいものです。

平成は遠くなりにけり

以上、ボールマウスの歴史を見てきました。マウスの「玉」が無くなったのは、光学式マウスの普及という世代交代によるものだったのです。いまや、マウスに「玉」が入っていることを知っていること自体、おじさん(おばさん)になった証拠なのかも。平成は遠くなりにけり、ですね。


いいなと思ったら応援しよう!

invincible hound
よろしければサポートお願いします!