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なぜ月極駐車場は「月極」と書くのか

何巻の話だったか忘れましたが、こち亀にて両さんが月極駐車場のことを「げっきょく」ちゅうしゃじょうと呼んでいました。本人曰く、"げっきょく"という会社のチェーン店なんだとか。だから全国に月極駐車場があるのですね!

ところで、なぜ月極駐車場は「月極」と書くのでしょうか。月できめるのであれば「月決」であるような気がしますが。気になったので早速調べてみました。

新人物往来社『古文書用語辞典』には、次のように書かれているそうです。

【きま、きむ(究、極)】①きむ(動詞)、決定する。②きめ(名詞)、話し合ってきめること。約定。決定。

月極駐車場の「月極」はなぜ「月決め」ではないのか _ レファレンス協同データベース

極(き)めるという言葉があるようで、これは「話し合って決める」「決定」といった意味があるそうです。

また、柏書房『古文書用字用語大辞典』には、以下のように書かれているそう。

【きめ 極】決・究とも書き、取極(取次・取究)と同じ。(中略)町村の全体の町民・村民や産業交通運輸関係の仲間・組合などが、協議して取りきめたこと。

月極駐車場の「月極」はなぜ「月決め」ではないのか _ レファレンス協同データベース

「極(き)め」には「協議して取りきめる」という意味がある模様です。

さらに、講談社『江戸語大辞典』には、こんな記述も。

【つきぎわめ(月極)】月契約。月ぎめ。

月極駐車場の「月極」はなぜ「月決め」ではないのか _ レファレンス協同データベース

なんと、月極という言葉は江戸時代からあり、しかも現在とほぼ同じ意味(月契約)で使われていたようです。

以上のことから、「極」という漢字には「契約する」「皆で決める」という意味があり、江戸時代にはすでに「月契約」の意味で使われていたことがわかりました(参考)。意外と古い言葉なんですね。

駐車場は契約の意味合いが強いので、「月極」の漢字を使っているのでしょう。これにて一件落着。ぜひ朝のスピーチなどで、このネタを使ってみてください。

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