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テレビの「岩下食品が7時をお伝えします」は何故無くなったのか

かつて日本テレビの19時は、「岩下食品が7時をお伝えします」という声とともに、時計が表示されていた。いわゆる時報である。当時ぐるぐるナインティナインは金曜19時に放送されており(現在は木曜20時台)、この岩下食品が~のナレーションからゴチになります!が始まっていた。

しかしながら、最近はこの時報を見なくなった。なぜ時報が無くなったのだろうか? 私は調べてみることにした。

答えは以下のページにある。

デジタル放送では、多くの情報を送るためにデータをコンパクトにするための「圧縮」という処理を行います。そして、ご家庭のテレビでは、圧縮されて送られてきた信号をもとの情報に戻す「解凍」という処理を行い、視聴できるようにしています。この「圧縮」「解凍」に多少時間がかかるため、アナログ放送に比べて映像や音声が遅れて届きます。
また、NHKのテレビ放送は、全国の放送局を経由して各ご家庭に届けられています。放送は、信号が経由する放送局でデータの「圧縮」と「解凍」を行っていることから、地域によって遅れる時間が違ってきます。これにより正確な時報が出せなくなったことから時報を出さなくなりました。

つまり、デジタル放送が始まったことで、正確な時間を報じることができなくなったからだそうだ。めざましテレビなどの番組でお馴染みの左上の時計も、「分」が繰り上がる瞬間をわざと曖昧にし、時間のズレを抑えているらしい。なお、リアルタイムと受信機の映像には2秒のズレがあるようだ。

時計くらいであれば、別に時報を取りやめるだけで問題ない。しかし、緊急地震速報はどうなのだろうか? 緊急地震速報では、遅延は許されないはずである。

実は、緊急地震速報のみ、以下のような仕様になっているという。

1.画面上に文字スーパー+右下に地図のスーパー

デジタル化初期の頃の仕様。時刻スーパーや番組中のテロップと同様、映像自体に焼き込み、完成された動画映像として情報を送信する方法だ。ただ、この方法だと2秒のズレを解消できず、緊急地震速報も、実際に発令された時刻より数秒遅れて表示される。そのため、「揺れにご注意下さい」と受信機に表示された時点で、既に揺れている可能性もある。

そこで、以下のような仕様になった。

2.赤い下地に白文字の字幕スーパー

映像・音声は圧縮をかけるが、それ以外(データ放送、文字放送等)は圧縮せずにそのまま送信する方法。これにより、遅延は緩和されたらしい。

なお、チャイム音は受信機内蔵の音声が鳴っているようだ。字幕データに「音を鳴らす」という命令が組み込まれており、受像機にて文字を表示させつつ内蔵音を鳴らしている。


素人の考えからすれば、デジタル放送になるとより正確な時間を送ることができそうな気がするが、意外とそうでもないらしい。いつかまた、正確に時間が伝えられるようになり、時報が復活する日がくるかもしれない。その頃、まだ岩下食品がゴールデンタイムのスポンサーになっているのかどうか気になるところではある。


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