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ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法を用いて割安株を見つける
背景
株価が割安であるかを調べる方法としてPER、PBRなどがあります。
これらの方法は広く知られており、証券会社のスクリーナー等で容易に検索可能です。
つまりそれらの数値から割安株を探そうとしても、皆同じ方法を使えることから同じ銘柄に辿り着くことになります。
そこで人と違う方法で割安株を探す必要があると考え、私は各銘柄のファンダメンタルをExcelに集積し自分なりに計算するというアプローチを行っています。
ディスカウントキャッシュフロー法とは
資産が生み出すキャッシュフローの割引現在価値をもって、その理論価格とする方法
要するに「企業が活動で生み出す現金と投資家・銀行への還元を積み重ねていった時、最終的にどの程度の企業価値に至るか」を表しています。
私はM&Aの専門家ではないので計算式の是非などは分かりませんし、計算式を載せて詳しく解説することはしません。
私は大手金融機関のHPに載っている計算式から再現出来る範囲で再現し、分からないところの数値は丸め、自分なりに必要だと思った数値は勝手に追加しています
私の使う計算式
私が調達できる情報、労力、私自身の知識と理解度の限界、などの要素を加味して以下の計算式を使用することにしました。
理論株価={(フリーキャッシュフローの平均)/0.08+(純資産)-(負債)}/発行株式数
割安度=(理論株価)/(株価)
なぜこうなったのか、理由を説明していきます。
対象が上場企業であり、成熟しているため現在価値も反映する必要があると考え、(純資産)-(負債)の項目も追加しました。PBRの指標においては純資産=解散価値と考えられますが、会社清算時には債権者の方が先に金銭を得る権利があるため、負債も加味しました。
有利子負債ではなく負債を計算に使用している理由は、金融・エンジニアリング系・建設といった有利子負債以外の資金をメインにしている企業にとって有利になりすぎるのを防ぐためです。これらの業種が資金源とする預金、保険金、前払い金などは会社清算時に補填を求められるものであり、解散価値からは引く必要があると考えました
フリーキャッシュフローについて、本来は将来の成長を予想し反映するものですが、銘柄数が膨大過ぎる点、上場会社には成熟企業が多い点、将来の予測は不確実性が高いという点から今回は過去のデータ平均を使用します。(そもそも将来の成長が予測できるならこんなスクリーニング調査などやらずにその企業の株を買います)
0.08という数値は本来WACCというもので、出資してくれた人や会社に還元していく(=その分キャッシュフローが段々減っていく)という考えに基づく物です。これは本来出資者が期待するリターンを精査してその数値を入力するものですが、銘柄が膨大であるため一律0.08にしています
割安度については説明不要かと思います
スクリーニング結果
以下に上記条件でのスクリーニング結果を記載します。
私の計算式の是非、計算の入力ミス、その他予期せぬエラー等存在する可能性がありますので参考にされる場合は自己責任でお願いします。
また今回に限らず、私のスクリーニングは基本的に東証プライム市場を対象としています。他の市場でも一応やってみたのですが上位に来るのが低流動性の株ばかりになったため、プライム市場に限定しました。無論、プライム市場にも流動性が悪い銘柄はあるためスクリーニングの後に手作業ではじく必要があります
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