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$DOCU DocuSign:世界で一番使われている電子署名
今回はTwitterでアンケートをとってみたところ一番票数が多く、トウシドリも所有しているDOCUの分析を行いました。現在、圧倒的シェアをもつDOCUが今後もこのシェアを維持できるのか?海外展開を進めていけるのか?顧客単価を上げていけるのか?が大きなポイントとなってくるのかと思ってます。
会社概要
クラウドベースで電子署名周りのサービスを提供する企業です。
ドキュサインは米国のIT・ソフトウェア企業。主にクラウドベースで、電子署名のソフトウェアや関連サービスを提供する。契約書などをデジタルで準備し、電子署名により契約書の締結をスピーディーに行う。同社顧客は大企業、中小企業、個人事業主、専門家、個人など幅広い。本社所在地はカリフォルニア州サンフランシスコ。
引用:Yahoo Finance
DOCUは世界で一番使われている電子署名であり、下記のような実績があるようです。
世界中で50万社以上の企業(有償版のお客様)がドキュサインを導入し、数億人が署名捺印しています
世界のテクノロジー企業トップ10社のうち、7社がドキュサインを利用
世界の医薬品企業トップ20社のうち、18社がドキュサインを利用
世界の金融機関トップ15社のうち、10社がドキュサインを利用
800の地方自治体や政府組織がドキュサインを利用
出所:DOCU
サービス概要
DOCUの提供するサービスは単なる電子署名ではありません。契約ライフサイクルのマネジメントとその自動化、ドキュメントの作成と交渉、そして契約の分析をAIを活用して行うことができます。
出所:DOCU
DOCUを利用することで下図のようにコスト削減、と契約の高速化ができ、Apple、Amazonと同程度の評価を受けているようです。
出所:DOCU
また、ISOやGDPRなどの、「厳格なグローバルセキュリティ基準を満たしているか、それを上回る」とDOCUは説明しています。
プロダクト詳細
下図はDOCUのサイン画面です。こちらでDOCUの利用方法が説明されており各画面を見ることができます。非常にシンプルな画面とステップでデザインされているようです。
出所:DOCU
DOCUは2018年IPOですが2003年創業であり創業時にDocuTouchという電子署名の特許を持つ企業を買収しています。そのため、なかなかに長い時間をかけてDOCUの機能は育てられているように思われます。非常に多くのきめ細やかな機能をDOCUは持っています。NECネッツエスアイが下図のように大まかに分かりやすく機能をまとめています。
出所:NECネッツエスアイ
こちらから全ての機能の一覧を確認することができます。FedRAMP(米国政府機関におけるクラウドセキュリティ認証制度)という業界規制に対応する機能やFAXとの連携、シングルサインオン機能などの隅々まで行き届いたサービスが見られます。
また、eHankoというプロダクトもあり、これはサインではなく日本のハンコなどのようなスタンプを利用した契約書に対応したものです。グローバルプラットフォームを志向するDOCUはこういったローカル対応も進めているようです。
他にはDocuSign Paymentsというプロダクトも持っており、下記のようなプロダクトとなっています。
DocuSign Paymentsは、お客様が署名と支払いをワンステップで行うことを可能にし、収集時間の短縮、収集率の向上、エラーとそれに伴うリスクの低減、時間の節約を実現します。DocuSign Paymentsは、Stripe、Authorize.Net、Braintree payments(PayPal製品)と提携しており、クレジットカード、デビットカード、ACH決済、Apple Pay、Android Payの利用が可能です。
引用:S-1
DOCUを使うメリット
DOCUはS-1にて下記のようにDOCUを使うメリットを説明しています。
・高いセキュリティ
・ほぼリアルタイムで同期
・グローバルで採用され監査可能である
・他社ツール等との連携
・操作性
いづれも非常に重要な点かと思います。今後さらに各社のビジネスのグローバル化が進むことが予想され「グローバルで採用され監査可能である」ことの重要性が増すことと思われます。
ツール連携も非常に重要であり、Google、NetSuite、Oracle、Salesforce、SAP、SAP SuccessFactors、Workdayなどと連携ができ、特にSalesforceに関してはSalesforce上でDOCUの機能を利用し契約書を作成する、といったこともできます。
DOCUの強み
DOCUの強みをS-1を参考に以下に説明します。
世界No.1の電子署名ソリューション
創業以来、3億ドル以上の研究開発費を使い電子署名と契約の自動化のためのグローバルプラットフォームを構築しており、数百のビジネスアプリケーションと統合し、またAPIを利用することで、各企業は既存システムにシームレスかつシンプルに導入することができます。
DOCUは、「特に複数の当事者が関わる複雑な取引を簡素化することに優れていると信じて」いるとしています。S-1時点(2018年)で約60%の取引がDOCUのAPIを利用しているようです。
ブランドの認知度と評判
「2003年の設立以来、DocuSignは世界中の何億人ものユーザーから6億5千万件以上の成功した取引を実現してきました。」とS-1でDOCUは述べておりフォレスター・リサーチ社によれば、DocuSignは「 最強のブランドと市場シェアのリーダー:会社名が動詞化している」ようです。動詞化というのはぐぐる、たぴる、といったことを指していてひとつ重要な指標かと思います。
顧客の広さ、深さ、質
S-1から引用します。
当社のプラットフォームは、企業、商業、VSBに対応しており、現在、合計35万人以上のお客様がいらっしゃいます。DocuSignの顧客には、世界のテクノロジー企業トップ10社のうち7社、世界の製薬企業トップ20社のうち18社、世界の金融サービス企業トップ15社のうち10社、米国の連邦・州・地方政府機関など、世界で最も大きく、最も成功している企業が含まれています。また、電子署名はまだまだ浸透していない市場であると考えていますが、電子署名を選択されたお客様は圧倒的にDocuSignを選択されています。
トップ企業に選ばれており、質の高いサービスを提供できている結果かと思います。
垂直方向に適用される技術(業界への適応)
不動産、金融サービス、保険、製造、ヘルスケア・ライフサイエンスなどの各業界に対応する機能を持っており、例えば、2017年8月にはFedRAMP認証を取得し、米国連邦政府機関向けにサービスを提供しています。
強固なパートナーシップネットワーク
Google、Oracle、Salesforce、SAPなど、世界有数のテクノロジープロバイダーと戦略的パートナーシップを結んでおり、また、Google、NetSuite、Oracle、Salesforce、SAP、SAP SuccessFactors、Workdayなどのアプリケーションと統合されています。また、SIerとも深い関係を築いています。
他に馴染みの深いところでいうとアクセンチュアやリコーなどともパートナーシップを結んでいるようです。アクセンチュアはグローバルでコンサルティング・BPOなどを手がけており、業務ツール・システムを広めていく上で非常に重要なパートナーかと思います。
DOCUのローカライズ
日本のような特殊市場(規制が多くハンコを使う、など)を含めた地域でシェアをとっていくにはローカル対応が非常に重要となります。
DOCUはすでに説明したようにeHankoというプロダクトにより日本のハンコ文化に対応しており、また下のように日本向けのサイトも用意しています。アクセスするとわかるのですが文章も日本語かつおそらく人の翻訳による精度の良いものです。また、コンテンツも日本向けとなっており、実用に耐えうるものです。(案外、海外製品は日本のマーケティングがおろそかになっているものが少なくありません。)
DOCUの買収戦略
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