臓器移植用医療機器 $TMDX 簡易調査まとめ
主要参考資料:TMDX
企業概要
新しい臓器の保存手法を開発することで、臓器の移植手術の改善に貢献する医療機器開発企業です。
トランスメディクス・グループは米国の医療機器開発企業。臨床試験段階にある臓器ケアシステムOCSの開発に従事。OCSは、臓器提供者(ドナー)から取り出された肺を、従来の冷凍保存ではなく、ドナーの体内と同じ環境で酸素を送りながら保管・輸送し、移植手術に備える機器。本社所在地はマサチューセッツ州アンドバー。
引用:YahooFinance
ソリューション概要
現在、ドナーにより提供された臓器の大部分は、低温保存の限界により移植に利用されていない、という問題があります。TMDXはこの問題を解決するため、肺、心臓、肝臓のOCS (臓器ケアシステム)を開発しています。
TMDXはそれぞれの臓器で、下図のような結果が出たとしています。従来の方法と比べ飛躍的にユーティリゼーションが改善されていることがわかります。
こちらは有意な結果が出たとされている臨床結果です。
競争優位性
特許やエビデンス、テクノロジー等の複数要素で競合との差別化ができているようです。
FDA諮問委員会の賛成
FDA諮問委員会がトランスメディックス社のOCS心臓システムに賛成票を投じました。いかにSeeking Alphaから結果を引用します。
パネルは、OCS ハートシステムの利点がそのリスクを上回ることを、12 対 5 で投票し、1 名が棄権しました。
OCS Heart Systemが有効であるという合理的な保証について、パネルは10対6で投票し、2名が棄権した。
パネルは9対7(うち2名は棄権)で、OCSハートシステムの安全性が合理的に保証されていると判断しました。
引用:Seeking Alpha
賛成多数とはなっているものの、いずれの投票に関しても一定の反対票があり、特に合理的安全性の保証に関しては9対7というギリギリの結果となっています。
このパネルによる推薦を受け、FDAは60-90日程度で最終判断を行うようです。
株価
現在の株価は28.61であり3/22に高値49.5をつけたところから大きく下落しています。賛成多数でFDAの承認期待が上がっているにも関わらず株価が下がっている状況です。
3月初めには、モルガン・スタンレーがPTを16ドルから38ドルに引き上げていたなどの動きがあり、すでに諮問委員会での賛成が織り込まれていたことが要因の一つでないかと思います。サポートラインも大きく下へ突き抜けた不安なチャートの形となっています。
同程度の時価総額のアメリカの医療機器企業と比べると6/38番目のPSRとなっており、比較的にバリューエーションとなっています。
売上成長予測
アナリストによる売上成長予測は非常に高く、2022に向かって加速していく予測となっています。
臓器移植市場概観
「レポートオーシャンによると、世界の移植市場の価値は、予測期間中の8.4%のCAGRで、2019年の137億米ドルから2026年までに240億9000万米ドルに達すると予想されています。」
「移植市場の主要な成長ドライバーは、移植に対する需要の増加とその高い成功率」です。需要が発生する主な要因は失血、白血病、敗血症、薬物乱用、重度の外傷です。そして、糖尿病、癌、心臓病、腎疾患などの臓器を脅かす病気の蔓延が需要増加の原因となっているようです。これらの需要に対し、移植技術の進歩によりソリューションとして移植が選択されるケースが増える、という予想のようです。
ちなみに参考とした資料では「Abbvie、Inc.、Arthrex、Inc.、Medtronic PLC、Teva Pharmaceuticals、Zimmer Biomet、Strykers、Novartis AG、Veloxis Pharmaceuticals、21st Century Medicine、BiolifeSolutions、Inc」が主要プレーヤーとされています。
参考・引用:PR TIMES
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。もし本記事がお役に立ったなどあれば、ぜひいいねやリツイートしていただけると次の記事もシェアする意欲となりとても嬉しいです。
サポートも大変ありがたいです。いつもサポートしてくれてる方、本当にありがとうございます。
ここから先は
¥ 100
サポート大変感謝しております! 書籍の購入等、記事を書く際に利用させていただきます。