$PLTR をちゃんと分析するシリーズ③:コンサル/エンジニア思考・視点に基づくQ1 2021 LIVE DEMO DAY振り返りと考察:前編-FOUNDRY
振り返り資料:Q1 2021 LIVE DEMO DAY
はじめに
今更ではあるけれど、Q1 2021 LIVE DEMO DAY振り返り、PLTRの強みを改めて整理していきたいと思います。この前編ではFOUNDRY部分を扱います。
本記事では、トウシドリのエンジニア、コンサルタントというバックグラウンドにもとづいて考察を加えています。出来るだけ柔らかいわかりやすい言葉で書いているので他業界の人でも読めて、少しはエンジニア、コンサルタントの世界、考え方も見えて面白いところもあるのではないかと思います。
多少の誤りや、地域・領域による解釈の差異などはあるかと思いますので一つの見方としてのご参考としてご利用ください。
「デモから見るFOUNDRYの強み」
モダンな技術、トレンドを押さえている
デジタルツイン、マシンラーニング、ローコード/ノーコード アプリケーション開発、自動化などの先端技術やトレンドの取り込みができています。デジタルツインはシミュレーションなどで用いる技術でありAR/VRなどとも関連する技術です。物理世界と対になるデジタル世界という概念であり、非常に拡張性が高いものかと思います。マシンラーニングは説明不要の今後の世界の必須要素として理解してもらえるかと思います。ローコード/ノーコードは技術の民主化の一環であり、かつ市場規模を拡大する重要要素です。自動化は地味ながら非常に重要な屋台骨のような技術であり、次のPLTRの言葉はその重要性を説明する一つかと思います。
私たちは、簡素化することでソリューションのスケールアップを実現するのではなく、 複雑なプロセスを自動化することにより実現しています。これによって、お客様は短期間で高い価値を引き出す ことが可能になります。
ワークフローの構築においては自動化技術の活用により数時間で可能であるという説明もデモにてなされています。
コネクテッド/統合された組織・データ
PLTRは「コネクテッド」な組織すなわち企業や部門、機関などがつながった環境を構築してサポートする、としています。
そもそもとして、データは多くの機関・企業において、異なるシステム異なるフォーマットで記録されていて、統合自体が困難です。加えて組織/人もまた多くの場合縦割りになっており、そのポテンシャルを活かしきれていません。しかし、現在は、組織の高度化、デジタル技術の高度化、そしてニーズの複雑化/高度化により、縦割りからの脱却が求められています。
PLTRのソリューションは、データを一つに統合し、そしてそれを元に組織/人がコネクテッドされた効率的な形でプロジェクトを実行することを可能とします。
PLTRはこの点について以下のように説明しています。
私たちは、「エンタープライズ」とはその企業内におけるあらゆる意思決定が集約した結果であると考えています。非常に複雑で、常に変化している環境の中で、これらの意思決定はそれぞれが独立しています。しかしこのような環境に合わせた体制作りをしている企業はほとんどなく、またこのような構造に合わせた運営をしている企業もほとんどありません。パランティアのソリューションは、このように横のつながりがない多様な意思決定の「サイロ」をつなぐ機能を提供し、予想外のでき事をチャンスに変え、チャンスをリターンすなわち利益に変えます。
補足
組織、データの統合というと、もしかしたら簡単に思う人もいるかもしれませんが、非常に困難なものです。組織やデータの統合を行う場合、それに関連する全てを合わせて変えていく必要があります。組織変更に合わせて、業務フローや評価制度、採用などを変える必要がありますし、データ統合する場合にも、システム改修や業務変更、リスクマネジメント方法の更新などなど様々な変更/更新などが必要となり、多くの時間、お金、人的リソースが必要となります。これは通常業務と並行して実行する必要があるのです。おおくの混乱を招くものでもあり、また社外も巻き込む利害関係にも絡みます。そしてこれのリターンは短期ではあまり期待できるものではないでしょう。そのため、求心力があり長期的ビジョンがある経営陣でないと実行できないものとなります。
15年間の研究開発による先行とユーザビリティ
15年間の研究開発により、市場を先行した製品を提供していると思われます。各種技術の作り込みもあると思いますが、トウシドリの目を特に引いているのはそのUIです。デモを見る限りユーザフレンドリーで直感的に操作できるUIとなっており、短期での作り込みが難しい要素が見られます。トウシドリの知る限り、高度かつ多様な機能を提供する製品は概してUIはいまいちで玄人向けに作られていることが多いです。そして、それは開発者の怠惰の結果というよりは、多機能性などはUIと両立が非常に難しいためです。PLTRはの製品はそれを15年という歳月をかけることで高いレベルでクリアしているように見えます。UI向上の手段は簡素化、自動化に加え、細かなアイコンや機能配置の工夫などであり、とくにこの3つ目が時間をかけた地道なチューニングが必要となる要素かと思います。
エンドツーエンドなソリューション
複数のソリューションを組み合わせる方式が一般的であり、比較的に珍しいソリューション形態ではないかと思います。しかしエンドツーエンドなソリューションはシームレスでユーザビリティが良かったり、他ソリューションとの接合などの調整が不要なため、導入が比較的に容易となります。PLTRは以下のようにエンドツーエンドなソリューションの強みを例で紹介しています。
例えば現在のパンデミックにおいて、わずか数日間で導入して非常に複雑な問題を解決できる卓越した能力から、パランティアのソリューションは最初の3週間で80件以上の新規契約につながりました。
ただし、このエンドツーエンド形態はクライアントがすでに使っているシステムを捨ててPLTRのシステムを導入することを要求するものであり、導入ハードルが非常に高いものとなっています。特に、クライアントが自社開発している社内システムがある場合には大きな障害となる要素です。そのため、PLTRは次に述べるようにモジュール化によりこの問題を解決しています。
モジュール化への注力
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