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効率的市場仮説と投資

はじめに

現代金融理論の最も重要な考え方ともいえる効率的市場仮説。投資家にとって、この仮説を理解することは必須と言っても過言ではありません。

そこで今回は、合理的判断人間心理という2つのキーワードを軸に、効率的市場仮説を分かりやすく解説します。

市場は常に全てを織り込んでいる

効率的市場仮説の核となる考え方は、市場価格が利用可能な全ての情報を瞬時に反映しているというものです。言い換えると、市場は常に全てを織り込んでいるということであり、そのため投資家はどんな努力をしても市場を出し抜くことはできないということです。

市場の効率化が最も強い状態では、たとえインサイダー情報を入手したとしても、その情報を知った者の行動により、市場価格はすでにそれを織り込むため、情報利得による利益を得ることはできないという考え方になります。

しかし、市場が常に効率的であるという仮定は、必ずしも現実を反映しているとは限りません。

合理的な判断と「人間」:心理と行動経済学

効率的市場仮説は、投資家が合理的に行動することを前提としています。しかし、現実の人間は必ずしも合理的ではなく、感情や心理に左右されることが多々あります。

行動経済学では、こうした人間の心理的偏りを分析し、市場における非合理な行動を明らかにします。代表的な例としては、以下のようなものがあります。

  • 過剰な自信:自分の判断を過信し、リスクを過小評価する

  • アンカリング:最初に得た情報に引きずられ、客観的な判断を曇らせる

  • 損失回避:利益よりも損失をより大きく感じる

これらの心理的バイアスは投資判断を誤らせ、効率的市場仮説が示唆するような効率的な市場とは異なる結果を生み出す可能性があります。

まとめ

効率的市場仮説は、一般的な市場の在り方としては非常にわかりやすく、また合理的な仮説です。しかし、この仮設が完全ではないことを理解することも同様に重要と思います。

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