なぜ、ドルコスト平均法で幅広く市場をカバーするインデックスを積み立て購入する投資が最強と言われるのか?
はじめに
投資の世界において、ランダムウォーク理論と効率的市場仮説は、密接に関係する2つの重要な概念です。
ランダムウォーク理論は、株価の動きは予測不可能であり、短期的な値動きに一喜一憂しても意味がないことを示しています。これは、投資家にとって厳しい現実を突きつけると同時に、重要な示唆も与えます。
効率的市場仮説は、市場価格は利用可能な全ての情報を反映しているという仮説であり、これは投資家は市場を出し抜くことはできないことを意味しています。つまり、個別銘柄を分析したり、市場のタイミングを計ったりしても、長期的なリターンにおいて優位に立つことはできないということです。
一見すると、ランダムウォーク理論と効率的市場仮説は矛盾しているように思えます。しかし、2つの概念は深く関連しており、ランダムウォーク理論は効率的市場仮説の根拠となりえます。ランダムウォーク理論が示すように株価の動きが予測不可能であるということは、市場が常に新しい情報を織り込み、常に変化しているということを意味しえます。
インデックス投資とドルコスト平均法:ランダムウォークと効率的市場仮説を踏まえた賢い『長期』投資戦略
ランダムウォーク理論と効率的市場仮説を踏まえた上で、投資家にとって有効な戦略となるのが、インデックス投資とドルコスト平均法の組み合わせです。
インデックス投資は、特定の市場全体(例:日経平均株価、SP500など)の動きに連動する投資信託やETFを購入する投資方法です。インデックス投資には、以下のような利点があります。
個別銘柄の価格変動リスクを低減できる: 市場全体の動きに連動するため、個別銘柄の不振による影響を受けにくい。
個別銘柄を研究する必要がない: インデックスの値動きは個別銘柄の影響を受けにくいので、インデックスに投資する場合は銘柄研究をする必要がない(これは銘柄研究が好きな人にはデメリットにもなりうるが・・・)。
投資コストを抑えられる: インデックスファンドは運用コストが低い。
ドルコスト平均法は、一定額ずつ定期的に投資信託を購入していく方法です。ドルコスト平均法には、以下のような利点があります。
購入単価を平準化できる: 市場タイミングを計らずに一定額ずつ投資していくため、割高な時に買いすぎるリスクを軽減でき割安の時にも一定は購入できる。
心理的な負担を軽減できる: 予め買い方を決めているので、購入の際に感情的になりにくい。
さらに付け加えると、投資資金は複利で増えていくから、投資にとって時間は味方です。その恩恵に預かるためには、できるだけ長く相場に資金を入れる必要があります。したがって長期間続けることができる投資手法を採用することはとても重要です。
まとめ:ランダムウォーク、効率的市場仮説を理解した資産形成
ランダムウォーク、敗者のゲーム、そして効率的市場仮説といった理論を理解した上で、インデックス投資とドルコスト平均法を組み合わせた手法がいかに長期投資に適しているか説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。
この手法は裁量の余地がほとんどなく、また銘柄研究をしても意味がないので面白味は無いかもしれません。最終的には、楽しむために投資をしているのか、リスクを最小限にして資金を増やしたいから投資をしているのか、この二つのバランスで投資手法を考えるのが良いと思います。