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私が至った株式ポートフォリオ戦略を紹介:効率的市場仮説とアダプティブ・マーケット仮説の狭間で

はじめに

効率的市場仮説とアダプティブ・マーケット仮説は、金融市場の動向を理解するための異なる二つの仮説であることは、このあたりのエントリ見てもらえば分かると思います。

アダプティブ・マーケット仮説の方が新しいことから、あたかもアダプティブ・マーケット仮説は効率的市場仮説を包含し発展させた仮説のようにも見えますが、私は本質的には二つは異なる仮説と認識しています。

効率的市場仮説とは

効率的市場仮説では、市場価格が全ての利用可能な情報を瞬時に反映し、割安な資産や割高な資産が存在しないという考え方を取ります。この立場に基づけば、過去のデータ分析やファンダメンタル分析などを以て、市場を「打ち負かす」ような投資戦略は存在しないとなります。

これは、市場全体への投資(インデックスファンド)が有効な手段であるという考え方に至ります。 しかし、市場アノマリーやバブル、クラッシュといった現象は、効率的市場仮説だけでは説明できません。

アダプティブ・マーケット仮説

アダプティブ・マーケット仮説は、市場を複雑で動的なシステムとして捉え、市場参加者が環境に適応し進化することで、市場もまた変化し続けるという考え方です。

これは、市場の非効率性や人間の行動の複雑さを考慮し、市場のダイナミズムを説明してくれます。しかし、市場に影響を及ぼしうることの複雑さを考慮すると、たとえこの仮説を知っていても、どのような状況で売買すると良いかは、簡単には分析できません

どちらの視点が有効か?

どちらの視点も、金融市場を理解する上で重要な要素を含んでいると思います。だからこそ自分の投資方針に生かすのに苦慮します。

二つの投資戦略

  • 効率的市場仮説に基づく投資戦略 市場全体に投資し、アクティブな運用よりもパッシブな運用に重点を置くアプローチを取る。

  • アダプティブ・マーケットに基づく投資戦略: 常に市場環境の変化に注意を払い、柔軟な投資アプローチを構築する。過去の成功パタンに固執せず、新しい情報やトレンドを積極的に取り入れる。

この二つの投資戦略を私はどう取り入れたか

  • 短期的な投資: 短期的な市場変動を予測することは困難であり、効率的市場仮説に基づくインデックスファンド投資が有効である場合が多い(私自身の裁量で判断するより)。つまり、基本は効率的市場仮説に基づく考え方。

  • 長期的な投資: 長期的な視点で市場に広く投資するインデックスファンド投資はやはり有効。一方でインデックスファンドもカバーする範囲が商品によって異なるため、市場環境の変化に対応するため、定期的な見直しが必要と考えられる。つまり、基本は効率的市場仮説に基づくスタンスだが、数年に一度くらいは組み換えを考慮する点でアダプティブ・マーケット仮説に基づくアプローチも取り入れる。

  • ニッチな市場への投資: 特定のセクターや銘柄に特化した投資は、アダプティブ・マーケット仮説に基づいて、市場の非効率性を狙う。つまり、この場合はアダプティブ・マーケット仮説に基づくアプローチの一辺倒。

上記の三つのバスケットを作り、それぞれ投資資金の何割をどのバスケットに割くかを決め、ポートフォリオを組んでいます。

まとめ
今回は、効率的市場仮説とアダプティブ・マーケット仮説を、自分の投資にどう生かしているかを書いてみましたが、この方法を勧めているわけではありません。事実、自分でもこれが正しいとの自信はないです。

各個人の投資目標によっては、そもそもこのようなポートフォリオを組むことが目標達成を阻害することになるかもしれません。投資する際には、投資期間、投資目標をまずは考慮し、自分のリスク許容度を踏まえ、ポートフォリオを構築するのが有用と思います。

で、以下で紹介したツールも、ポートフォリオを組む際は(私には)必須ですね。

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