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損切の振り返りと、損切後に買った銘柄、買ったその銘柄に対して今後留意すべきこと
はじめに
先週は大金の損切りをした。どれくらい大金かというと、会社員としての年収の二年分に近い。これまで約20年投資をやってきて、恐らく最大規模の損切りである。正直言って発狂しそうである。このような大きな損切りをやった後だからこそ、今回の投資を振り返ってみようと思う。
何が起きていたか時系列に
まず、今回、損が膨らんだ要因について考えてみたい。今回損切した銘柄は、SRPTである。6月21日に開発中の遺伝子治療薬がFDAより正式承認され、その日の前場で36%の上昇。それを機にまとまった買いを入れた。この遺伝子治療薬の対象となりうる患者数が、以前想定していたよりもだいぶ多いからである。そういう承認であった。そしてそれは、売り上げの伸びもこれまでの市場コンセンサスよりも上振れする可能性を示唆していた。
次の日からは下落が続き、それ以降一貫して11月まで下げ続けた。途中に8月7日に四半期決算があり、市場想定通りの売り上げは出していたことが判明するも、株価は下げ続けた。その後も11月6日に再度四半期決算があり、この時はこの遺伝子治療製品の売り上げは僅かながら市場予想を上回った。しかし株価は下げ続けた。
想定との乖離
私は、新たに承認された遺伝子治療薬の売り上げが想定通り(またはそれ以上)の売り上げを達成できれば株価は暴騰すると思っていた。一方で市場は何を気にしていたのか?おそらくであるが、この期間にあった一大イベント、そう、米国大統領選挙と議会選挙、を市場は気にしていたのだと思う。伝統的に共和党政権は製薬業界には逆風といわれている。それを市場は気にしていたのかもしれない。
損切した理由
私の視野が狭かったのか、それとも正解だったのかはわからない。このまま持ち続ければ数年でその遺伝子治療薬の売り上げが想定通りに伸びて、株価もV字回復したかもしれない。しかしこの数か月という短期間での激しい下落は放置してよいものでない。
今後
SRPTを売ったお金で買ったのはパランティア(PLTR)である。この会社は、データを活用して顧客の組織の効率性を高めるための分析ソフトウェアを提供する会社で、Foundry プラットフォームと Gotham プラットフォームを通じて、それぞれ商業顧客と政府顧客にサービスを提供している。ピーターティールが作った会社である。時流に乗った会社ということになるだろう。米国株はトレンドというかテーマになれば、しばらくは上昇が期待できる。パランティアは急成長していて、PERが高い点は懸念である。成長が鈍化してしまうとこのPERは正当化できない。その見極めはそんなに難しくはないので、まずくなった場合の撤退判断は下しやすい銘柄だと思う。むしろ私が依然持っていたTSLAやNVDAのように、早めに手放してしまわないように気を付けなければいけないかもしれない。