来週の相場はご用心!日本相場が調整する|2024年3月22日時点
こんにちは、IT系投資家のsadayaです。先週の分析でお伝えしたとおり不動産セクターが強いパフォーマンスでしたので、当ブログをご参考にされている方はおそらく満足できる結果を残せたのではないでしょうか。来週もこれを持ち続けるべきかどうか気になる方は最後までお付き合いください。
さて、今週も主要なETF(上場投資信託)の動向を見てみましょう。2024年3月22日時点の価格データを基に、先週からの数字の変化を客観的に見ていきます。
楽観的な締めくくりとなっている週末に見えましたが、主観的なニュースはノイズです。すべてを忘れて比較分析チャートを使って、客観的に見ていきましょう。小さな変化、違和感を見つけることが相場で生き残るコツです。
1.米国・日本の市況はともに回復
(NK225 vs. SP500 vs. C_SSE50)
まずは、世界の主要な株価指数をトラックするETFの中でも注目の3つを比較してみましょう。
NK225(日経225): 今週 +2.94%、今月 +4.35%
SP500(S&P500): 今週 +3.8%、今月 +3.78%
C_SSE50(CMBI上証50): 今週 +0.08%、今月 -1.14%
先週の米国市況と引っ張られたように日本市場も大きく反発し、調整の空気が一新されました。一方中国市場の弱さは継続です。また注目は上昇タイミングです。20日は祝日であるため、そこは無視して見てほしいのですが、違和感を感じませんか?私の見解は後ほどまとめて述べます。
2.日経平均⇛TOPIXのローテーション継続
(NK225 vs. TOPIX vs. T_Growth)
次に、日本国内の主要な指数をトラックするETFを比較してみましょう。
NK225(日経225): 今週 +2.94%、今月 +4.35%
TOPIX(東証株価指数): 今週 +3.44%、今月 +5.25%
T_Growth(成長セクター): 今週 +2.14%、今月 -1.49%
今週はすべての指数が上昇しました。今週もTOPIXが強く、流れとしては先週から継続。特に週の終わり方に差が出てますね。グロースからバリューへの資金シフトが続く展開です。
3.自動車・不動産セクター絶好調
(各セクターETFの比較)
最後に、様々なセクターETFの動向を比較してみましょう。
T_食品(Food): 今週 +1.26%、今月 +0.82%
T_エネ資源(Energy Resources): 今週 +3.33%、今月 +13.17%
T_建設資源(Construction Resources): 今週 +3.12%、今月 +7.19%
T_素材科学(Material Science): 今週 +2.49%、今月 +4.97%
T_医薬品(Pharmaceuticals): 今週 +0.04%、今月 +0.25%
T_自動車(Automobile): 今週 +6.94%、今月 +7.23%(1
T_鉄非鉄(Iron and Non-Ferrous Metals): 今週 +3.93%、今月 +7.38%
T_機械(Machinery): 今週 +3.57%、今月 +6.6%
T_電機精密(Electrical Machinery and Precision): 今週 +3.13%、今月 +3.85%
T_情報通信(Information and Communication): 今週 +2.48%、今月 +3.08%
T_電力ガス(Electricity and Gas): 今週 +3.04%、今月 +10.96%
T_運輸物流(Transportation and Logistics): 今週 +0.88%、今月 -0.31%
T_商社卸売(Trading Companies and Wholesale): 今週 +4.41%、今月 +4.97%(4
T_小売(Retail): 今週 +1.93%、今月 +4.93%
T_銀行(Banks): 今週 +4.82%、今月 +9.72%(3
T_金融(Financials): 今週 +4%、今月 +9.61%
T_不動産(Real Estate): 今週 +6.59%、今月 +14.26%(2
注目ポイント
1)強い自動車セクターが戻ってきました。圧倒的なパフォーマンス。為替に反応した流れに見えます。
2)不動産は予定通りの上昇。金曜日の上昇も低くないため、次週も継続できると考えられます。
3)銀行セクターの赤い折れ線がひときわ目立ちますが、22日(金)に急激な上昇を見せました。
4)一時期、弱かった商社株が今週は力強く上昇しました。
来週の相場まとめ
今週とは打って変わって来週は難しい相場になりそうだと思っています。今週の相場から見えてきたポイントは3つ。では相場の反応について分析していきましょう。
Point1|日経平均・SP500が上昇
今週は日米ともに上昇して取引を終えました。ポイントは上昇したタイミングです。ニュースを信じていると見えてこないのですが、話題の「ゼロ金利解除」は19日の12時に発表されています。つまり19日の発表にサプライズはなかったので相場はこの話題に関しては完全にスルーでした。反応したのは20日の深夜に発表されたFOMCの3回利下げ維持のニュースでしょう。
Point2|裏切られた円高期待
相場は円高期待で動いていました。その証拠に為替に反応しやすい自動車セクターの動きが投資家の心理が透けてみます。金融政策決定会合は無視されましたが、FOMCの結果を受けて21・22日に急激な上昇を見せているわけです。それほど相場はFRBの利下げに対して、疑問に感じていたということですね。
Point3|想定外の貴金属高
これはPoint2の話題から派生したことになりますが、結果的に相場はFRBがインフレ撃退に失敗することを想定しはじめた可能性が考えられます。商社株はコモディティ価格の上昇局面に強いセクターです。貴金属のチャートを気になる方は見てほしいのですが、金・銀・銅の価格が上昇しています。この状態で利下げするのですから、継続的に上昇するということです。
Point4|日銀の利上げ期待は継続
先程は「ゼロ金利解除は無視された」と述べましたが、とは言え、日銀の利上げ期待は継続していることが見て取れます。この理屈は毎回、ブログ記事を見てくれている皆さんには分かるかと思いますが、銀行セクターの値動きです。銀行セクターのポイントは22日(金)の上昇です。1日で2.22%も上昇して終えています。
来週は3月27日(水)に注意!
買うなら3月28日(木)の終値で決める
今週末は配当の権利落ち日を控えているため、難しい相場になることは明らかです。配当金を貰うためには「権利付最終売買日」と呼ばれる日に、その銘柄を保有していることが条件となりますが、今年は3月27日(水)がその日です。つまり「3月27日(水)」の一日だけ株を保有していれば、配当金を頂くことができます。なので翌日に売却しても関係ないわけです。そのため翌日のことを「権利落ち日」と呼びます。要するに「権利落ち日」は下落しやすいのです。
正直どのくらい下落するかは分かりません。ただギャンブル投資は厳禁。これは私のポリシーです。「分からないとき、分からないものは買わない」これが投資の鉄則です。
おそらく商社と銀行セクターが狙い目だと想像していますが、それも28日(木)が終わらないと分からない、というのが結論です。もちろん、どうするかは皆さんの戦略なのですが、私なら短期投資のポジションは26日(火)で閉じちゃいます。なので不動産株も閉じましょう。短期なら。今、マイナスポジションを抱えていて、不安な方はご連絡ください。
最後に、投資に関する意思決定はご自身の責任で行ってください。この記事は情報提供のみを目的とし、具体的な投資の助言を行っているものではありません。市場環境や投資先のリサーチには細心の注意が必要です。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。投資に関する決定を下す際には、専門家の助言を受けたり、慎重に検討したりすることをお勧めします。投資はリスクを伴うものであり、十分な検討と計画が必要です。