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IPOとM&Aの違いは?メリット・デメリットをそれぞれ解説
みなさんごきげんよう🌸
お金と政治が大好きなインターン生の塚田です🎵
最近ニュースを見ていると、セブン買収や富士ソフト買収などで度々M&Aが話題となっていますよね。
私も就活などを通してM&Aについて勉強しているのですが、たま~に同じ文脈でIPOが登場することもあります。
IPO(新規上場)とM&A(合併・買収)…(。´・ω・)?
言ってる言葉の意味はわかるけど、なんでこれらが一緒に語られるんだ?
関連性が低いように思えるIPOとM&Aですが、実は両者ともオーナー経営者の投資回収=イグジットの手段として活用されているという共通点があるんです。
ただ、なんでIPOやM&Aでオーナー経営者が利益を得られるか、ぱっと聞いただけではイメージが付きませんよね。
そこで今回は、そもそもイグジットとはなんなのか、また、IPOやM&Aがそれぞれどんなメリットとデメリットを有しているかについて解説していきます。
IPOやM&Aという言葉自体に馴染みがないという方にも分かりやすく説明していくので、ぜひ最後までご覧ください✨
イグジットとは?
さて、先ほどIPOとM&Aが両者ともイグジットの場面で用いられると述べましたが、そもそもイグジットとはどういうものなのでしょうか?
ずばりイグジットとは、ビジネスの創業者や投資家が保有する株式を売却して投資資金を回収し、利益を得る行為を指します。
自分が育てたビジネスがまるまる太ったところで、運営権を一部(もしくは全部)売り出し、お金を得るというイメージですね。
創業者や投資家が株式を売却しビジネスから撤退するため、イグジット(=出る)という言葉が使われています。
IPOとは?
イグジットの意味が分かったところで、IPOがどのようなものなのか見ていきましょう。
IPOとは、新規株式公開を指す言葉です。
これまで上場していなかった企業が株式を一般投資家に公開し、東証などの証券取引所を介した株式取引が可能になることを意味します(要するに上場)。
企業の上場に伴い、創業者や投資家は自身の持つ株式を売り出すことでビジネスを現金化することができるため、イグジットの手段として用いられることがあります。
M&Aとは?
次にM&Aとは何かについて見ていきましょう。
M&AとはMergers(合併)& Acquisitions(買収)の略で、金銭のやり取りを伴って、企業の全部もしくは一部ビジネスが他社へ移転することを指します。
IPOが一般投資家に対して株式を売り出すのに対し、M&Aでは買い手となる企業のみに株式を売り出し、経営権を譲渡するという形になります。
M&Aでも、自身の株式を他社へ売却することでビジネスを現金化できるため、イグジットの手段として用いられることがあります。
両者の違い【メリット・デメリット】
どちらも自身の株式を売り出して現金化できるという共通点があることが分かりましたが、IPOとM&Aにもそれぞれ異なった特徴があります。
イグジットの手段としてだけでなく、一般的な企業戦略という視点も含めて、両者のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
IPOのメリット
IPOのメリットには以下のような点が挙げられます。
多額の資金調達が行える
企業の知名度向上につながる
経営権を維持できる
IPOでは一般投資家から資金を調達できるため、一度に大量の資金を集めることが出来ます。
銀行からの借り入れや社債と異なり、IPOで調達した資金に返済義務はありません。
事業拡大へ向けて、ある程度自由に使えるお金をまとめて獲得できるという点は大きなメリットだと言えるでしょう。
また、企業の知名度向上につながる点もメリットの一つです。
上場はハードルが高いこともあり、「一流企業」という認識を与えられるほか、ニュースでも大々的に報道されることになるため、企業の知名度を飛躍的に上昇させることが可能です。
最後に、経営権を維持できるという点が挙げられます。
イグジットの手段として、IPOに際して自身の株式を売り出すという話がありましたが、これは何もすべて売るという話ではありません。
IPOでは、今後の経営を見据えて、自身の株式を一部残しておくことが可能で、ある程度保有株式を現金化した後も、経営に大きく携わることが出来ます。
完全にビジネスから抜けるのではなく、一部を現金化した上で、自らの手でさらなる企業成長を目指すという選択肢が残る点はメリットといえますね。
IPOのデメリット
IPOのデメリットには以下のような点が挙げられます。
上場に多額の費用と時間がかかる
経営母体が大きくなる
上場はどの企業でもできるものではなく、財務基準などの厳しいハードルが存在します。
これらのハードルを満たすために会社内でのタスクが増えることに加えて、監査法人に基準を満たしていることを証明してもらわなければならないため、上場には長い年月と多額の費用が必要となります。
上場してビジネスを現金化するまでのハードルが高いことは明確なデメリットだと言えるでしょう。
また、経営母体が大きくなることもデメリットです。
上場前であれば、経営者の一存でビジネスの方針を決定できていたのに対し、上場後は株主の意向も運営方針に反映させなければなりません。
また、株主に対して四半期毎の業績報告といった説明責任も果たさなければならず、これにも多額の費用がかかります。
出資を募る分、運営も株主に左右されるという点はデメリットだと言えるでしょう。
M&Aのメリット
M&Aのメリットには以下のような点が挙げられます。
短期間で事業の売却ができる
買い手とのシナジーが期待できる
M&Aは何よりも時間がかからないことがメリットだと言えるでしょう。
IPOでは通常3年程度の時間を要するのに対し、M&Aでは半年から1年間が一般的。
ビジネスをより早く現金化したい人にとってはM&Aの方が魅力的に映るかもしれません。
また、M&AではIPOのように満たさなければならない条件というものがなく、事業価値をどのような値で評価するかが争点になります。
したがって、思ったより低い金額になることはあれど、「売りたいのに売れない」という状況にならない点も魅力だと言えるでしょう。
さらに、買い手とのシナジーが期待できる点もメリットです。
IPOでは、良くも悪くも自社独自の成長を目指し、資金調達をはかりますが、M&Aでは他社に吸収されることにより、自社のみでは実現不可能だった成長を遂げることが可能です。
特に、経営基盤や財務に不安定性がある場合や、事業継承者が見つからない状況からでも、さらなる成長を目指せる点はメリットだと言えそうです。
M&Aのデメリット
M&Aのデメリットには以下のような点が挙げられます。
経営権の維持が難しい
取引先や従業員にも影響が及ぶ
IPOでは、株式を手元に残しておくことにより経営権の維持が可能でしたが、M&Aではほとんどの場合で経営権の喪失が伴います。
M&Aでは買い手企業にほとんどの経営権が移転する事が一般的です。
厳密には、創業者が経営権を維持する方法もありますが、その場合売却額が大幅に低くなるといったデメリットなどが生じます。
多くの場合で事業の経営権を手放し、経営方針や戦略などが買い手企業に委ねられるほか、将来的に獲得できたかもしれない利益を逃すことになるという点はデメリットだと言えるでしょう。
また、M&Aは創業者だけでなく、取引先や従業員にも多大な影響を及ぼします。
M&A後は円滑な統合を目指して組織再編が行われることがほとんどで、その過程で人事が大きく変わってくる可能性が高いです。
さらに、社名に変更が加わったり、担当者が変わることなどで取引先との信頼を損なうというリスクも。
事業の再編に伴い、もともとあった組織の姿が大きく変えられてしまう可能性があるという点は無視できないデメリットでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか🌸
IPOとM&Aはどちらもイグジットの手段として用いられます。
しかし、両者は株式売却の方法だけでなく、「その後」にも大きな差があるのです。
IPOでは株式を売り出した後もオーガニックな成長を目指せるのに対し、M&Aでは良くも悪くも買い手企業に大きく依存する形となります。
一方で、M&AにはIPOにはないお手軽さがメリットとして存在し、一概にどちらが良いと言えるわけではありません。
ニュースでIPOやM&Aなどを見た際は、なぜその方法を選択したのかについて着目すると、より深い洞察が得られるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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本記事の執筆はインターン生の塚田が務めました(^▽^)/
それではみなさん、また別の記事でお会いしましょう🎵
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