会計・法律系からIT資格まで幅広く対応!資格試験予備校「TAC(4319)」の将来性はどうなの?【いろはに企業分析】
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さて、6回目となる今回の個別株紹介では、資格の予備校として大学生を中心に人気を集めているTAC(4319)について分析していきます!
過去の記事でも様々な個別株を紹介しているので、気になった方は、ぜひチェックしてみてください✨
さて、それでは早速TACに投資するのがアリなのか見ていきましょう。
これまでの業績や株価の推移、僕自身の投資経験から将来性を分析していきます🔍
TAC(4319)ってどんな会社?
「そもそもTACってどんな会社?」となる人もいると思うので、会社の説明から入ります。
ズバリ、TACは自称している通り資格の学校だと言えるでしょう。
大学生などを中心に、資格取得の勉強をサポートする予備校ビジネスを展開しています。
こちらがTACのホームページの画像。
一目で見ても分かる通り、TACは講座数がひじょーーーーーに多いことで有名です。
資格予備校といえば「資格の大原」や「LEC」といった競合も挙げられますが、以下の講座は競合にも劣らずTAC内で人気のものとなっています。
公認会計士
国家公務員総合職
不動産鑑定士
実はこの記事を書いている僕自身も、TACの国家公務員総合職講座を受講しています!(合格はしていませんが….)
また、資格講座以外にも、TACは法人研修や出版業なども手掛けており、教育業界での地名度はまずまずといった具合です。
TACの創業は1980年で、日本企業の中では比較的長い歴史を持ちます。
2001年にはJASDAQ市場に上場し、現在は東証スタンダード市場で証券コード4319として登録されています。
業績
企業の概要が分かったところで、過去の業績を見ていきましょう。
売上高と営業利益等の推移は以下の通り。
過去5年間で売上・利益共に右肩下がりで推移しています。
特に、2024年3月期には営業利益がマイナスへと転じて赤字化しており、苦しい状況に立たされました。
赤字の要因はやはり予備校ビジネスの不振。
法人研修や出版業では10億円前後の利益が出ているのに対し、予備校ビジネスを含む個人教育事業ではしばらく赤字が続いています。
現在は予備校ビジネスの黒字化を目指して、オンライン学習環境の強化や社会人向け講座の強化などを成長戦略として掲げていますが、先行きに不安感は残ります。
株価推移
続いて株価推移も見ていきましょう。
全体的には右肩下がりに株価が推移している印象。
教育業界ではコロナショックが追い風となる場面もあり、2021年には株価が上昇していますが、その後は業績通り株価が下落し、現在では上場以来最低水準をマークしています。
5年間で約9%の株価下落に収まっているため、比較的ボラティリティが低く、安定性が一定程度ある点は評価できますが、下降トレンドを持っている点は明確な不安材料となってくるでしょう。
ここまでのまとめ
TACの直近の業績と株価推移を振り返ってきましたが、ここで一旦ポイントをまとめてみます。
主力だった予備校ビジネスはしばらく赤字が続いている
ターゲットとしていた市場規模は縮小中
株価はボラティリティが低いものの明らかな下降傾向
個人的に注目したい点
これまでのポイントを見ると、TACはあまり魅力的ではない投資対象に思えてきます。
しかしながら、業績と決算だけを見て投資判断をするのも早計と言えるでしょう。
以下では、前述した要素に加えて、個人的に重要だと思ったポイントを3点ピックアップして紹介します。
株主優待
TACは、株価が171円(8/19時点)とかなり安く、初期投資の費用を低く抑えられる銘柄です。
そんな銘柄に対して期待したいのが株主優待。
例えば、同じく小型株として有名なRIZAP(2928)は、株価が270円前後でありながら、100株以上の保有でchocoZAPが半年間半額になるなど、魅力的な優待を設定することで人気を得ています。
では、TACの株主優待はどのようなものでしょうか。
以下で見ていきましょう。
なんと、優待内容は資格講座の10%割引券。
TACの講座は50万円を超える高額なものも多く、受講予定者にとって10%割引はかなりありがたいでしょう。
例えば、人気の公認会計士講座は75万円しますから、たった100株(17,100円)の投資で75,000円分の割引を受けられるのは破格と言えます。
将来TACでの受講を予定している人は、今のうちにTACの株を買っておいても損はないと言えるでしょう。(僕も講座を申し込む前に買っておけばよかったと後悔しています…..)
ただし、株を実際に購入してから割引券が届くまでにはタイムラグがあるので、注意は必要です!
配当金
株への投資には、株価の上昇から売買益を狙うキャピタルゲインと、配当により利益を狙うインカムゲインがあります。
キャピタルゲインの目線で言えば、TACは投資しづらい銘柄となりますが、インカムゲインの目線ではどうでしょうか。
2024年3月期におけるTACの配当金は一株あたり年間6円。
当時の株価が200円前後だったことを考えると、配当利回りは3.0%と悪くない水準にあります。
2025年3月期の予想では、配当金が上期下期で1円ずつ下がり、年間4円。
8/19現在の株価(171円)を基準に考えると、配当利回りは2.3%程度となります。
日経平均の配当利回りが約1.99%であることを踏まえると、全体的に悪くはない額だと言えるのではないでしょうか。
株価が今後も下落すると予想するなら、配当利回りは今以上に上がることとなります。
株価が下がったタイミングで、インカムゲイン狙いで購入するのは一つの方法としてアリかもしれません。
PBR0.52倍
PBRとは、株価を1株あたり純資産で割った値。
ざっくり、企業の純資産に対して株価が割高か割安か判断する材料になります。
PBRは1.0倍になるのが財務上健全であるとされていますが、TACの現在のPBRは0.52倍。
これは、時価総額が純資産の1/2程度になっているということを指します。
つまりは、上場を維持するよりも、会社を解散して資産を株主に分配したほうが良い状態というわけです。
PBRが1倍を割っていることは財務上望ましくありませんが、見方によっては割安だとも取ることができます。
また、現在東証はPBRを1倍に是正するよう企業に要請しています。
財務健全化に向けて、TACは今後
PBRを上げる=
1.株主への利益還元をより活発に行い純資産を減らす
2.株価を引き上げる
施策を取る可能性が考えられます。
これらの可能性を見越して、今の内に株を買っておくという方向性も、十分検討に値するでしょう。
将来性はあるといえるか?
以上の点を踏まえたうえで、TACの将来性について検討していきましょう。
結論から言うと、現状のビジネスモデル・業績のままだと将来は不安に思えます。
理由は大きく以下の2点。
業績不振
市場規模縮小
それぞれ見ていきましょう。
業績不振
前の方でも見た通り、TACの業績は24年3月期に赤字となっており、先行きに不安感が出てきました。
IT化の波に乗る形で、社会人向けの講座の強化などは行なっていますが、こちらは既に先駆者も多く、TACが付け入る隙がどの程度あるのかは未知数。
また、通信講座の強化も行っており、こちらは業務効率の改善にも繋がると考えられますが、その分従来型に比べて客単価が減ることも視野に入れなければなりません。
総じて、主力となる予備校ビジネスの収益性は低下しており、出版業や法人研修でも明確な強みを示せていない点は不安要素です。
市場規模縮小
業績不振の原因ともなっている市場規模の縮小ですが、これはTACがコントロールできるものではありません。
TACのメインターゲットは公認会計士の受験者や国家公務員総合職試験の受験者。
しかしながら、両者共に受験者数は年々減っており、予備校自体へのニーズも徐々に減少していると言えます。
ターゲットとなる市場自体が縮小している以上、新規事業への取り組みや業務効率化によるコスト削減も必要となってくるでしょう。
もっとTACを知りたいあなたへ
ここまで、TACについてインターン生の目線から分析をしてきました。
僕の目線では将来は不安に思えましたが、プロによる分析を見たい方もいるのではないでしょうか?
僕がインターンとして所属するインベストメントブリッジでは、「ブリッジレポート」というものを出しています👀
ブリッジレポートでは、TACの業績動向や今後のビジョンについて、プロのアナリストが分析を行っています!
アナリスト目線での今後の注目点も書かれているので、もっと詳しくTACについて知りたい方は、ぜひご覧くださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか🎵
「資格の学校」として幅広い講座を展開しているTAC。
しかしながら、その業績はあまり芳しくありません。
株主優待や配当が目的であれば十分に魅力的な投資対象と言えそうですが、そうでない人にとってはビジネスモデルの再構築や業績回復についてもう少し調べた方が良さそうです。
TACへの投資を考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしていただければと思います✨
しかしながら、どんな投資にもリスクは必ず存在します。
ご自身でもしっかりとリサーチを重ねたうえで、自己判断で投資をするよう心掛けましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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本記事の執筆はインターン生の塚田が務めました(^▽^)/
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