東証プライム・スタンダード・グロースの違いとは?どれが上とかあるの?
みなさんごきげんよう🌸
お金と政治が大好きなインターン生の塚田です🎵
最近、日経平均が勢いを取り戻しつつあるというニュースを聞き、日本株や国内投資信託を漁っていたのですが、そこでふと思ったことがあります。
「プライム・スタンダード・グロースの違いってなんだったっけ…」
もちろん、それぞれなんとなくのイメージは持っていたのですが、具体的にどういう基準で区分が分かれているのか調べたことはなかったなと💦
この記事を読んでいる方の中でも、市場ごとにどのような条件、特徴があるのかイメージが曖昧な方も多いのではないでしょうか?
ということで今回は、東証プライム・スタンダード・グロース市場の違いや特徴についてまとめてみました🔍
「そもそも市場区分って何」という方に向けても分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください✨
上場条件
企業が東京証券取引所に上場するとき、一定の基準に基づいて上場する市場が決められます。
ズバリ、プライム・スタンダード・グロースの違いはその基準にあると言えるでしょう。
ざっくり言えば、プライム>スタンダード>グロースの順番で条件が厳しいという結論になりますが、それぞれ市場ごとにかなり細かな条件が設定されています。
また、上場済の企業であっても、条件さえ満たせば市場の変更が可能。
中には市場変更を追い風に株価を上げる企業もあるので、どの市場に属するかというのは投資をする上でも大事な要素となってきます。
以下で、それぞれの市場にどのような上場条件があるのか見ていきましょう。
東証プライム市場の上場条件
以下は東証プライム市場の上場条件です。
かなり細かに設定されていますが、主に注目すべきところは以下の4点。
流通株式時価総額100億円以上
流通株式比率35%以上
最近2年間の利益合計が25億円以上or最近1年の売上高が100億円以上かつ時価総額1,000億円以上になる見込みがある
純資産額50億円以上
東証市場のトップだけあり、かなり高めのハードルが設定されています。
IPO(新規上場)の時点でプライム市場へ上場するのはかなり稀で、直近の例では東京メトロやZoffの運営を行うインターメスティックなどが挙げられます。
このように規模の大きな企業でなければプライム市場に上場できないと考えると、上場基準が非常に厳しいことがわかりますね。
東証スタンダード市場の上場条件
以下は東証スタンダード市場の上場条件です。
ここでもプライム市場で注目した4点を見ていきましょう。
流通株式時価総額10億円以上
流通株式比率25%以上
最近1年間の利益が1億円以上
純資産額が正であること
プライム市場に比べるとかなりボーダーは下がっている印象。
特に、時価総額、収益基盤共にプライムの1/10程度がハードルとなっているので、IPO時点でスタンダード市場へ上場する企業も珍しくありません。
東証グロース市場の上場条件
以下は東証グロース市場の上場条件です。
最後にグロース市場の4点も見ていきましょう。
流通株式時価総額5億円以上
流通株式比率25%以上
収益へ対する言及なし
純資産額へ対する言及なし
スタンダードとプライムほどの差はないものの、いくつかの障壁が取り払われています。
特に、直近の業績や純資産額への言及がないのがポイント。
近年ではほとんどの企業がまずはグロース市場へ上場を決め、成長した後に市場を変更するという形をとります。
特徴
上場条件の違いがわかったところで、それぞれの市場の特徴について定性的にまとめてみましょう。
東証プライム市場の特徴
東証プライム市場では、以下の3点をコンセプトとしています。
多くの機関投資家の投資対象となるのにふさわしい時価総額(流動性)
より⾼いガバナンス⽔準の具備と投資家との建設的な対話の実践
持続的な成⻑と中⻑期的な企業価値の向上への積極的な取組み
ボーダーが高いだけあって、プライム市場には日本を代表する大企業が名を連ねています。
したがって、コンセプトにもある通り、投資家への強いアプローチと透明性の確保が必要となってくる市場でしょう。
特許やIPといった既得権益や、特出したシェア、知名度など、何かしらの強みを持っている企業が多く、他市場と比べて安全性が高い企業が多いと評価できそうです。
経営基盤が強く、短期的な上下はありつつも市場全体で長期的かつ安定的な成長が期待できるので、リスクを避けたい投資家にとってはおすすめの市場だと言えるでしょう。
東証スタンダード市場の特徴
東証スタンダード市場は、コンセプトとして以下の3点が設定されています。
公開された市場の上場会社にふさわしい時価総額(流動性)
上場会社に期待される基本的なガバナンス⽔準の具備
持続的な成⻑と中⻑期的な企業価値の向上への積極的な取組み
プライム市場とコンセプトはほとんど同じですが、経営の安定化や企業の成長がやや重視されているといった印象でしょうか。
スタンダード市場は中堅の企業から、目下成長中の企業など、ネクストカミングを期待される企業が多数上場しています。
プライム市場に比べて収益性や安全性で劣る企業が多い印象ですが、なにか一つのきっかけで大化けする可能性も十分にあるでしょう!
投資にある程度慣れ、自分で優良企業を発掘できる自信のある方や、一発大きい山を当ててみたいと考える方などにはおすすめの市場であると言えます。
東証グロース市場の特徴
東証スタンダード市場では、以下の3点がコンセプトとして設定されています。
⾼い成⻑可能性を実現するための事業計画の策定及びその進捗の適時・適切な開⽰
事業実績の観点から相対的にリスクが⾼い会社に対する資⾦供給
相対的に⼩規模の上場会社を念頭においた最低限の流動性(時価総額)の基礎
グロース市場にいる企業は規模がまだ小さいながらも成長性に期待され上場していることがほとんど。
実際、グロース市場上場後に収益性を大幅に上げ、プライムへ市場を変更する企業も少なくありません。
スタンダード市場に比べてもややリスクが高い印象ですが、先述した通り一段飛ばしでプライム市場へ市場変更する企業もあります。
したがって、グロースだからと言って頭ごなしに投資を避けるのは賢いとは言い難いです。
グロース市場に属する企業は、将来的に株価が10倍20倍になる可能性も十分にあるので、ハイリスク・ハイリターンの取引を好む方には特にオススメの市場だと言えるでしょう。
各市場の企業例
ここまで各市場の違いを見てきましたが、どうせなら具体例も見ながらおさらいして行きましょう。
〜JT(2914)〜東証プライム市場
以下はJT(日本たばこ産業)の直近5年における株価推移です。
2022年を境に安定的な上昇を見せていますね!
JTは強い経営基盤を持ちながら、4%強の高い配当利回りを実現しているので、安心して持ち続けられる企業だと言えるでしょう。
株の37%を防衛大臣が所有しており、大幅な経営のブレやいきなりの買収などがないのもポイントです。
JTについて更に詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください✨
https://kabu.bridge-salon.jp/jt/
〜アズパートナーズ(160A)〜東証スタンダード市場
以下はアズパートナーズの上場来株価推移です。
直近の株価は、IPO後の急騰以降はわずかな盛り上がりを見せるものの概ね横ばいで推移。
同社は介護サービスや老人ホーム運営、バリアフリー不動産業などを手がけており、今後の日本で需要が増加すると考えられます。
現に、直近の業績はうなぎ上りで上昇。
今後の成長にも期待したくなる企業です。
上場してまだ間も無く、今後10年20年で株価が爆伸びする可能性も大いにあると言えるでしょう。
アズパートナーズについて更に詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください✨
https://www.bridge-salon.jp/money/ipo/2024april-ipo-160a/
〜アストロスケールホールディングス(186A)〜東証グロース市場
以下はアストロスケールホールディングスの上場来株価推移です。
株価はややボラリティが高いながらも、概ね横ばいで推移していますが、こちらの企業も上場して間もないのでチャートを当てにしすぎるのは良くないでしょう。
アストロスケールホールディングスは宇宙ゴミの回収を主なビジネスとしている企業で、かなり先を見据えた事業を行っています。
今後、必ず需要が発生することが予想されるので、今のうちに目をつけておいても損はないでしょう。
アストロスケールホールディングスについて更に詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください✨
https://www.bridge-salon.jp/money/ipo/2024june-ipo-186a/
市場区分ごとに投資したいあなたに!
ここまで、それぞれの市場にどのような特徴があるのか見てきました。
しかしながら、一概にプライム・スタンダード・グロース市場と言っても、上場している企業数はとてつもなく多く、全ての企業も見比べて投資することはできません。
そこで、最後にそれぞれの市場の代表的な銘柄を扱った投資信託やETFを紹介していきます。
特に、個々別々で銘柄をチェックする時間がない方などは参考にしていただけると幸いです。
プライム企業のみ扱った投資信託
iFree JPX プライム150は、東証プライム市場の時価総額上位500銘柄のうち、収益率や市場評価に基づいて150銘柄をピックアップした投資信託となっています。
構成上位銘柄にはソニーやキーエンス、NTTなどがあり、日本を代表する大企業へ投資したい方にオススメの銘柄となっています。
スタンダード企業のみ扱ったETF
東証スタンダードTOP20 ETFは東証スタンダード市場のうち時価総額上位20銘柄を扱ったETFです。
構成銘柄には住信SBIネット銀行や日本マクドナルドホールディングスなどがあり、これから更に躍進しそうな企業を応援したい方にオススメの銘柄となっています。
ただし、運用会社のシンプレクス・アセットマネジメントのサイトでは、当ETFに関する情報が長い間更新されておらず、運用会社に若干の不安が残る点は留意しておきましょう。
グロース企業のみ扱ったETF
東証グロース250 ETFは東証スタンダード市場のうち時価総額上位250銘柄の時価総額加重平均指数である東証グロース市場250指数に連動するよう設計されたETFです。
構成銘柄にはライフネット生命保険、BASE、GENDAなどがあり、先の需要を見据え、今の内に成長中の銘柄を購入したい方へオススメの銘柄となっています。
ただし、必ずしも成長するという保証があるわけではなく、あくまでもハイリスク・ハイリターンの投資であるという点には注意が必要です。
また、先ほどのETFと同様、運用会社のシンプレクス・アセットマネジメントのサイトでは、当ETFに関する情報が長い間更新されておらず、運用会社に若干の不安が残る点は留意しておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか🌸
東証プライム・スタンダード・グロース市場は、上場条件に基づいて区分されています。
条件はプライム>スタンダード>グロースの順で厳しく、プライムの方が安全性が高いと考えられていますが、成長性や株価の伸びなどを加味すると一概にどの市場が最も良いとは言えません。
過度に市場区分にとらわれるのも良くないですが、自分の投資スタイルに合わせて目星をつけておくと、より良い銘柄に巡り会えるかもしれません。
しかしながら、どんな投資にもリスクは必ず存在します。
ご自身でもしっかりとリサーチを重ねたうえで、自己判断で投資をするよう心掛けましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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本記事の執筆はインターン生の塚田が務めました(^▽^)/
それではみなさん、また別の記事でお会いしましょう🎵
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